近畿植物同好会 掲示板
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京都府立植物園でコケ調査
相良真佐美 投稿日:2024年04月14日 11:24 No.1189
4月13日に苔類のコケ調査で京都府立植物園に行きました。
今年2月に京都大学大学院理学研究科の小林亮平さんらは「京都府立植物園のセン類」という論文を発表しました。
2年間に植物園を23回調査して、蘚類のコケ120種を確認し、11種の京都府新産を記載しました。

第2弾として、苔類のコケ調査の1回目のスタートです。小林亮平さんと道盛正樹さんを中心に、論文はお二人でまとめるそうです。
目標は35種の苔類・ツノゴケ類を見つけるということでした。

集まった調査メンバーは、植物園から腕章を借り、研究のために採集の許可をもらいました。これで園内自由に動き回り観察できます。
調査は大体のエリアを決めて、各自自由に苔類を調査しました。普段入れない倒木・腐木なども裏側まで調べます。
ただ腕章をつけていると、来園者から「枝垂れ桜はどこですか?」など間違えて植物園の問い合わせされることが時々ありました。

苔類のコケから寄り道して、イチリンソウ、ニリンソウ、イカリソウ、オドリコソウ、モチノキ、カスミザクラなどが開花していました。

苔類では、自分では見当もつかない種が3種ほど見つかり、今日からスピード勝負の検鏡です。
苔類は油体という物質が葉身細胞にあり、その形も同定の参考になります。ただ生細胞なので3日(冷蔵庫保管で1週間)までが勝負です。
しんどいですが、わくわくもします。


蘚類の似たもの4種 相良真佐美 投稿日:2024年04月16日 21:27 No.1191
蘚類で胞子体が出ている種に出会いました。この形の種は紛らわしいです。そばにいた小林亮平さんに尋ねると「アオギヌゴケでは」とのことでした。
早速、持ち帰って検鏡です。胞子体の蒴(さく)の口には蒴歯というものがあり、本数や歯の形で同定の参考になります。
確認した結果、やはりアオギヌゴケでした。このアオギヌゴケ科は似たものが多く、初心者泣かせです。現場ではルーペでもちょっと無理です。
当日採集した4種の蘚類を撮影し、枝葉の画像をスケッチしました。覚えるにはスケッチが一番頭に入ります。

4種の特徴 (枝葉の長さ 1.5~2mm、葉身細胞の幅 0.005mm)
 アオギヌゴケ (アオギヌゴケ科)  葉が細長く、中肋は葉頂を突き抜ける。
 ハネヒツジゴケ (アオギヌゴケ科) 中肋は途中で止まり葉頂まで届かない。葉はしわが寄るときがある。葉身細胞は細長い形。
 オカムラゴケ (ウスグロゴケ科)  中肋は途中で止まり葉頂まで届かない。葉身細胞は菱形。和名は岡村周諦博士に由来。
 クサゴケ (ハイゴケ科)      中肋は二股で短い。




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