近畿植物同好会 掲示板
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クロチク開花
辻本 穣 投稿日:2024年01月25日 17:02 No.1085
当園もまだ花の時期ではありませんが、
クロチクの花が咲きました。園でも初めてかも…。

梅もちらほら咲き出しました。


神戸の望月 投稿日:2024年01月25日 20:06 No.1089
辻本穣様

こんばんは、神戸の望月です。
以前スエコザサのことで、この場所で一度やりとりをさせて頂きましたが、大変興味深いことを教えて頂きありがとうございます。
私はブログの「兵庫のタケ亜科植物」で現在クロチクの花柱の毛の有無を追究しております。
ハチクとクロチクの花器官の相違点は、おそらく花柱の毛の有無しかありません。
ハチクのメシベの花柱では毛があるものを見たことはありませんが、神戸市東灘区で去年の11月頃に開花したクロチクの群落では、毛が生えている花柱がたくさん見つかっています。

厚かましいお願いがあります。
28日か31日に見に行くつもりですが、その時に標本を採らせて頂けないでしょうか。
花柱の毛の有無をぜひ調べせて下さい。
標本は人博に寄贈し、標本交換の際に重複を京大、東大、科博に送ってもらいます。
よろしくお願いいたします。
添付画像は、クロチクのメシベの花柱の毛を写しています。


辻本 穣 投稿日:2024年01月25日 20:47 No.1090
望月 様

スエコザサの時は、ありがとうございました。

クロチクの標本ですが、個人的には問題ないと思いますが、今すぐに私の判断ではお答えできませんので、当園の園長に相談させてください。
こちらにご連絡いただけると助かります。
y.tujimoto86★gmail.com
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相良真佐美 投稿日:2024年01月25日 23:41 No.1092
 クロチクの開花は、あちこちで聞くようになりましたね。
 
 ●120年に1度 クロチク開花 神奈川県立川崎高の前庭
  https://www.tokyo-np.co.jp/article/229937
 ●120年に一度の開花!クロチク(黒竹)「あわじグリーン館」
  https://awaji-botanicalgarden.com/plants231211/

 
 京都では、昨年、京都市洛西竹林公園や京都府八幡市立松花堂庭園でも見られました。
 特に、松花堂庭園は広範囲が壊滅状態で、開花竹の地下茎から出た再生竹も開花が見られました。
 話を聞いた副館長も、広範囲だけに今後どう展示していくか困っておられました。
 
 東京大大学院の久本洋子助教によると、1908年前後にハチクの一斉開花があったので120年周期として竹林ごとにずれはありますが、
 2028年ごろがピークだそうです。クロチクもハチクの変種なので同じ周期になりそうです。
 
 


神戸の望月 投稿日:2024年01月28日 21:33 No.1096
本日、大阪公立大学付属植物園にクロチクの花を見に行きました。
便宜を図って下さった辻本さん、標本採集の許可を与えて頂いた園長の名波先生に心よりお礼を申し上げます。

30本ほどある全てのクロチクがたくさんの花序をつけていました。
1枚目の画像に写っているような開花する前の小花の方が、2枚目の画像に写っているような葯を外に放出した小花よりも多い状態でした。
そのことから推測すると、12月中、下旬頃に咲き出して、1月中、下旬の寒さで開花があまり進んでいないような印象を受けました。
3月頃に気温が上がると花の最盛期を迎えるのかも知れません。
この群落では天狗巣病の症状はなかったので、天狗巣病のウイルスの刺激で開花時期が狂わされた可能性はありません。
私が神戸市東灘区で観察した天狗巣病に罹患していないクロチクの群落も11月頃に開花開始時期を迎えています。
そもそもクロチクの開花開始時期が春頃だと決めてよいのかと言う疑問もあります。
開花開始時期や開花初期は人に気付かれにくいので、最盛期の少し前を開花初期だと誤認しているかも知れません。
例えば最盛期が4月なら開花開始時期は3月だろうと言うように。
いつ咲き始めるのかと言ったような基本的なことが意外と分かっていません。

採集したサンプルをいくつか分解してみると、3枚目の画像のように花柱に斜上する毛(赤い矢印)が生えた小花がいくつか見つかりました。

相良さんが書かれているように、ハチクはクロチクの変種とされています。
クロチクは1867年にマンロー(1818-1880)と言うイギリス人が記載しています。
マンローはプロの植物学者ではなく軍人です。
仕事でインドに長くいた時に熱帯の植物や竹に関心を持って研究したようです。
クロチクの記載文を読んでも、詳細な記述があり、なかなかの観察眼を持っていたことが分かります。
ハチクはオットー・シュタッフ(1857-1933)と言うオーストリア人の植物学者がクロチクの変種として命名していましたが、1904年にレンドル(英国の植物学者)が正式な学術発表を行いました。
シュタッフはウィーン大学で植物学を学び、30年ほどキューガーデンに勤め、植物分類学の世界に大きな足跡を残した人物です。
特にイネ科植物の研究に力を注ぎました。
その成果か、栄養器官の特徴の比較だけで、シュタッフはハチクをクロチクの変種として命名しました。
なんという眼力でしょう。
株の大小、稈の色以外はたいして違いがない(1株の寿命も違いますが彼がそのことに気付いていたかどうかは不明)ことを確かめて別種ではなく、品種でもなく変種とした分類学的なセンスに感服します。
花柱の毛の有無の問題はひとまずおいて、そのこと以外は花器官に相違点がないことを知ると、シュタッフの分類のすごさを強く感じます。
泉下のシュタッフにクロチクとハチクの花の特徴を伝えることがもしできたらどれほど喜んでくれたでしょう。


神戸の望月 投稿日:2024年01月28日 21:36 No.1097
先ほどの投稿で画像を忘れていたので、追加投稿です。



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