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牧野富太郎命名植物 その19 コバノハナイカダ

1: 坂本彰:2023/07/10 11:09 No.128
コバノハナイカダ Helwingia japonica (Thunb.) F.Dietr. var. parvifolia Makino

ハナイカダ属の植物は、葉の表面の中央の葉脈上に花をつけるので、花や果実があれば他の種と間違うことがない種です。

コバノハナイカダについては、牧野富太郎が1892年に安芸市栃ノ木付近で採集した標本を基に、1913年に変種として、記載しています。

高知県植物誌によれば、高知県内にはハナイカダとその変種コバノハナイカダが分布していますが、コバノハナイカダのほうが圧倒的に多いようです。
ハナイカダとコバノハナイカダの違いについては、葉の大きさ、表面の光沢の有無、先端のとがり具合などが相違点となっています(私はコバノハナイカダしか見ていないので、図鑑からの引用です)。

コバノハナイカダはハナイカダの品種とする見解もありますが、高知大学山中二男教授が1966年に発表した論文「コバノハナイカダについて」によって、変種説が定説になっています。

牧野富太郎の記載論文1913年発行 B.M.T植物学雑誌第27巻316号Observations on the Flora of Japan. 80ページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/27/316/27_316_69/_pdf/-char/ja

山中二男の論文1966年 J.J.B.植物研究雑誌41巻375&376ページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/41/12/41_41_12_5471/_pdf/-char/ja

写真は佐川町小谷地で撮影したものです。


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