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カタバミの異形花柱性、種内変異、オッタチとの識別点
藤井俊夫 投稿日:2023年09月21日 17:50 No.870
カタバミの異形花柱性、種内変異、オッタチとの識別点

●カタバミの異形花柱を巡る進化生物学のレビューがありました。
渡邉謙太。2022.「異型花柱性」を巡る生態学と進化生物学の今。沖縄工業専門学校紀要。16:31-45.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nitokinawacollege/16/0/16_31/_pdf
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異形花柱性を持ち、自殖を避ける繁殖様式が行われるカタバミで、以下のような種内分類群が知られています。
Oxalis corniculata L. f. villosa (M.Bieb.) Goiran  カタバミ
https://mikawanoyasou.org/data/katabami.htm
Oxalis corniculata L. f. atropurpurea (Planch.) Van Houtte ex Hegi ウスアカカタバミ
https://mikawanoyasou.org/data/usuakakatabami.htm 
Oxalis corniculata L. f. plena Sakata  ホシザキカタバミ(八重咲品種) 
Oxalis corniculata L. f. rubrifolia (Makino) H.Hara  アカカタバミ
https://mikawanoyasou.org/data/akakatabami.htm
Oxalis corniculata L. var. trichocaulon H.Lév. ケカタバミ(現在は、カタバミに含まれているようです)
https://mikawanoyasou.org/data/kekatabami.htm 
Oxalis corniculata L. form. erecta Makino タチカタバミ(現在は、カタバミに含まれているようです)
https://mikawanoyasou.org/data/tatikatabami.htm

他殖による繁殖を行っているのに、上記のような変異が認められることは、両性生殖以外の、他の要因を考える必要がありそうです。
①地上送出枝による無性繁殖をする(小規模な変異が蓄積して、変化が起こる)
②配偶子による遺伝ではなく、細胞質を経由した遺伝(葉緑体の伝播のように、母系遺伝がある)

上記の要因が複雑にからみあって、様々な変異株が同所的に出現するものと考えています。
(または、環境によって発現する遺伝子が異なるかも?)

●環境が葉の色に影響を与える可能性の検証実験●(日光、土壌環境)
葉が緑色のカタバミと、葉が赤いアカカタバミを明るい日向、暗い日陰で栽培し、色の変化を見るなど。
根の発達具合も、違うかもしれません。土壌条件を変えて栽培か?(園芸用土・砂利などか)
上記の実験をすれば、遺伝的要因か環境要因かの違いが判ると思います。

カタバミ:日本から中国、東南アジア、インド周辺に分布する。
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:177893-2
ムラサキカタバミ:南アメリカに分布する。
https://powo.science.kew.org/taxon/urn:lsid:ipni.org:names:374833-1
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★オッタチとカタバミの違い
茎上に生える毛の向き、密度が違います。
カタバミ:毛は直立する。散生。
オッタチ:毛は斜上する。密生。

三河の野草を参照
https://mikawanoyasou.org/data/katabami.htm
https://mikawanoyasou.org/data/ottatikatabami.htm
三木山森林公園の写真は、開花時点の写真で、果実が稔っていないのは当たり前、この写真で果実が成熟しないと考えるのは早計と思います。
オッタチ、そのものだと考えます。




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