(公社)日本ローイング協会(安全)インシデントレポート掲示板


| トップに戻る | 検索 | アルバム | 管理用 |

大会期間中のインシデント・アクシデント
朝日レガッタ競技運営委委員 安全担当 投稿日:2023年05月09日 15:58 No.446
2023年5月3日〜5月6日に開催された第74回 朝日レガッタでのインシデント・アクシデント報告です。

5月3日
①高校男子1×、レース進行中、800m付近でブイを叩いて沈。再乗艇してゴール。レース後の医師による診断で異常なし。翌日の敗者復活で勝ち上がり準決勝進出。

②高校女子2×、レースアップで回漕中、コースのランドマークを張っている赤白支柱に接触し、バウマウントリガーに損傷。レースには出漕。
※損傷箇所は当日中に修理完了

5月5日
①中学男子2×、レース中腹切りして2人とも沈、再乗艇出来ず棄権。レース後の医師の診察で異常なし。ヒールコードは適切に取り付けられていたが、ヒールコードの存在と、その意義を知らなかった。(ヒールコードに関する競漕規則改訂も当然知らず)

②高校女子2×、レースアップで、消波装置の外側をスタート→ゴール方向に回漕中、遊覧船の航行ルートを示す浮遊ブイに接触して沈。再乗艇出来ず救助艇にて救助。
レースには出たいとの意思で、選手及び艇を本部前の桟橋まで曳航。体調に問題なし、艇・オールに損傷なく、この時点で発艇15分前。そのまま回漕してレース出場。(決勝進出)

③高校男子2×、レースアップで、ゴール→スタート方向へ回漕中、500m付近でパドル漕に入って間もなく、西風を受けてコースよりに歪曲していた消波装置に気付かずバウボールから突っ込み、艇首が消波装置に突き刺さり、抜け出しを試みるうちに沈。艇首のバウボールから30㎝付近で折損し大量に浸水し、救助&レース棄権。
突っ込んだ際の衝撃で整調の選手が腰を負傷し、医師の診断で炎症反応が大きく出ており、念の為救急で病院受診。
ヒアリングした際、消波装置が風であんなに歪曲するとは思っていなかった、後方をしっかり確認していなかったを申しておりましたが、そうであれば、先ず接触するのはオールになるはずが、艇首から突っ込んでいる事と、近くにいた審判艇が驚くほど大きな音を立てて衝突したという証言から検証すると、消波装置に向けて斜航する形で進んでいき、突っ込んだのだと思われます。

※因みに高校女子2×の2件は同一クルーによるものです。

その他インシデントとして、波消装置の外側、500付近の取水口に接触、同じく波消装置の外側、ゴール付近の遊覧船の航行ルートを示す浮体に接触。
いずれも2×でした。

大会中、2×案件が多発しましたが、過去の大会も振り返ってみると、
2×ないし、2×どうしの接触、衝突破損事故も多く、選手の重症ないし死亡事故も2×で起こっています。
舵手付きフォア並みにスピードが出る事と、後方の安全確認を怠り気味になることも要因に含まれると思われます。
併せて、借り物の艇で事故を起こして破損させている(いずれも要高額修理)案件が複数含まれる事や、2×で沈復帰できなかったクルーが複数あった事も懸念される事項です。

5月3日の①の案件、シングルスカルのレースで沈した場合、気が動転して再乗艇出来なかったり、気力の低下でそのままリタイアする選手が散見される中、諦めず何度か再乗艇を試み、ギリギリのタイミングで復帰して完漕し、次の敗者復活に繋いだ結果、準決勝に勝ち上がった闘志は、多くの選手に見習っていただきたいと思います。

以上報告させていただきます。


安全環境委員会 堀晃浩 投稿日:2023年05月16日 14:11 No.448
朝日レガッタ競技運営委員様
安全環境委員会スタッフの堀です

いつも詳細なご報告ありがとうございます。
発生した事柄を共有することはとても大切なことで、
そのことを実行してくださっているので、
感謝しております。

これからもよろしくお願いいたします。




お名前
メール
画像添付


削除キー ( 記事を削除する際に使用 )