大楠先生へ質問
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βラクタマーゼ確認試験につきまして
堀川正悦
投稿日:2023年06月01日 19:16
No.59
大楠先生
いつもレビューコースにて大変勉強させていただいております。
βラクタマーゼ確認試験についてご質問があります。MSSAの場合ゾーンエッジテストやblazを確認後可能ならばABPCやPCGといった薬剤にde-escalationが可能であるか判断されると思うのですが、他の細菌(fusobacterium necrophorum)などβラクタマーゼ産生することが多いものは例えばABPCの感受性がSであってもニトロセフィン法などでβラクタマーゼ陰性を確認し、ABPCにde-escalationを検討するという形なのでしょうか。それともβラクタマーゼ産生確認試験は行わずにABPCに変更することは可能なのでしょうか。
同様にE. coliやH. influzaeといった中程度のβラクタマーゼを産生していると考えられる細菌に対してはABPCの感受性がSであればβラクタマーゼ産生試験を行う必要はなくβラクタマーゼは産生していないという認識でよろしいのでしょうか。
長文大変失礼いたしますが何卒よろしくお願いいたします。
大楠清文
投稿日:2023年06月02日 10:10
No.60
堀川 正悦先生
本レビューコースを視聴いただき、感謝申し上げます。ご質問の内容は”スペクトル”が広く、どのように回答していいか悩んでおりますが、3つの菌種にわけて回答します。Fusobacterium属菌の多くはβラクタマーゼを産生するため、βラクタマーゼ阻害剤との合剤に対する薬剤感受性試験の結果も考慮するとよいと思います。大腸菌は薬剤感受性試験の結果からTEM型、ESBL, MBLほか様々な耐性機序を考慮して確認試験を実施しているのが現状だと思います。インフルエンザ菌はABPCが感性であればβラクタマーゼ試験は陰性(BLNAS)であるのが一般的だと思います。本ウエビナーでご紹介しましたように、本邦で分離されるインフルエンザ菌はβラクタマーゼ産生によるABPC耐性菌は10数%と少なく、βラクタマーゼ非産生ABPC耐性菌(BLNAS)の割合が高いのが特徴です。
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