近畿植物同好会 掲示板
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高知県立牧野植物園と四国カルスト・天狗高原へ
伊吹寛子 投稿日:2023年10月03日 21:12 No.909
9月末に講師つきの2泊3日のツアー(参加者13名)で四国に行ってきました。四国内はバス移動で、1日目:高知県立牧野植物園、2日目:四国カルスト・天狗高原、3日目:仁淀川支流にこ渕、伊尾木洞に行きました。

1日目の牧野植物園は、昨秋のちょうどキイジョウロウホトトギスの頃に行っていて私は2度目でした。到着後の半日では広大な植物園の一部しか見られませんでしたが、オカダイコン、コシロネ、ダイサギソウ等の花、サツマスゲ他、数多く見ることができ、実をいっぱいつけて頭上の木々を這いまわるトビカズラには「キケン」の札が下がっていました。果実の表面の棘が刺さると取れず、ととても痛いそうです。

宿泊した土佐市近くの伊野への道中では、去年、南紀で見た丈高いダンチクが海岸沿いに風に揺れていましたし、宿泊地のそばを散策するとイモネノホシアサガオが咲き競い、ショウジョウソウの朱が目を引きました。前日の植物園でもそうでしたが、宿泊地そばでも、見た範囲ではキツネノマゴはシロバナばかりでした。

2日目のカルスト台地の「天狗の森」へのコースは花盛りで、レイジンソウ、ヒナシャジン、シオガマギク、ハガクレツリフネが目を楽しませ、クサボタン、ヒナノウスツボ、ミツバベンケイソウ、トリカブト、マルバタケフキの花々のほか、クロミノニシゴリ、シロモジ、ツリバナ、そしてトチバニンジンなどの果実が見られました。

その後、立ち寄った「カルストテラス」では夕日に輝くススキに混じってヒメヒゴタイの花の可憐な姿が見られ、まんたろうのように空を飛びたい気分でした。

3日目は仁淀川支流にある「にこ渕」に立ち寄りました。濡れると滑りそうな急勾配の階段を降りると滝があり、流れ落ちる水、滝つぼの水の「仁淀ブルー」と呼ばれる緑がかった深い青に魅せられました。

その後、伊尾木洞という海食洞に向かいました。かつての海底が隆起後、打ち付ける波の浸食で形成されたもので、その後、更に起こった地盤の隆起・海面の低下に伴って内陸の洞窟となったそうです。崖に挟まれた流れに沿って遊歩道が400m続いており、シダの宝庫と言われています。ホウビシダの大群落、ちょうど黄色い胞子葉をつけたシロヤマゼンマイ、マツザカシダ、クリハラン、ノコギリシダなどがすぐ近くにありましたが、40種類以上が見られるそうです。また、かつて海底であったことを示す様々な貝の化石も見られるとのことで、モミジツキヒガイという絶滅した大きな二枚貝の化石がついた石が置かれていました。現場の保護をしておられる職員の方は、最近はミドリハカタカラクサの侵入が激しく、手を焼いていると嘆いておられました。

長距離をバスで移動して疲れましたが、楽しい旅でした。どこでも植物を見ると誰もが夢中になるものですから、添乗員は時間のやりくりにハラハラしながらも一生懸命笑顔を作っていました。

写真1:高知県立牧野植物園のダイサギソウ
写真2、3,4:順に天狗の森コースのヒナシャジン、ハガクレツリフネ、トチバニンジン
写真5:カルスト台地のヒメヒゴタイ
写真6:伊尾木洞のシロヤマゼンマイ


仁淀川下流の伊野町で植物を町おこしに役立てている例がありました 藤井俊夫 投稿日:2023年10月04日 12:29 No.912
高知県伊野町の【現代の牧野富太郎】みんなで作る植物誌
https://www.nhk.or.jp/kochi/lreport/article/002/56/
町おこし協力隊で活動している。

●近隣での植物調査報告
佐久間智子・山城沙織・森口弥生・石川愼吾・三宅 尚。2006.高知県いの町成山地区における植物群落の種多様性と植物相。四国自然史科学研究,3.78-85。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sinh/3/0/3_78/_pdf/-char/ja


辻本 穣 投稿日:2023年10月04日 17:08 No.917
伊野町のみんなで作る植物誌
グラウンドファンディングしていたので、微力ながら支援しました。

このような調査ができるだけの知識を得たい、もっとフィールドに出なくては…と、思うばかりです。


伊吹寛子 投稿日:2023年10月04日 17:20 No.918
藤井俊夫先生

伊野町(いの町)についての興味深い情報をありがとうございました。私たちが泊ったのは町の南端でしたが南北に長い町は、ご紹介いただいた資料を拝見しますと、とても植生豊かで、町民を巻き込んだ「現代の牧野富太郎」はじめ、色々の研究がなされているのですね。知りませんでした。ご教示ありがとうございました。ご紹介下さった論文も読ませていただきます。ありがとうございました。


辻本穣様

「みんなで作る植物誌」ご存知で協力されたのですね。町民だけでなく辻本さんはじめ多くの方々を巻き込んで、すばらしい活動ですね。




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