近畿植物同好会 掲示板
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NHK朝ドラ『らんまん』第19週「ヤッコソウ」で槙野万太郎が採集した植物
植村 修二 投稿日:2023年08月18日 11:42 No.790
 昨日、大学時代の友人と会う機会があり、NHKの朝の連続テレビ小説(朝ドラ)『らんまん』に登場してくる植物で話が盛り上がりました。

 8月10日放送の第19週「ヤッコソウ」で、槇野万太郎が地元の山元虎鉄くんと出会う直前、万太郎はとても小さなか細い植物を採集しているシーンがあったようです。

 さて、この植物は何だろう? 友人はホンゴウソウだと言ってます。

 私は、サルオガセは記憶にあったのですが、その場面はじっくり見ておりませんでしたので何とも言えなかったです。

 ホンゴウソウ、私は水田光雄さんに案内していただいて、今年はじめて実物を見ることができました。

 ただ、とっても小さくうまくデジアメで撮影できませんでした。もちろん、私の技術が足らないせいで・・・

 もし、新明な画像お持ちでしたらアップしてほしいです。


ホンゴウソウの原記載 藤井俊夫 投稿日:2023年08月18日 12:46 No.791
●ホンゴウソウ:Sciaphila nana Blume
名前の由来
当時の三重郡本郷村(現・四日市市楠町本郷)で採集された。

●1902年に、牧野富太郎が新種、Sciaphila japonica Makinoとして植物学雑誌に発表。B. M. T. 16: 211 (1902)。
T.Makino.1902. Observations on the Flora of Japan. (Continued from p. 202.). B.M.T.16(190): 211-212.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jplantres1887/16/190/16_190_210/_pdf/-char/ja
後に、上記「Sciaphila nana Blume」の、synonymにされる。

ついでに、ツチトリモチも次項で記載している。

●基準標本産地で、探索が始まったようです。
牧野命名「ホンゴウソウ」、由来の地で再発見を共に「腹ばい探索」! 学芸員に住民も協力 四日市/三重(毎日新聞:2023/6/19 地方版)
https://mainichi.jp/articles/20230619/ddl/k24/040/077000c

●最近は、移植による保全も検討されているようです。
宮﨑 萌未・佐々木 晶子・金行 悦子・小倉 亜紗美・木下 晃彦・中坪 孝之。2015.
菌従属栄養植物ホンゴウソウの保全─生育環境の解明と移植─。保全生態学研究。20:213-220.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hozen/20/2/20_KJ00010232610/_pdf/-char/ja

●報花昆虫の研究も出てきました
根本秀一・・末次健司・・堀江 満・黒沢高秀。2018.福島県初記録のホンゴウソウ(ホンゴウソウ科)とその訪花昆虫の報告。植物地理・分類研究。66(1)71-73.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/chiribunrui/66/1/66_0661-11/_pdf/-char/ja


相良真佐美 投稿日:2023年08月18日 13:00 No.792
>8月10日放送の第19週「ヤッコソウ」で、槇野万太郎が地元の山元虎鉄くんと出会う直前、万太郎はとても小さなか細い植物を採集しているシーンがあったようです。
>さて、この植物は何だろう? 友人はホンゴウソウだと言ってます。

末次健司さんは、ウスキムヨウランとツイッターで述べられています。これではないでしょうか
https://twitter.com/tugutuguk/status/1689574428605325312?s=20


ウスキムヨウラン(Lecanorchis kiusiana Tuyama)の原記載(薄黄無葉蘭) 藤井俊夫 投稿日:2023年08月18日 14:05 No.793
●ウスキムヨウラン(Lecanorchis kiusiana Tuyama)の原記載(薄黄無葉蘭)

(いくつかの図鑑類には「ウスギ」と書かれていますが、「ウスギ」ではなく、「ウスキ(薄黄)」です)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjapbot/30/6/30_30_6_3879/_pdf/-char/ja

Norn. Jap. Usuki-muyoran (nov.)
Spec. Typ. Japan;Kiusiu: Satsuma, Isagun, Yamano, Zissodani, alt. 400 rn
in humis secundurn rivulo (leg. Daisuke Shiruizu, Apr. 14, 1954, 'type in Herb. Mus. Sci. Nation., Tokyo).
採集地は、九州(薩摩)です。基準標本は科博にある。

ムヨウラン属は、日本で20種類ぐらい見つかっている。
花の時期にしか発見されないし、出現時期が限られる。おまけに押し葉にすると、花の外部形態がわからなくなる、分類が遅れている植物です。
最近はDNA鑑定を駆使して分類の再検討が行われています。
●Michihisa Takashima, Yumi Yamashita, Akihiko Kinoshita,Mineo Ohta, and Tomohisa Yukawa.2019.
Taxonomic Status of Lecanorchis suginoana (Tuyama) Seriz. (Orchidaceae)。Bull. Natl. Mus. Nat. Sci., Ser. B, 45(3), pp. 119–129,
https://www.kahaku.go.jp/research/publication/botany/download/45_3/L_BNMNS_B45-3_119.pdf


ホンゴウソウ 相良真佐美 投稿日:2023年08月18日 14:52 No.794
>もし、新明な画像お持ちでしたらアップしてほしいです。

昨年夏に撮影したホンゴウソウです。ヒナノシャクジョウの近くに、たくさん咲いていました。雄花も雌花も見られました。


植村 修二 投稿日:2023年08月18日 23:30 No.796
相良真佐美さま

 素晴らしいホンゴウソウの画像と情報提供、ありがとうございました。


植村 修二 投稿日:2023年08月18日 23:36 No.797
相良真佐美さま、藤井俊夫さま

 ウスキムヨウランだったのですね。

 私は果実期の個体を1株だけ見たことがあります。

 ホンゴウソウよりは大きかったですが、うまく撮れなかったです。

 どんな植物だったか、NHKプラスで『らんまん』のこの場面もう一度見てみます。

 ありがとうございました。




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