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書紀も圧力と取り引きした
天上のワオギツネ 投稿日:2024年03月24日 17:59 No.936
No.934より続く
鋤持神

書紀は神武の紀伊半島迂回の際に兄が人身御供として荒れる海に飛び込ませており、その兄が鋤持神(サイモチノカミ=鮫)になったと記している。
No.929では、この鋤持神に鋤の字が用いられていることから、書紀は神武の兄を農耕の神に衣替えさせたのだと述べた。

書記が、皇統の祖神を農耕の神として記しているのは、天照大神の子の忍穂耳尊(オシホミミノミコト)と神武の兄の稲飯命(イナヒノミコト=鋤持神)である。
稲穂の穂や稲飯の稲が名に用いられていることで、そのことが理解される。
このことは、火瓊瓊芸尊やその子たちに火の字を用いていることと矛盾するのではないかとの指摘があることと思われるが、これは書紀も当時の政権からの圧力を受けていたと仮定すれば、かなり理解しやすいものとなる。
つまり、書紀も、当時の政権の王地王民思想(班田収授の基礎思想)のプロバガンダに協力した可能性はあるということだ。

忍穂耳尊の穂の字は、そうした圧力に対して「やむを得ない」としたものだろう。
また、神武の兄の稲飯命(鋤持神)の稲・鋤のケースも、書紀としては圧力と取り引きした結果だった可能性も考えなければいけないだろう。
そして、その見返りとして、皇統のルーツとして海神の血統を書き入れることができたと解釈すれば、神武の兄の名に対して稲と鋤の字が挿入されていることの理由が非常に理解しやすくなるのではないか。

日本最初の官撰王権史の編纂事業には、各方面から多大な圧力があったことは想像に難くないのである。




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