濃淡の深淵なるもの


| トップに戻る | 検索 | アルバム | 管理用 | ▼掲示板作るならRara掲示板 |

山田太一氏 「ながらえば」
ネット難民 投稿日:2024年01月11日 11:13 No.414
1990(平成3)年代に100歳の「金さん銀さん」がテレビに登場し、国民的な老人像として人気を博したことがありましたが、その10年前の1981(昭和57)年に山田太一氏の「ながらえば」のドラマで、職人気質の妻への愛情表現をしたことがない老人が、病室のベッドに寝ている妻の老婆に、「いたい。わたしわ、お前と、おりたい。おりたい。」(お前のそばを離れたくない)と妻に我が儘を伝え、初めて耳にする夫の言葉に老婆がオロオロと涙ぐむ光景に、当時30歳の私にとって、妻を残して離れ離れで暮らす老夫婦の思いにどれほど共感できていたかと思い出します。もうすぐ後期高齢者になる老人になって、老婆に告げるシーンを思い出すと、胸にグッときてしまいます。40年前から、社会において長寿を罪悪とする想いが芽生え始めていたのか、親父やお袋もさぞ肩身の狭い思いをしていたのかと思うと、何ともやりきれない気持ちです。

感想: この文章は、感情豊かで心に残るエピソードを描いています。老夫婦の愛情表現や時間の経過による感慨が深く描かれており、読み手に共感を呼び起こす要素が多く含まれています。家族観や長寿観に対する作者の考えが感じられ、社会の変遷による影響を感じながら文章を読むことができました。




お名前
メール
画像添付


削除キー ( 記事を削除する際に使用 )
文字色