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投稿者:kiya
昼食後、列車は一路ヴェローナを目指し、その後ベニスのサンタルチア駅にむかう。 ヴェローナを過ぎて、線路には大きな深紅のケシの花が咲き乱れ、ヨーロッパって違うなーと思った。 午後のお茶を客室に持って来てくれたとき、べニスのホテルを聞かれる。 終着のサンタルチア駅から、モーターボートで、ホテルごとに案内されるためだ。 夕方、ベニス・サンタルチア駅に到着、・・・ぼく等の、夢のオリエント急行の旅は終着駅に着いた。 前述した、パリから乗り込んだ一人旅のご婦人リチャウドさんは、レストランでの食事のとき、通路を挟んで反対側にいたが、 このご夫人はフランス語しか話せないので、ぼく等との会話は成り立たず、にっこり会釈するだけだった。 そしてベニスに着くと彼女も偶然同じホテル・ダニエリで、同じボートに乗り込んだ。 翌日、ベニスのガイドブックで見て、良いイタリアンの店に出掛けた。 店に行くと、何とそのご夫人が一人でランチをしていた。 そこで、ウエイターに通訳してもらい話をすると、「夕食後に、妻に部屋に来てほしい」、との事だった。 夕食後、部屋に戻って、妻がご婦人の部屋に電話した。 結局、ご婦人が何を言っているのか分からいので、妻はご婦人の部屋に出掛けて行った。 そして部屋の電話で、ご婦人が海を指さして「チプリアーニ」とか何とか言ってると、妻が言うので、私は、ピンと来た。 初めての個人旅行で、ガイドブックをつぶさに見ていた私は、向かいのジュデッカ島にある高級ホテルの名前だと気が付いた。 そしてご婦人は、スカートをめくってガーターに挟んであるクレジットカードを見せて、お金は心配いらない、と言っていると電話で妻がいう。 心配なさそうな一人旅のご婦人だから、一緒に行ってあげてよ!と妻を送り出した。 夜に、妻が戻ると、ホテルのモーターボートを迎えに来させて、ホテルに行き、テラス席で楽団を呼んで、楽しんで来たヨ。 こうして、オリエント急行の、余韻は過ぎて行った。 リチャウドさんは、若い頃はフランスの雑誌ヴォーグの記者をしていたという。 この数年後、パリを訪れた僕らは、秘書のナタリーに頼み、セーヌ川のシテ島に住むリチャウドさんに連絡して、 ベニスでのお礼にと、2星レストランに誘ったが、それは別の機会に。 写真:ベニスのホテル・ダニエリ、オリエント急行で出会ったリチャウドさん
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