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曳航中のステイクボート(stake boat)からの落水
安全環境委員会 堀晃浩 投稿日:2023年05月16日 14:05 No.447
安全環境委員会 委員長 飯田毅
担当スタッフ 堀晃浩

アクシデントレポートのご提出ありがとうございました。
人工コースにてレース準備のため曳航していたステイクボートの浸水/転覆/搭乗者の落水が発生しました。
人的被害は、一名が水温約15℃の中に約13分落水し救助されたが、体調に問題は無かったとの事です。
物的被害は、転覆したステイクボートのアンカーが水底に落下/固定され転覆したステイクボートがそのまま固定されてしまっており、後日アンカーの引き上げなどの処置が必要となっております。

【事実経過】
場所:海域人工コース
日時:2023年4月28日金曜日17時47分
関係する艇:被曳航船(stake boat) 5艇数珠つなぎで最後尾の艇に大学2年生が乗船
      曳航船(和船26ft)大学4年生が操船
     (救助)学連幹部(学年不明)
人的損害:約13分の落水(救命具使用)→救助、健康被害は無し
物的損傷:転覆したステイクボートについての被害記載なし
     アンカー落下のため転覆状態で固定され、後日対処の予定である

【状況】2日後の大会に向けて準備を行っていた。
17:44:ステイクボート5艇を数珠つなぎで和船(26ft)が曳航を行った。離岸して100mほどの地点で最後尾のステイクボートの前方から水が浸入し始める。
17:47:和船の曳航速度が徐々に上がる。最後尾のステイクボートに搭乗していた大学2年生は、浸水を受けてステイクボート後方に移動を試みるも、浸水の勢いが早く、後方への移動途中で当該のステイクボートは水没とともに転覆した。曳航船の操船者は、目視で転覆を確認し、曳航を中止した。
18:00頃:曳航船操船者は落水者に対して、救命胴衣の展張を説明・指示した。落水者は指示どうりの操作を行い救命胴衣を展張し浮遊した。曳航船操船者は転覆艇後方にいた和船(18ft)に救助を指示した。落水者は和船(18ft)に救助され、約60m先の救助用桟橋から上陸した。陸上の3名から着替え毛布を受け取り、身体を拭き着替えを行った。なお体調不良はなく、その後の作業にも加わっている。

【参考情報】
今回使用したステイクボートは競技場所有者が2023年3月に購入し、実際に使用するのは今回が初めてであった。作業者の学生が慣れている水域のステイクボートとは構造が異なっていたこと、風速8m程度の強風が吹き水面が波立っていたことなどの条件が重なり、浸水・水没・転覆・落水のアクシデントが発生した。

【対策・計画】
固定された転覆したステイクボートの撤去を早急に実施する。
また、海域人工コースで新規購入したステイクボートを設置・撤収する際の要領を関係者で整備してその徹底を図る。

【安全環境委員会より】
詳細なレポートありがとうございました。

曳航船の後方にバックアップのため(?)の和船(18ft)を配置して曳航されていたことは非常に良かったですね。
今後は、記載された対策計画を早急に作成の上、着実に実施していただくことをお願いしたいと思います。
あわせて、水面が波立っている条件で作業中止を判断する責任者を置いていたか、曳航操船者と被曳航船搭乗者の間の連絡体制はどうであったか、相対的に短く重心の高いステイクボートを数珠つなぎで曳航する場合、最後尾の艇が前のめり気味になることに対する安全対策のご検討もよろしくお願いしたいと思います。
次回のレース運営までに対応方が必要かと感じております。




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