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牧野富太郎命名植物 その18 ハルノタムラソウ

1: 坂本彰:2023/07/10 10:09 No.127
ハルノタムラソウ Salvia ranzaniana Makino

シソ科アキギリ属にはハルノタムラソウ、ナツノタムラソウ、アキノタムラソウがあり、開花の季節から名前が付けられています。
ところが、ハルノタムラソウとアキノタムラソウは、開花期に関してはかなりルーズで、ハルノタムラソウには同じ集団に9月に咲くものがあり、またアキノタムラソウには5月に咲く集団が河岸近くに見られます。

高知県におけるハルノタムラソウの分布は、県中央部に欠けるパターンで、似たような分布をするズイナなどとともに、高知市に住む者にとってはなかなかお目にかかれない植物の一つです。

高知県東部の分布の西端である香美市・香南市を調査した時、徐々に消えるのではなく、小さな尾根を境に西側では全く見えなくなり、驚いた記憶があります。

牧野富太郎は1912年発行のB.M.T植物学雑誌第26巻306号Observations on the Flora of Japan 184ページで、それまでの見解を改めて、新種として記載発表しています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/26/306/26_306_172/_pdf/-char/ja

写真1は6月に、写真2は9月に撮影したもので、いずれも春とは言い難い時期でした。撮影場所はいずれも香南市です。


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