近畿植物同好会 掲示板
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「淡墨桜」周辺の植物
磯野久美子 投稿日:2024年04月13日 20:28 No.1184
「淡墨桜」の周りは広々とした公園になっていて、子供連れなどで賑わっていました。
遊歩道があり、根尾西谷川の川べりまで下りて行けました。湿地を好むというカツラの木がそこここにあり、小さな丸い若葉が可愛かったです。また、遊歩道を歩いていると、斜面が濡れているような所もありました。
そういった所でヒメヒダボタンとコガネネコノメソウの大群落と遭遇しました。
ヒメヒダボタンは苞葉が黄色いので、草むらで咲いていたりすると、遠くから見ると、まるでタンポポか何かが咲いているかのように見えました。
コガネネコノメソウの花は小さいけれど、陽の光に映えて、まさしく黄金色に輝いていました。
また、同じエリアで、ミカワチャルメルソウ(1枚の花弁が7~11裂)とコチャルメルソウ(1枚の花弁が7~9裂)が並んで咲いていました。両者は色や葉の形など見た感じが全然違っていました。
案内して下さった東海の植物に詳しい山脇和也さんに、岐阜県にはチャルメルソウ属の植物はこの2種のほかにはタキミチャルメルソウしかないことも教えていただきました。タキミチャルメルソウはハリベンチャルメルソウとも呼ばれ、花弁が針のようで魚の骨状にはなっていないか、せいぜい十手のように3裂しているだけであるとのことです。岐阜県にチャルメルソウ(ミカワチャルメルソウの変種。1枚の花弁が3~5裂)はないのだそうです。
同じエリアには、スミレサイシン、タニギキョウ、セントウソウ、ミヤマカタバミも咲いていました。
遊歩道沿いにはミヤマキケマン、ムラサキケマン、キランソウ(ジゴクノカマノフタという名前の方が私は好きですが)、シハイスミレ、タチツボスミレなどが咲いていました。コウヤボウキと思われる新芽も美しかったです。

写真(撮影日:いずれも4月6日)
1枚目:展望台からの風景(右奥に淡墨桜二世、その手前が淡墨桜、左に根尾西谷川)
2枚目:ヒメヒダボタン(葯が黄色)
3枚目:ヒメヒダボタン(群落)
4枚目:ヒメヒダボタン生育地(2か所)(下の写真の左側の赤丸の中はコガネネコノメソウ)
5枚目:コガネネコノメソウ
6枚目:コガネネコノメソウ


「淡墨桜」周辺の植物(つづき) 磯野久美子 投稿日:2024年04月13日 20:31 No.1185
写真を追加します。

1枚目:ミカワチャルメルソウ
2枚目:コチャルメルソウ
3枚目:ミカワチャルメルソウの花(黄色の矢印の6つの花弁は9裂)、緑色のはコチャルメルソウの花
4枚目:ミカワチャルメルソウ(左の赤丸の中)とコチャルメルソウ(右の赤丸の中)
5枚目:スミレサイシン
6枚目:タニギキョウ、コウヤボウキ


ネコノメソウ、チャルメルソウの文献 藤井俊夫 投稿日:2024年04月14日 10:45 No.1187
1.チャルメルソウ属のmonograph
奥山雄大。2015.日本産チャルメルソウ属および近縁種(ユキノシタ科)の自然史。Bunrui 15(2): 109-123。
https://www.kahaku.go.jp/research/researcher/papers/117922.pdf
大和葛城、金剛山系の、従来「オオチャルメルソウ」とされていた植物は、別種の「ヤマトチャルメルソウ」としている。
(学名は記載していないので仮称です。早く命名記載してほしいものです)

2.ネコノメソウ属のmonograph
MICHIO WAKABAYASHI and HIDEAKI OHBA. 1995. A Taxonomic Studyof Chysosplenium fauriae Group (Saxifragaceae), with Description of a New Species. Acta Phytotax.Geobot. 46 (1):1-27
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunruichiri/46/1/46_KJ00001079075/_pdf/-char/ja
【藤井注:originalの図版は、カラーです】

これらの仲間は開花時の標本(生株の花)と、上記文献が無いと、歯が立たない。


Re:ネコノメソウ、チャルメルソウの文献 磯野久美子 投稿日:2024年04月14日 11:08 No.1188
藤井俊夫様

モノグラフ、ありがとうございます。




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