近畿植物同好会 掲示板
★投稿用パスワードは不要です。誰でも、どしどし投稿できます。
| トップに戻る | 検索 | アルバム | 管理用 |

京都の街中で
伊吹寛子 投稿日:2023年03月21日 20:09 No.498
多分、前の掲示板にも、そして今の掲示板の#270にも藤井俊夫先生が「京都市左京区の百万遍交差点の近くでコケトキンソウを見ている」と書いておられるので気になっていたところ、知人が昨年末に「百万遍交差点近くでコケトキンソウとカラクサナズナを見た」と情報をくださいました。

年末の慌ただしい中、町に出たついでに見に行くと、百万遍交差点近くでコケトキンソウは猛烈に繁殖していました。最近では除草されて減っていますし花は終わったようですが、まだまだ勢力旺盛です。

カラクサナズナについては「全草に強い悪臭があり、牧草に混じって牛が食べると牛乳が臭くなり商品にならなくなるそうです(https://neko-net.com/hana/archives/30324)」とネットにありますが、その記述に違わず強烈な臭いがしました。でも、そこでしか嗅いだことがありませんので、植物の臭いなのか、散歩するイヌの…の臭いなのか判然としません。

その後、その近くでイヌノフグリもあることを知って見に行くと、毛深いフラサバソウやタチイヌノフグリの濃い青い花の近くで、京都で絶滅危惧種に指定されているイヌノフグリが、可愛い花をつけていました。

また、陽気に誘われて吉田山に登り(と言ってもご存知の通り丘ですが)周辺をウロウロしますと、紫が際立ったミミナグサにも出会いました。あんな街中周辺でも色々の植物があることが、とても嬉しかったです。吉田山では私がもう一度見たかったコスギゴケの派手な雄花盤にも出会えて、オマケがつきました。

画像は 1:コケトキンソウ 2022年12月29日
2:カラクサナズナ 2023年1月20日
3:   〃    2023年3月9日
4:イヌノフグリ  2023年3月11日
5:ミミナグサ   2023年3月11日
6:   〃 の種子(ちょっと画像が暗いですが)2023年3月11日


深泥池の南側で、メリケントキンソウ 名無し 投稿日:2023年03月24日 18:00 No.501
伊吹様

京都のメリケントキンソウの分布地点です

●メリケントキンソウ
2014.05.18:深泥池、南の小さな公園
2014.05.18:宝が池公園
2022.04.16:伏見区宇治川左岸(観察会の時です)
近畿地方の分布図です(藤井原図)


ミミナグサとオランダミミナグサの種子 伊吹寛子 投稿日:2023年03月25日 17:10 No.502
先日、ミミナグサの種子画像を貼付しましたが、実は図鑑でオランダミミナグサの種子を調べると、ミミナグサと同じく表面に凸凹があり、両者共に形がいびつな物が多くて一定ではなく、種子写真だけでオランダミミナグサかミミナグサかを判断するのは私には難しそうに思いました。

それでオランダミミナグサの種子を取ってきて見ると、本当に細かく針先でついたぐらいの感じなのに対して、先日のミミナグサは揃ってオランダミミナグサより若干大きいことに気付きました。ネットでは、オランダミミナグサの種子0.5-0.6mm(https://matsue-hana.com/hana/orandamiminagusa.html)、ミミナグサの種子0.6㎜(本文の画像説明では0.8㎜のも(https://matsue-hana.com/hana/miminagusa.html)、「草木の種子と果実」(誠文堂新光社)では、オランダミミナグサは「ミミナグサによく似ているが種子は小さめ」とありました。

数字からは識別が難しそうですが見た感じが違い、写真を撮って見ました。私の腕では両者にピントを合わすことは困難でぼけてしまいましたが、サイズや色に変化がありましたので2点貼付しています。どちらも右がミミナグサ、左がオランダミミナグサです。採集した種子ではすべてミミナグサの方が大きかったです。


種子表面は、アバタ状、大仏様の螺髪状? 藤井俊夫 投稿日:2023年03月25日 21:12 No.503
●ナデシコ科は、種子表面の突起の状態で識別できるものがあります。
ミミナグサ、オランダミミナグサは、写真で見ると突起の形状が違います。
オランダミミナグサの種子は、あばた状の突起。
ミミナグサは、大仏様の螺髪状と思っています。

●ツメクサ類も、種子表面の突起で区別します。
ツメクサ:細かいとがった突起(大仏様の螺髪状)
ハマツメクサ:平滑か、目立たない突起(あばた状)
★コハコベ、ミドリハコベも同様に識別できます。

注:「螺髪状」、「あばた状」は、私の個人的主観です。
以前、大阪自然史博で「第45回 猫と見つける都市の自然展」で、近畿地方のツメクサ類の分布を展示しました。

添付写真。(都市の自然展 :展示解説書から:藤井原図;2014)
白抜き〇は、ツメクサ;赤●はハマツメクサ。

ツメクサは、内陸の社寺境内などに見られるが、ハマツメクサは海岸から道路沿い、鉄道沿いに沿って内陸に分布を拡大していることがわかりました。
●参考
藤井俊夫。2014.トピックス展「ハマツメクサの分布拡大」。人と自然の博物館。
https://www.hitohaku.jp/exhibition/planning/hamatsumekusa.html


伊吹寛子 投稿日:2023年03月26日 07:44 No.505
藤井俊夫先生

ナデシコ科の中に種子表面の突起で区別できるものがあると言うことをお教えくださいまして、ありがとうございます。あばた状、螺髪状というご説明、とても良く分かります。私が見たミミナグサ、オランダミミナグサについて、前者の切り立った突起、後者の滑らかな膨らみが良く表れていると思います。ナデシコ科の一部に共通して見られる特徴とは知りませんでした。

ツメクサは宇治川観察会の時に公園入口で先生にご説明いただいた覚えがあります。道路のアスファルトの隙間などにもよく見られ、小さな花、その裂開した果実にこぼれそうに詰まっている種子に驚き感動したことがありますが、種子の表面を観察するには至っていませんでした。また、海浜に生育するハマツメクサが内陸部に繁殖していることは、去年の南紀観察会との関連で、興味深く思います。南紀観察会では、ただ海浜の植物を教えていただくだけでなく、繁殖の勉強にもなりました。

色々ご教授くださいまして、ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。尚、メリケントキンソウについてご教授下さっている先生は、藤井俊夫先生でしょうか?申し遅れましたが、厚く御礼申し上げます。もし間違えていましたら、お許しくださいませ。

メリケントキンソウはご指摘のように宇治川河川敷をはじめ向島一帯でも数年前から繁殖が顕著で、OSAのNature Study でも勉強させていただいています。宇治川河川敷では車の出入りが多く、それも繁殖を拡散しているのでしょうか。種子ができる時期には、川原で少年野球をする子供たちが草の上に座ることもできず、困ったことです。


大阪市住吉区周辺の公園に出現したメリケントキンソウ 藤井俊夫 投稿日:2023年03月26日 11:22 No.506
伊吹様

近畿地方のメリケントキンソウ分布図は、私が作成しました。
(インターネットの調子が悪くて、初期化したため、名前が抜けていました)
●住吉区周辺のメリケントキンソウが確認された公園
住吉公園、長池公園、万代池公園、我孫子公園、浅香中央公園、杉本町公園、大衣羅神社など
(長居公園から大阪市立大学までは、私の行動範囲)

追伸
 3月25日、大阪自然史博に行ってきました。
「毒展」は、行列ができていて、諦めました(こんなことだから、毎回特展を見るのを忘れてしまう。
長居公園は、桜が満開で大勢の人が弁当を広げていました(桜よりも人の数が多い)。
足元にメリケントキンソウが多数生えている。

添付写真は、ツメクサトハマツメクサ
1.種子(表面の突起が異なる)
2.根(ツメクサは、細くタコ足状。ハマは太い直根が発達する)
根は、環境(土壌条件など)、個体による違いがあるので、中間的な根も出現する。
確実に同定するには、熟した種子を20倍のルーペで見る必要があります。


伊吹寛子 投稿日:2023年03月26日 17:08 No.507
藤井俊夫先生

メリケントキンソウの分布図、ありがとうございます。
危険な植物ですから、蔓延は困りますね。
私の畑がある貸し農園でも蔓延っていて、知らない人が草抜きで手袋を通して痛いメにあっています。

ツメクサの種子を見る楽しみができました。そしてハマツメクサにも会いたいと思います。
今後ともどうぞよろしくご指導下さいませ。




お名前
タイトル
画像添付





編集キー ( 記事を編集・削除する際に使用 )
文字色