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牧野富太郎命名植物 その16 セントウソウ ミヤマセントウソウ

1: 坂本彰:2023/06/08 23:07 No.117
セントウソウ Chamaele decumbens (Thunb.) Makino
ミヤマセントウソウ Chamaele decumbens (Thunb.) Makino var. japonica (Y.Yabe) Makino synonym

セントウソウは春早く他の花に先駆けて白い花を咲かせます。
高知県にはセントウソウが県下全域に分布し、それより葉が小さく裂けたミヤマセントウソウ(ホソバセントウソウ)が香美市の三嶺周辺に分布し、さらに細く線形に裂けたヒナセントウソウC. decumbens (Thunb.) Makino f. gracillima (H.Wolff) Sugim. は安芸市と旧物部村との境界付近で分布が確認されています。

セントウソウは、カール・ペーテル・ツンベルクCarl Peter Thunbergによってヌマゼリ属の植物 Sium decumbens Thunb.として記載されていたものが、1903年に牧野富太郎によってセントウソウ属に組みかえて記載されています。
1903年発行のB.M.T 植物学雑誌第17巻Observations on the Flora of Japan 14ページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/17/191/17_191_6/_pdf/-char/ja

ミヤマセントウソウについては、牧野富太郎が1908年発行のB.M.T 植物学雑誌 第22巻 263号Observations on the Flora of Japan.173ページでセントウソウの変種Chamaele decumbens (Thunb.) Makino var. japonica (Y.Yabe) Makinoとして記載しましたが、現在は変種でなくて、大井治三郎が提唱した品種C. decumbens (Thunb.) Makino f. japonica (Y.Yabe) Ohwiとされるのが定説になっています。

牧野富太郎のミヤマセントウソウを変種とする論文 植物学雑誌第22巻263号 173ページ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/22/263/22_263_165/_pdf/-char/ja

写真1はセントウソウ 写真2はミヤマセントウソウ(ホソバセントウソウ)、写真3はヒナセントウソウです。


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