近畿植物同好会 掲示板
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カヤラン属の新種「イリオモテカヤラン」を命名
相良真佐美 投稿日:2023年09月09日 00:18 No.836
神戸大学の末次健司教授は、幻のラン「ハガクレナガミラン」の別種を見つけ「イリオモテカヤラン」と命名しました。
(Received May 30, 2023; accepted July 12, 2023)

(1) https://twitter.com/tugutuguk/status/1700040748333432996?s=20

(2) https://twitter.com/tugutuguk/status/1700053923418247677?s=20

「ハガクレナガミラン Thrixspermum fantasticum」と比べやや狭くて硬い葉、わずかに狭いがく片、唇弁の中に密に毛が生えていること、
および 2 本の角のようなものが存在しないことにより、形態学的にも遺伝子的にも一貫した「ハガクレナガミラン」との区別を確認し、
「イリオモテカヤラン Thrixspermum annamense」と命名しました。


相良真佐美 投稿日:2023年09月09日 06:43 No.837
末次さんが、以前から、じらしていたのが解禁されて、ついに、いっぱい出てきました。

国内では未報告の種で、新たに「イリオモテカヤラン」と和名をつけ、環境省に報告した。論文が8日、国際学術誌に掲載された。(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/local/kansai/news/20230908-OYO1T50043/

沖縄美ら島財団総合研究所のプレスリリース
https://churashima.okinawa/pressrelease/1693558742/

神戸大学
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2023_09_08_01.html


相良真佐美 投稿日:2023年09月09日 11:50 No.839
更に、産地の花びらの形状等で、種内分類群として2つに区別されました。

 ベトナムで見られるタイプ   Thrixspermum annamense
 台湾・西表で見られるタイプ  Thrixspermum annamense var. devolianum 

末次教授から
「私だけの力ではThrixspermum annamenseとしての報告にとどまったと思いますが、
 ベトナム・台湾でも調査された共同研究者のおかげでより深化した論文にできました!」
と、コメントが出ました。

※添付画像は、末次教授のX(旧ツイッター)の画像から引用ました。
 また、画像の説明で論文には
  (A–K) T. annamense var. annamense from Lam Dong Province, southern Vietnam (T. C. Hsu 11362, TAIF).
  (L–V) T. annamense var. devolianum from Nantou County, Taiwan (T. C. Hsu 14807, neotype, TAIF).
 X(旧ツイッター)には
  (右がベトナムのもの、左が台湾・西表のもの)
 とあり、左右逆になっていますが、論文の方を採用して、青地に学名を追記しました。


日本の野生植物(平凡社)はイリオモテカヤラン 相良真佐美 投稿日:2023年09月09日 23:03 No.841
末次教授によると、「改訂新版 日本の野生植物 1」(平凡社 2015) p.164のハガクレナガミランの写真は、イリオモテカヤランだそうです。
 【この写真を撮影された阿部さんが同所で採取された果実由来のフラスコ苗が海洋博にあり、遺伝解析もして確定しました。】とのことです。

その他「日本ラン科植物図譜」、「原色日本の蘭図譜」の方は、
 【図譜のものは、真のハガクレナガミランでよいでしょう(1990年ごろの神田さんの採取のもので、神田さんの図鑑・写真集も全てハガクレでした。
  但し図譜にはTNSに収蔵とのことでしたが、実際には証拠標本がTNSに収蔵されていなかったので100パーセント確定できない・・・)】とのことです。

他のラン関連の図鑑も、これから確認作業が必要そうです。


橋爪雅彦著2023『原色日本の蘭図譜』の彩色図はハガクレナガミラン? 植村 修二 投稿日:2023年09月11日 18:57 No.853
 私はランの分類は詳しくないので題名には?をつけました。間違っておればごめんなさい。
 

 イリオモテカヤランについては、読売新聞の記事で知りました。

 
 橋爪雅彦著2023『原色日本の蘭図譜』(以下、橋爪図譜と略します)に西表島のハガクレナガミランの彩色図があり、「和名は、長い果実が葉の陰に隠れるように見えることに由来している」と解説されています。

 橋爪図譜の図はどちらの種なのか、それには、相良さんが報告しておられた神戸大学のサイトが大変参考になりました。

 一番の決め手は、「花びらの一枚にはツノ状の突起がある」ことが描かれていることです。

 また、イリチモテカヤランは複数の株が集まって生育していますが、ハガクレナガミランは、コチョウランのように単独個体で細い枝に着生していることも一致しています。ただ、これが区別点になるかどうかはわからないです。また、このようなことは標本ではわからないことが他の種でありました。重ならないように分けて押すからですね。

 なお、2023年4月23日に、この掲示板( No.566)で、橋爪図譜の記事を書きました。前川文夫著『原色日本のラン』の続く図譜を製作するため、橋爪氏は石垣島に移住され、多くの野生ランの彩色図を描かれました。しかし、出版社の方針が変わり、この計画は中止されたため、クラウドファンディングで資金を募り出版されたので、一般には入手できないと思います。


橋爪雅彦 画 相良真佐美 投稿日:2023年09月11日 21:31 No.854
昨年、牧野記念庭園で橋爪雅彦 画の作品も売っていましたが、人気のためか通販では売っていないようです。
https://museumshop-makino.com/products/list?category_id=7




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