投稿者:ウプサラ市長 ウラディミル・ウリヤノフ
……
娘は、私が「あの事件」のせいで、気持ちが折れて人民連合から離脱したと思っている。
それを利用して、融和主義の反主流派として邪魔だった私を、イェルハルド・ホルストが除名したのは知らない。
その後で、君、ハンソンが……ホルストのでっち上げで、「スパイ・ウリヤノフのシンパ、ドイツのスパイ」として人民連合から除名されたのもだ。
私とて、もはやイェルハルド・ホルストを恨んではいない。
あの時、34年の冬には、私の除名が必要だったのは理解している。
フェリシアはあの男、イェルハルド・ホルストの経歴を知らない。
あの「マルセイユの大蜘蛛」が、私や君といった数多くの同志を毒牙にかけ、のし上がったことをな。
フェリシアにとって、イェルハルド・ホルストは「36年の奇跡の担い手」でしかないんだよ。
とはいえ、もしスカンジナビア左派の再結集が上手く行くならば、素晴らしいとは思っていた。
それが成るならば、過去のことは忘れようと。
また、フェリシアなら、もしかして成し遂げるかとも思ったが……
事が成らなかったのは無念だ。