近畿植物同好会 掲示板
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オーギョーチ
相良真佐美 投稿日:2023年08月25日 12:21 No.810
NHKドラマ「らんまん」は次週から第22週「オーギョーチ」になります。
初耳でどんな植物か分からず、手持ちの図鑑にも載っていなかったのでネットで調べました。

小学館の月刊誌「サライ」のサイトに、日本では「愛玉子」、台湾語の発音「オーギョーチー」の呼び名で浸透、と紹介されていました。

【サライ】台湾で「愛玉」オーギョーチーを見つけた日本の植物の父・牧野富太郎と、彼を描いた池波正太郎 (2020/10/8)
     https://serai.jp/tour/1005946

史実では、牧野富太郎は1896年10月20日に植物調査団として船で基隆港から台湾入り、約2カ月台湾を縦断するように植物の調査や採集を行ったそうです。

京都市の山科植物資料館のサイト↓ には、カンテンイタビ (アイギョクシ)として画像があります。
https://tinyurl.com/4nuzmjae


植村 修二 投稿日:2023年08月25日 13:00 No.811
 2011年、台湾に行った際、台北市内の夜市で撮影しました。

 私がこの植物を初めて見たのは、大阪市立大学(現:大阪公立大学)付属私市植物園の温室内でした。今から40年ほど前なんで、今もあるかは不明。日本にもあるオオイタビみたいなツル植物です。


カンテンイタビ、オオイタビについて 藤井俊夫 投稿日:2023年08月25日 18:09 No.814
オーギョーチ(愛玉子)
和名:カンテンイタビ(オオイタビの変種とされている)
分布:中国南部、台湾、ベトナムとされている(Flora of Chinaより)

カンテンイタビとオオイタビの識別点
http://www.efloras.org/florataxon.aspx?flora_id=2&taxon_id=233500650

カンテンイタビの図
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=50279&flora_id=2
Fig.78
1-5:オオイタビ
6-8:カンテンイタビ(愛玉子)
葉の形が違うことと、果実が球形かラグビーボール状かで、見分けるようです。
日本でも、植物園などで良く植えられています。
果実が稔らないと、識別できない(変種なので、厳密な区別はつかない)

いわずと知れた、雌雄異株で、イチジクコバチの仲間が花粉媒介するので、本州では結実しないと考えられる。
オオイタビと同じコバチが花粉媒介するかは、不明です。
(誰か調べてください)

以前兵庫県赤穂市の赤穂御崎海岸の人家の塀に緑化で飢えているのを見たことがある。
数年間かかって調べると、カンテンイタビでした(果実の形がラグビーボール状になったことが決め手)。
そういえば、11月のひとはくの観察会で行く予定にしていた(当日は、近植の観察会と重なっていた)
日本では、果実が稔らないので、寒天を作ることができない。
(オオイタビで作れるか、試してみたいと思っている)

奄美大島だったかな、ラグビーボール状の果実をつけたオオイタビを見かけたことがあった。
(多分、雌雄ともに同じ形状の果実をつけるはず。もしかしたら、奄美のオオイタビで寒天ができるかもしれない)。
日本では、カンテンイタビが十分に認識されていないので、詳しく調査すればカンテンイタビが見つかるかもしれない。

中国では、カンテンイタビで作った寒天の缶詰が販売されています。
神戸の中華街の輸入品店などでも扱っています。
通販でも売っています。愛玉子で検索すれば、1缶500円ぐらいで売っています。

園芸用でFicus pumila (フィクス・プミラ)と呼んで売られているのが、オオイタビです。
もしかしたら、この中にカンテンイタビが混ざっているかもしれません)
壁面緑化用のオオイタビは箕面の滝や、兵庫県の三田でも見ています。
(冬に雪が降り、シモバシラまでできる寒いところでも、オオイタビはたくましく育っている)


オオイタビ、ついでに奄美大島のタマムラサキ 藤井俊夫 投稿日:2023年08月26日 08:21 No.815
奄美大島のオオイタビ写真が出てきました
2022.Nov.28
鹿児島県奄美市大字須野あやまる岬

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●参考:Flora of Chinaのイラスト(Flora of China)
http://www.efloras.org/object_page.aspx?object_id=50278&flora_id=2
左の丸い果実がオオイタビ:Ficus pumila(2)。
右の楕円形の果実がカンテンイタビ:var. awkeotsangです(8)。

●牧野富太郎の原記載(カンテンイタビ):Pious (Eusyce) Awkeotsang Makino sp, nov.
①Makino,T. 1904.Observations on the Flora of Japan. (Continued from p.146.). B.M.T. 18(215):151-158.
  p151-152.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/18/215/18_215_151/_pdf/-char/ja
Nom. Jap. Aigyokushi-itabi (愛玉子イタビ)
Hab. FORMOSA

新種として記載し、和名を「アイギョクシイタビ」としている。
現地(台湾)では愛玉子(ai-yu-tze)と呼び、ゼリーにして利用すると記述している。
awkeo-tsang(愛玉湯?)として利用している。
「愛玉湯」はゼリーに加工した商品名か?
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「愛玉子」の由来(以下のsiteに記述がある:小学館発行の雑誌:サライのsite)
https://serai.jp/tour/1005946
愛玉という名の少女が屋台で売り始めて評判を呼び、彼女の名前で台湾中に広まったとも伝えられている。

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牧野は、
②オオイタビ(Ficus pimila)も記述している。
③ワセオオイタビ:Ficus hanceana、現在はオオイタビのsynonymとされている。

*********************●ついでに奄美に調査に行った目的の植物●********************
タマムラサキ(Allium pseudojaponicum Makino:B. M. T. 24: 30 (1910))
●牧野の原記載
Makino,T. 1910. Observations on the Flora of (Continued from p. 22.)。B.M.T.24(277): 28-35. (p30)。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/24/277/24_277_28/_pdf/-char/ja

●最近の報告
田中伸幸・藤井伸二。2012.タマムラサキの分布と四国での生育環境。(新産地報告)。分類。12(2):153-157.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunrui/12/2/12_KJ00008194393/_pdf/-char/ja
分布図が載っている。(図2)
藤井注:内陸に分布する地点として、秋田県、滋賀県伊吹山が示されているが、疑問です。
おそらく、複二倍体ではない四倍体の別系統の種だと考えているタイプです。

●下記文献に報告(きづいてから、もう10年もたっているのに、コロナの影響などで、あまり進んでいない)。
藤井俊夫(2018)兵庫県新産のタマムラサキ(ユリ科).兵庫の植物.28:5-6. 
 (タマムラサキではない!別系統の変種か?)
藤井俊夫,2020.03,「兵庫県産のヤマラッキョウ類について(おぼえがき)」兵庫植物同好会々報.36:24-26.
 (仮称:巨大ヤマラッキョウとした)
藤井俊夫. 2020.05. ヤマラッキョウの認識について. 兵庫の植物.30:51-52.兵庫県植物誌研究会.
 (葉の断面構造について記述)
藤井俊夫.2020.07. ヤマラッキョウの地域的変異(地域と向き合う).in人と自然、地域と向き合う。
 (上記、報告のまとめ。以下の書籍に解説しています)
●神戸新聞総合出版センターから出版されています(2200円)。
https://kobe-yomitai.jp/book/1520/
兵庫県立人と自然の博物館・編(2023)人と自然のワンダーランドへ、ようこそ。神戸新聞総合出版センター(2200円)。
「ひとはく」の研究員が伝える自然科学の不思議とおもしろさ―。
身近な昆虫や動植物、化石、地域の風景や自然環境、生物多様性など、多岐にわたる研究の成果を37のテーマで紹介します。
☆人と自然の博物館 30周年記念出版。

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写真は、去年、奄美大島にタマムラサキ(ヤマラッキョウの複二倍体(4倍体)の系統:現在は独立腫とされる)の調査に行ったときに撮影。
2022.Nov.28
鹿児島県奄美市大字須野あやまる岬
1.オオイタビ(カンテンイタビ?:果実が長い)
2.オオイタビ(カンテンイタビ?:果実が長い)黒く熟しているので、多分雌株です。
3.オオイタビの上に、ソテツが生えている。隆起サンゴ礁の風衝草地。
4.海岸性の複二倍体:タマムラサキ
5.海岸性の複二倍体:タマムラサキ
6.奄美大島、あやまる岬(草地と樹林の境界付近にタマムラサキが見られる)

(文献は検索ができるが、撮りためた写真は未整理で探すのが大変)


愛玉子を買ってきました 植村 修二 投稿日:2023年10月29日 19:32 No.980
 先日<2023年10月26日>、久しぶりに私が以前勤めていました農芸高等学校の先生に会うため、大阪の天王寺に出かけました。

 あべのハルカス10Fに台湾のお土産品が販売されているお店があり、のぞいてみますと、愛玉子が売られていましたので買ってきました。

 芽がでるか。ダメもとで播いてみようと思います。


H-matsumoto 投稿日:2023年10月29日 20:07 No.981
私も、2週間前に同じ店で愛玉子の種を買ったところです!
同じ職場の人に見せたら、ここの会社の他の種は芽が出たそうなので
可能性はあるかもとのことでした!
 
 


相良真佐美 投稿日:2023年10月29日 21:36 No.983
「らんまん」で放送された押し葉標本は、山科植物資料館で栽培している「カンテンイタビ」を使ったそうです。
  https://yamashina-botanical.com/column/ranman/


植村 修二 投稿日:2023年10月30日 12:25 No.984
H-matsumotoさん、相良真佐美さん

 愛玉子(カンテンイタビ)の情報、ありがとうございます。

 私も播いてみます。

 以前、タネを水につけとゼリー状になるチアシードSalvia hispanica L.を購入したことがあり、このタネもよく発芽し、開花しました。


愛玉子ゼリー 磯野久美子 投稿日:2023年11月03日 22:08 No.991
今日は咲くやこの花館でインドネシア・フェスティバルを楽しんで来ました。
屋台は大盛況で、私も色んな物を食べて来ました。
まだ「らんまん・フェア」もやっていて、愛玉子ゼリーも食べることができました。
今日は暑かったので、冷たいレモネードソーダに沈むツルンとした食感の愛玉子ゼリーは美味しかったです。
寒天とは全然違って、あんなに固くはなく、と言って、ゼラチンのゼリーほど水分が多い感じでもなかったです。
看板のメニューの写真とは異なり、浮かんでいるのは氷で、ゼリーは無色透明でカップの底に沈んでいたので、うまく撮れませんでした。


愛玉子ゼリーと台湾ソーセージ 植村 修二 投稿日:2023年11月05日 08:43 No.992
磯野久美子さんへ

 愛玉子ゼリー美味しそうですね!

 私は、台湾で食べた経験がありますので、磯野さんと情報が共有できました。

 世の中、なんでんかんでもデジタル化の時代になりました。音や映像はデジタルで共有できても、味や食感は伝えにくいですよね。

 私が「あべのハルカス」で農芸高校で一緒だった先生にお会いした際、10階の台湾レストランで簡単な食事をとりました。

 お会いした先生は学生時代、農芸高校で肉加工を学ばれておられたので、「台湾のソーセージ」(香腸)を注文しました。見た目は、スーパーでよく目にするソーセージ、でも味は全然違っていて甘いです。パリパリ感もあまりないです。

 デジタルでは、「台湾のソーセージ」(香腸)、どんな食べ物か皆さんに伝えにくいですね。


愛玉子ゼリー 磯野久美子 投稿日:2023年11月05日 12:37 No.993
植村様

食レポはホント難しいと思いました(^^)




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