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最近出会った帰化植物2種

1: 坂本彰:2023/06/27 10:06 No.125
最近出会った帰化植物2種ヤネタビラコ Crepis tectorum L.とトゲチシャ Lactuca serriola L.を紹介します

ヤネタビラコはヨーロッパ原産の1年草。物部調査チームの6月定例調査の際、大豊町の山地に最近開設された道路の法面で確認し、標本を採集しました。ここは法面に植生基材吹付工が施工されており、ヤネタビラコの種子が吹き付け資材に混入していたために発生したものでしょう。

2019年に牧野植物園が発行した高知県の外来植物2019には載っていませんので、高知県で初めての確認になると思います。

工事が完成して数年が経過していますが、確認できた個体数は新設道路全体で10個体以下でした。吹き付け工事に伴い、ウシノケグサ属の植物(種名は特定できていない)が繁茂しているのに対して、ヤネタビラコは個体数も少なく、定着には至らないと考えましたが、なお継続した調査が必要だと思います。

トゲチシャは、ヨーロッパ原産の1年草または越年草で、道端や荒れ地を主な生育地にしている植物です。先日、土佐道路の河ノ瀬交差点で見かけました。時期的に開花前で、標本を採集するには少し早かったですが、周りは除草工事がされており、開花を待っていると引き抜かれそうでしたので、とりあえず採集しました。

この植物の面白いのは、葉のねじれです。葉柄は茎を抱いていますが、葉はそのまま伸びずに、葉柄の基部近くでちょうど90度ねじれて、展開していることです。葉の表面が上を向かず、表面も裏面もほぼ同じように太陽の光を受けるようになっています。植物の葉の役割を考えるうえで大変面白い構造だと思うのですが、残念なことに、この特徴は標本になると消されてしまって、生品を見てないと気が付きません。

高知県の外来植物2019よれば、これまでに旧土佐山田町と高知市で確認されていますが、私ははじめてお目にかかりました。そのため、完全標本にしましたが、大型の植物で苦労しました。

写真1と2はヤネタビラコ。1は根生葉と茎葉を、2は花序を撮影したもので、別個体です。写真3はトゲチシャです。


2: 坂本彰:2023/06/27 10:10 No.126
標本にした個体の全草写真です。


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