投稿者:電送戦士タカシ
>その様子を遠巻きに見つめる一つの影
>ソレは「永遠の敗北者」と名乗った人物であった
>■■■「…やれやれ進言してあげたのにまるではき違えている」
>ため息交じりに言う
>■■■「これでは炎に薪をくべてるのと何ら変わりない…恐怖と絶望を振りまくだけで肝心な『希望』に何一つ手を付けていない…」
>そう言って背を向ける
>■■■「まぁどう転ぶか分からないのが「物語」の面白いところだしその行為の結果がどう変わるか楽しみにするとしよう」
>影が足元から霧のように霞んで消えていく
>■■■「だが彼は一つ「失言」をしてしまった…その結果は覆ることのない敗北を彼…いや彼らに与える事になるがね」
>■■■「『私の宇宙制圧計画のスタート』…その言葉の重み…夢忘れぬことだ」
>そうして影は霧となって完全に消え去った…
【地球・アデレード】
アデレード、連邦政府議会が置かれたこの都市の空に俄かに黒雲が広がりサイコ・Uキラーザウルスを伴いヤプールの円盤が姿を現す
サイコ・Uキラーザウルス
「キシャォォォォォォォンン!」
改造巨大ヤプールの声
「ふん、ここがこの宇宙における地球の中枢の一つか・・・この惑星に『希望』など無い事を解らせてくれるわ。サイコ・Uキラーザウルスよしばし待て」
サイコ・Uキラーザウルス
「グゴオォォンン!」
禍々しい気配を放ち出現したサイコ・Uキラーザウルスは改造ヤプールの命令に従いアデレード連邦政府議場付近で佇んでいた
連邦兵
「隊長!突如出現した怪獣は何をするでもなく広場に佇んでいる模様です!」
連邦軍仕官
「特徴から各地で暴れていると言う怪獣に間違い無い様だが何を企んでいる・・・?」
街中に出現した超究極超獣に警戒を強める連邦軍であったがサイコ・Uキラーザウルスは何をするでもなく鎮座する
連邦軍政府高官
「早くあの怪物を何とかしろ!奴が何もしていない今こそチャンスでは無いのか!」
連邦軍仕官
「あれは各地で暴れまわった強力な怪獣です、下手に手を出すのは危険と・・・」
連邦軍政府高官
「ここは連邦政府議会がある神聖な場所だぞ!周辺の基地の戦力を集めてでもあの怪獣を撃滅せよ!」
連邦軍仕官
「周辺の基地への要請は既に行っております、ですがあの様子は明らかにおかしい!下手に手を出すのは・・・」
連邦軍政府高官
「すると何かね君は怪獣を放置する気かね!」
連邦軍仕官
「そう言う訳では・・・」
連邦軍仕官
「この議場付近は高出力のビーム・バリアー発生器により守られている、いざとなればここに退避すればよかろう!一刻も早くあの怪獣を撃滅するんだ!これは連邦政府議会の命令だ!」
連邦兵
「隊長!周囲の基地から部隊が集結しました!」
連邦軍仕官
「・・・やむを得ん、各部隊に通達!これより5分後に対象の怪獣を包囲し一斉に攻撃を開始する!その前に怪獣が動き出した場合はその都度命令を変更する!」
連邦兵
「了解です!」
だが連邦軍仕官の危惧を他所にサイコ・Uキラーザウルスは包囲が完了するのを大人しく待っていた
連邦兵
「各部隊、怪獣の周囲を包囲完了しました!」
連邦軍仕官
「周囲を包囲しても全く動かないとは・・・・・・よし、各部隊攻撃を開始せよ!」
連邦軍仕官の号令と共に多数のMS・戦闘車両からビームに重火器の波状攻撃がサイコ・Uキラーザウルスに加えられる、あまりの火力に広場周辺の地形が変わるほどであった
連邦軍仕官
「やったか!二個大隊の火力を一点に集中したのだいくらなんでも無傷と言う事は・・・」
サイコ・Uキラーザウルス
「キシャォォォォォォォンン!」
全方位から降り注いだ膨大な火力はサイコ・Uキラーザウルスの身体に傷をつけることは出来なかった、強力なサイコフィールドが全ての攻撃を受け止め霧散させる
連邦軍仕官
「そうか・・・奴は最初から自分の力を見せつける為に、あえて大部隊が包囲し攻撃するまで待っていたのか・・・」
改造巨大ヤプールの声
「心地いい!人間共の絶望する感情が流れてくるようだ!ずいぶん待たせて悪かったな攻撃を許可するぞサイコ・Uキラーザウルスよ、やれ」
サイコ・Uキラーザウルス
「グゴオォォンン!」
ヤプールの命令を受けたサイコ・フィーラーショックで地上の部隊を焼き払い、サイコ・スティンガーで空中の部隊を撃ち落としていき現場は電撃ビームと生体ミサイルが飛び交う地獄絵図
と化す
連邦兵
「だ、ダメです司令官!各部隊が次々と・・・うわぁぁぁ!」
連邦軍仕官
「各部隊は議場周辺に集結せよ!議場付近に設置された高出力ビーム・バリアー発生器の効果範囲内に退避せよ!」
生き残った部隊が高出力ビーム・バリアー発生器の効果範囲内に後退していく
連邦軍政府高官
「は、早く高出力ビーム・バリアーを発生させろ!あの攻撃を受ければ連邦政府議会が消し飛ぶぞ!」
連邦軍仕官
「まだ退避が完了してません!もう少し待ってください!」
連邦軍政府高官
「我々や議会を守るのが先決だ!ここは連邦政府の要たる・・・」
連邦兵
「退避が完了しました!高出力ビーム・バリアー発生します!」
議場周辺に多数設置された発生器が高出力のビーム・バリアーを発生させて連邦議会の中枢を守る
連邦軍仕官
(これでも守れるかどうか・・・)
改造巨大ヤプールの声
「このバリアが貴様等の『希望』か・・・これを待っていた、今からその希望を砕いてやるわ!」
サイコ・Uキラーザウルス
「キシャォォォォォォォンン!」
サイコ・Uキラーザウルスは両腕のサイコキラークローと4本の大きな触手を伸ばし高出力ビーム・バリアーに触れる
連邦軍政府高官
「馬鹿め!この議場を守る高出力ビーム・バリアーはビーム通さず実弾兵器であってもすべて破壊するのだ!素手で触れるなど・・・」
政府高官の言う様に高出力の力場がサイコ・Uキラーザウルスの腕と触手を防いでいた・・・
改造巨大ヤプールの声
「ほぅ、言うだけあってなかなかのバリアだが無駄な足掻きよ・・・やれ!」
ヤプールの声を受けたサイコ・Uキラーザウルスに埋め込まれたサイコクリスタルが輝き両腕と触手に力が送り込まれる・・・
サイコ・Uキラーザウルス
「キシャォォォォォォォンン!」
パリン!と言う音を立て議場付近に張り巡らされた高出力ビーム・バリアーは砕け散った、物理的にあり得ない現象だがそれは起こってしまった
連邦軍仕官
「そうか、こいつ等は最初から我々を、我々の抵抗を嘲笑う為だけに・・・」
連邦軍政府高官
「た、助けてくれっ!なんでも要求は聞く!だから私の命だけは助けてくれ!助けてくれ!」
連邦軍仕官
「貴様!それでも・・・くそっ!」
どの道その様な話を聞く相手では無いと連邦軍仕官が覚悟を決めたその時、ロンドベル隊から先行したアムロのνガンダムが援軍に駆けつけた
アムロ
「あれだけの攻撃を受けても無傷とは・・・光の巨人を倒したと言う話は伊達では無いと言う事か、だがっ!」
議場に迫るサイコ・Uキラーザウルスの注意を逸らすべく攻撃を繰り返すガンダム、だが強大な相手に分が悪いのは一目瞭然だ
改造巨大ヤプールの声
「奴は確か・・・Gキラーに乗せた人間か、サイコ・Uキラーザウルスに一機で向かってくるとは愚かな」
アムロ
「うぉおおおっ!後続の部隊が来るまで時間を稼ぐ位は出来る!フィンファンネル!」
サイコ・Uキラーザウルス
「・・・・・・グォオオン!?」
νガンダムのフィンンファンネルがサイコ・Uキラーザウルスを包囲し波状攻撃を仕掛ける、それらの攻撃を強力なサイコフィールドで弾いて行く中νガンダムの攻撃がサイコ・Uキラーザウルスに通った
改造巨大ヤプールの声
「貴様?一体何を・・・いや少々エネルギーを使いすぎたのか?」
アムロ
「!今確かにサイコフィールドを・・・まさか?だが可能性はある・・・そこッ!」
アムロは更に気合を入れてνガンダムを狩りサイコ・Uキラーザウルスを攻め立てる、有効打には程遠いが僅かながらだがサイコ・Uキラーザウルスに攻撃が通っていく
改造巨大ヤプールの声
「ええぃ、やはり少々エネルギーを使いすぎたのか!撤退だサイコ・Uキラーザウルス、こいつ等の『希望』は十分破壊した上に心地よい絶望を頂いた礼だ。今日はこの辺にしといてやろう」
サイコ・Uキラーザウルス
「グゴォオオオオン!」
アムロ
「待てっ!」
少しだがダメージを受けたサイコ・Uキラーザウルスを見て大事を取ったのか改造巨大ヤプールの円盤とサイコ・Uキラーザウルスの姿は黒雲に飲み込まれて行き、黒雲が晴れた時には周囲に破壊の爪跡が残るだけであった
アムロ
「恐ろしい相手だ、だが・・・」
アムロは自分の考えを確かめる為に戦いの後すぐにアデレードに現れたサイコ・Uキラーザウルスの交戦記録を入手した
【異次元空間】
異次元空間内にあるヤプールの根城では人間達から得たであろう絶望のエネルギーをサイコ・Uキラーザウルスに与え傷の治療とエネルギー補給が行われていた
改造巨大ヤプール
(何が『希望』だ、そんな物はすぐに打ち砕いて恐怖と絶望で塗りつぶしてくれる・・・地球人の次は■■■だ、俺の前に立ちふさがる奴らはサイコ・Uキラーザウルスで全て蹴散らしてやる!)