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牧野富太郎命名植物 その13 エンレイソウ

1: 坂本彰:2023/05/24 21:31 No.112
エンレイソウTrillium apetalon Makinoは高知県では石鎚山系の山地で見られます。私がフィールドとしている三嶺山系では、同じ属のシロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ)Trillium tschonoskii Maxim.は見られるものの、エンレイソウは見たことがありません。
高知県植物誌を見ると二つの種は棲み分けをしているように見受けられますが、山中目録では大豊町梶ヶ森で両種が記録されており、棲み分け説には疑問が残ります。
高標高域の精度の高い分布調査が必要だと感じています。

牧野富太郎はエンレイソウを1889年(明治22年)発行の植物学雑誌第3巻23号日本植物報知第2の8ページで、吾川郡中津明神山産の標本を基に発表しましたが、和名と学名のみを記述してもので、有効な記載ではありませんでした。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/3/23/3_23_1/_pdf/-char/ja

このため、1910年に植物学雑誌第24巻282号Observations on the Flora of Japan137ページで改めて記載しています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/24/282/24_282_137/_pdf/-char/ja

写真1がエンレイソウ、写真2がシロバナエンレイソウ(ミヤマエンレイソウ)です。


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