近畿植物同好会 掲示板
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マツムシソウの語源について(諸説あり)
藤井俊夫 投稿日:2023年10月04日 13:06 No.913
マツムシソウの名前の由来は?、「松虫草」と名付けられた理由について、

①松虫が鳴く頃に咲くことからという説
②花の散った後の姿が松虫鉦(マツムシガネ)という仏具に似ていることが名前の由来とする説
③秋の高原の代表的な草花であることから、秋を告げる「松虫(マツムシ)」になぞらえたことが由来するという説もある
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仏具としての松虫(松虫鉦)
buddhist bell hinduism(ヒンズー教で、似た鐘が使われています)
お坊さんが使う、釣鐘(梵鐘)に似た、手持ちの風鈴のような鐘です。
表面に大仏様の頭の螺髪のような突起が着いていることが多い。
風鈴と同じく、高い澄んだ音が出ることから、昆虫の鈴虫や松虫を連想させたのかも知れません。
●歌舞伎などで使う松虫鉦もあるが、歌舞伎は江戸時代に始まったものなので、演劇用に形や使用方法が変化していると考えます。

マツムシソウの生育するような(近畿地方では高原の)草地で、昆虫のマツムシやズズムシを見たことも、その鳴き声を聞いたこともないような気がします。
近畿地方でマツムシソウが生えている地域は、滋賀、三重、奈良、兵庫のススキ草原です。標高500mから1000mぐらいの地域に限られています。

昆虫のマツムシ、スズムシの名前が出てくるのは、古今和歌集の時代のようです。以下、引用。
※古今(905‐914)秋上・二〇〇「君しのぶ草にやつるるふるさとは松虫のねぞかなしかりける〈よみ人しらず〉」

古都(奈良)周辺で、マツムシソウが見られるのは三重県との県境の曽爾高原ぐらいだと思います。(京都にはマツムシソウは確認されていない)
都の貴族が、当時曽爾高原のススキ草原に行ってマツムシソウの草むらで夜中にマツムシの鳴き声を聞くとは考えにくいと思います。
(近所のススキ原の茂みで十分鑑賞できます)

●以上の理由から、「マツムシソウ」の語源は、お坊さんが使っていた手持ちの鐘「松虫」が由来とする説が有力だと考えます。
インターネットでは、Wikipediaでさえ、複数の説のうち、一部しか採用していないことがあります。
安易な引用には、注意が必要です。
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●そういえば、大阪の四天王寺から住吉大社に行く旧街道の途中に松虫通りというのがあります。名前の由来は定かではない。
もしかしたら、お坊さんがこの近辺で托鉢をしていたなどが、通りの名前に関係があるかもしれません。
(高校時代は、通学に路面電車を利用していた)

●マツムシ、スズムシの鳴き声は40年ぐらい前、和泉市の信太山丘陵に聞きに行った覚えがあります。
近くの聖神社には大阪では珍しいシリブカガシが生えている。
信太の森葛葉神社は、安倍晴明の生誕伝説「葛の葉伝説」があります。

●先月、美ヶ原へミヤマラッキョウを探しに行ったが見つからず。(2023年9月23日から25日)
ニッコウキスゲなどの草原性植物の開花も終わっていた。
連休で朝(9時)から駐車場が満車だった。
①看板
②牛伏山(草原:風衝草地)
③王ケ頭(頂上にホテルと電波塔)この辺りでミヤマラッキョウを探したが、見つからず。
④タカネマツムシソウ
⑤ホソバノヤマハハコ(電波塔の下で)
⑥ついでに松本城(国宝)




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