近畿植物同好会 掲示板
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ナミガタタチゴケ
相良真佐美 投稿日:2023年03月22日 10:02 No.500
3月19日に、京都市西京区の大原野に行きました。いろいろなコケと出会えました。
その中で、ナミガタタチゴケを観察しました。これは、スギゴケ科ではコスギゴケ、ウマスギゴケと並んで最初に学ぶポピュラーなコケです。
山地だけでなく寺院の庭園などでもよく見られます。
ナミガタタチゴケ Atrichum undulatum は、葉は披針形で横じわが特徴で、乾燥すると強く縮れます。

胞子の出た蒴の撮影をしていると、中から残った胞子がこぼれました。顕微鏡で見ると、20μmほどですが、図鑑にはサイズが記載されていません。
Flora of North Americaには、「Spores (12–)16–28 µm」とあったので、範囲内でした。
ちなみに、スギ花粉が30~40μmなので、直径で半分ほどです。

葉を顕微鏡で見ると、中肋には、ラメラ(薄板)が6列ありました。図鑑では4~6列、(Flora of North Americaではlamellae 2–6)とあり範囲内でした。

横じわに沿って、20~30μmの高さの歯状の突起が並んでいました。これは図鑑やネットでは画像を見たことがなく初めて知りました。
透過光で見ると黒く見えたのは、これが見えたからのようです。

参考文献
 日本の野生植物 コケ 平凡社
 原色日本蘚苔類図鑑 保育社
 日本産蘚類概説 野口彰著 北隆館
 特徴がよくわかるコケ図鑑 藤井久子著 家の光協会
 コケの国のふしぎ図鑑 左木山祝一著
 校庭のコケ 全国農村教育協会
など




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