投稿者:小心者
18.〔構造特性係数:Ds (2)〕
構造特性係数は層せん断力の低減係数です。ねばりのある構造物であれば、層せん断力の低減率を大きく、すなわち、構造特性係数を小さくすることができます。
通常、鉄骨造ではDs=0.25~0.5、鉄筋コンクリート造ではDs=0.3~0.55です。
※原発建屋などは層せん断力1.0で弾性設計されていますが、一般の建物に層せん断力1.0の弾性設計は極めて不経済です。故に中地震程度の層せん断力0.2までを弾性設計領域としているのが一次設計です。二次設計(保有水平耐力計算)では層せん断力1.0が鉄筋コンクリート造では通常0.3~0.55に低減する(壊れることでエネルギーが発散(消費)される)として、最終的に「保有水平耐力Qu>必要保有水平耐力Qun」であることを確認します※4。
Qu>Qun=Fes×DS×Qud
Fes:形状係数
Ds:構造特性係数
Qud:Co≧1.0としたときの層せん断力
<※4 建物の「エネルギー発散(消費)能力(Qu)」が、二次設計時に「建物が受けるエネルギー(Qun)」と同じ、あるいはそれ以上になれば、この建物は安全であるとする考え方・・・これがエネルギー一定則。>
<「保有水平耐力(Qu)」 とは、「建物を倒壊にいたらしめる力の大きさ」 あるいは 「倒壊しようとする瞬間に建物に作用している力の大きさ」 です。
これに対して 「必要保有水平耐力(Qun)」 とは 「大地震の時に建物に作用するであろう力の大きさ」 です。>