近畿植物同好会 掲示板
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淀川河川敷の植物たち
植村 修二 投稿日:2023年10月09日 08:48 No.924
 一昨日<2023年10月8日>、田中光彦さんに教えていただいた淀川河川敷(大阪府守口市)の河川敷のアメリカウンランモドキ見てきました。

 開花の最盛期はとっきに過ぎており、残り花がちらほら咲いている状況でした。個体数は結構あり、定着していると判断できました。

 それより先も見ておりますが、淀川河川公園横の草地や堤防はセイバンモロコシ、シマスズメノヒエなど普通種になった帰化植物ばかりの単調な植生で、「注目すべき植物」は見れないのでは?と思いました。

 あえて言えば 、スイフヨウの実生個体1株、ヒメジソの白花品の2種くらいです。

 スイフヨウの実生個体、栽培品より花弁の枚数が少ないです。

 ヒメジソの白花はネット検索すると画像が見つかり、シロバナヒメジソは正式に発表された和名ではないようです。


帰化植物の勢力図が変わる? マメアサガオとホシアサガオ 植村 修二 投稿日:2023年10月09日 09:03 No.925
 この辺り(大阪府守口市)を歩いたのは1970年代で、その時はホシアサガオIpomoea triloba L.は見つからずマメアサガオI. lacunosa L.が生育していた記憶があります。

 1970年代、私はホシアサガオを見つけると大喜びでした。一方、マメアサガオは、1960年代に大阪府池田市にある大阪府立園芸高等学校の豚舎付近の溝に繁茂していて、1970年代には淀川家戦時期でもあちこちで見かけたので、出会ってもあまり感動しなくなっていました。

 私は、この年代、たしか大阪府豊中市だったと思うのですが、珍しい帰化植物のホシアサガオが見つかったという新聞記事があったと記憶しています。

 しかし、最近、淀川河川敷では、ホシアサガオが増えており、マメアサガオは減っているように思います。

 淀川河川敷における帰化アサガオ類の勢力図が変わってくるかもしれないです。


セイバンモロコシ、淀川河川敷では今後減少する? 植村 修二 投稿日:2023年10月09日 09:16 No.926
 大阪府守口市あたりの淀川堤防では、セイバンモロコシの純群落が延々と続きます。

 しかし、一部でセイバンモロコシが葉に斑点ができて枯れていく病気にかかり、弱ったセイバンモロコシの群落内にセイタカアワダチソウ、ヨモギ、メドハギなどが侵入してきている所がありました。

 この病気の名前はわからないですが、淀川の下流(大阪府大阪市東淀川区)にあったセイバンモロコシの群落がおなじような病気が原因で消えていったことを観察しています。最近、見に行っておりませんが、2017年ころ、完全にセイバンモロコシが絶えていないがかつての旺盛な繁茂は見られなくなっていました。


セイバンモロコシの「さび病」 藤井俊夫 投稿日:2023年10月09日 11:54 No.927
以下の文献に、載っていました。

●佐藤豊三。1987.小笠原諸島の作物病原菌。東京都農業試験場報告。20:。19-38.
https://www.tokyo-aff.or.jp/uploaded/attachment/7407.pdf
P24の左段の15に、
担子菌亜門(Basidiomycotina):「Puccinia purprea Cooke(1876) 夏胞子・冬胞子世代(図版IV-8)」として、報告されています。
宿主:Sorghum halepense Pers. (セイバンモロコシ、ジョンソングラス):葉・葉鞘。
病名:ジョンソングラスさび病
★藤井注:宿主によって病名が変わるようです(発見された植物の名前がついている)

農研機構の「糸状菌類図鑑」を参照。
https://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/inventory/microorg/mokuroku/z25-Puc-pur.html

病気で弱ったところに、ススキやオギ、ヨシなどの地下茎を持つ丈の高い植物が侵入すると、置き換わっていくものと思います。
河川敷は、定期的に草刈りするので、丈の高い植物が成長する前に、成長の早いセイバンモロコシが成長し、優占する状態が続くのではないでしょうか?
病気の蔓延だけでなく、人為的な(定期的な)草刈りによる攪乱も考慮しないといけないと思います。

●今年の4月から始めた、大和川下流部植物の植物調査
(住吉区と堺市堺区に挟まれた地域:我孫子筋から南海高野線ぐらいの間)
現在、350種が出現(在来種:154種、外来種:196種)。うち、木本は30種(街路樹からの逸出が多い)

写真は
3月16日の大和川河川敷(セイヨウカラシナでおおわれている)
6月3日の草刈り後の大和川河川敷(草刈りしているところは、チガヤが優占する)


セイバンモロコシとススキの分布は、重ならない 藤井俊夫 投稿日:2023年10月09日 15:44 No.928
POWO(Plants of the world online)より

●セイバンモロコシの分布
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:422139-1
●ススキの分布
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:408768-1
分布が、きれいに分かれている。

ススキは中国南部から東部および東アジアの温帯季節風の影響をうける地域(台風などの影響により夏季多雨の地域)に生育している。
セイバンモロコシは西アジア地域(大陸内部の乾燥した砂漠や草原地帯)に生育している。
土壌や降水量の違いか?

この分布をみれば、日本では放置すれば(草刈りなどの手入れをしなければ)、セイバンモロコシは消滅し、ススキに置き換わるといえるかもしれない。
河川敷などのように、定期的に草刈りをすると、植生遷移が抑えられ、セイバンモロコシ群落が維持されると考えられます。


セイバンモロコシのさび病Puccinia purprea 植村 修二 投稿日:2023年10月09日 15:49 No.929
藤井俊夫さま

 セイバンモロコシの病気について調べていただき、ありがとうございました。

 この病気の正体がPuccinia purpreaとわかりましたのでネット検索してみました。藤井さんが小笠原に発生している病気の文献をあげていただいたので、”Puccinia purprea 沖縄”で検索しました。

 すると、以下の論文がヒットしました。出版年を見てびっくりです。私が生まれた翌年です。

 Hiratsuka, Toshiko(平塚 利子)1958:The Species of Rust Fungi Parastic on the Grasses Collected in the Southern Kyûsyû and the Ryukyu Islands, Japan.(九州南部および琉球列島(日本)で採集されたイネ科植物に寄生するさび病菌の種), The science bulletin of the Division of Agriculture, Home Economics & Engineering, University of the Ryukyus(琉球大学農家政工学部学術報告)

 この報文では、
 「モロコシ,セイバンモロコシおよびスーダングラスに寄生する Puccinia purpurea Cooke およびクリノイガに寄生する P. cenchri Dietel et Holway は戦後琉球列島に入ったものと思われる。」と報告されていました。

 淀川堤防でセイバンモロコシが優占するのは、藤井さんがおっしゃる通り、草刈りの影響が大きいと思います。

 淀川堤防は広いので、区間を決めて草刈り作業していることが立て看板から読み取れました。すでに刈り取りが終わったところで、いち早く伸びてくるのがセイバンモロコシとイタドリのようです。赤く染まった植物がイタドリです。
 




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