投稿者:ナレーション
ヴァイノはラプア運動を統治に利用したカールレの息子であった。
ラプア運動はこの内戦においてスウェーデン系の虐殺を行っていた。
この事実がスウェーデン系とそうでないフィンランド人の間に決定的な亀裂を生んだ。
スウェーデン系はヴァイノを「虐殺を行った組織を与党にした王の息子」と捉えていたのだ。
もちろん、スウェーデン系にもフィンランドへの忠誠を保った者もいたが極僅かであった。
沿岸スヴェーア社会共和国はその憎悪の増幅を行った。
ラプア運動の虐殺を過剰に宣伝し、スウェーデン系を恐怖で煽ったのだ。
そして、スウェーデン系が大半を占めていたポフヤンマー/エステルボッテンを占領し、まんまとその統治者に成り代わったのである。
沿岸スヴェーア社会共和国軍はポフヤンマーを占領後、その存在の認知を測ったがそれに失敗、フィン軍の外国人部隊による空爆を受ける。この空爆に対し、アシェル・ベックス指導部は徹底的な報復を決意、ヘルシンキ中央に対しヒドラジンを満載した輸送機を2機叩きつけたのだ。
既に極限まで互いへの憎悪を募らせていたスウェーデン系フィンランド人とフィン人の関係はこの時点で完全な破局を迎えつつあった。
そして、既にスカンジナビア・フィンランド両軍はヴァーサ市を重囲に置かんとしていた…。