大楠先生へ質問


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講義に関する質問
田口 裕大 投稿日:2019年05月24日 23:40 No.19
大楠先生
いつもお世話になっております。市立札幌病院の田口です。
ウェブセミナーの内容に関して2点ほど質問させてください。

1つ目は、3回目の講義でStreptococcus pseudoporcinusはランスフィールドのB群に
交差反応することがあるということでしたが、この菌と類似した抗原型を持つS. porcinusではB群に陽性となることはあるのでしょうか?

2つ目は、19回目の講義でBCGではIGRAで利用されるESAT-6,CFP-10が含まれるRD1の領域が欠損していると途中の資料で出てきますが、症例に出てきた電気泳動の画像ではRD1のバンドが陽性となっています。これはどのように解釈するとよいのでしょうか?
お手数をおかけしますが、ご教示お願い致します。


大楠清文 投稿日:2019年05月27日 10:51 No.20
ウエビナーの菌トレをいつもご覧いただき、感謝申し上げます。2つのご質問に関して、以下のように回答致します。
1.Streptococcus pseudoporcinusはランスフィールドのB群に交差反応する株はあることは確かにご紹介しましたが、S. porcinusの菌株に関してもB群に交差反応する株が存在したことが論文で報告されています。その論文のPDFダウンロードアドレスと論文の記述箇所の抜粋を以下に示します。
https://jcm.asm.org/content/jcm/50/11/3591.full.pdf

Information available in the literature was reviewed (10, 13, 32), and more recent isolates were tested to analyze these the serogroup data for S. porcinus and S. pseudoporcinus. The animal S. porcinus strains SS-995 and SS-996 cross-reacted with CDC group B antisera as well as with several commercial kits. In addition, the clinical isolate 1256-95, described as reacting with all commercial group B antisera, has subsequently been identified as S. pseudoporcinus. A noteworthy finding was that only two of the S. porcinus strains tested reacted with NG1 antisera, whereas almost all S. pseudoporcinus strains reacted.

2.RD1領域のすべてが欠損しているのではなく、一部分が欠損しているので、その欠損領域の前後にPCRプライマーを設定することでBCG株が否かを判定してます。したがって、ESAT-6, CFP-10が含まれるRD1の領域が欠損してはいるものの、その欠損以外の領域にBCG株を判定するためのPCRプライマーが設定されています。




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