大楠先生へ質問


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無題
藤原 投稿日:2020年09月27日 21:13 No.26
大楠先生
いつもお世話になっております。臨床検査技師の藤原です。
第15回ウェブセミナーの内容に関して質問させてください。

終盤の『血液培養から分離されるらせん菌の鑑別性状』の表なんですが
D.desulfuricans
ウレアーゼ(-)
カタラーゼ(+)

A.succiniciproducens
馬尿酸加水分解(+)

と私の手持ち資料にあったので、気になりご教示お願い致します。毎回、しつこくてスミマセン。先生からお答えを言われた方が気が安心するのでよろしくお願いします。


大楠清文 投稿日:2020年09月28日 11:11 No.27
 ご連絡ありがとうございます。ウエビナーで紹介の性状表を詳細にチェックしていただき、感謝申し上げます。ご指摘の表の元文献はこの回でご紹介している「Anaerobiospirillum succiniciproducens による
血流感染1 症例:本邦3 例目からみる簡易推定」 医学検査 Vol.67(1): 124-130, 2018の表から引用しております。
 D. desulfuricansのウレアーゼ陽性、カタラーゼ陰性はManual if Clinical Microbiology 12th Edition (ASM)のP. 1012のTABLE 10でも同様な記載ですので、ご確認をどうぞよろしくお願いします。
 A. succiniciproducensに関しては、本菌種が登録されたIJSEMの論文や他の症例報告の論文、ASMの上記マニュアルにも記載がありませんでした。本菌種の分離菌株が極めて少ないなか、ある特定の性状が本当に陽性であるのか、陰性であるのか、少なくとも5~10菌株以上供試していなければ確率論的にも判断が難しいのが実情です。しかしながら、1菌株あるいは、2,3菌株しか分離されていないなかで、新種記載されることがありますので、このようなケースでは個々の性状はあくまでも参考値として大まかに捉えないと行けない場合もあります。
 個々の性状はあくまでも「生き物」としての代表的な菌株での結果ですので(当然、変わり者もいる可能性があります)、現在は、質量分析法や分子生物学的な解析法も外注検査等で活用できる時代ですので、生化学的な性状だけでなく、総合的な判断が肝要だと思います。




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