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投稿者:はっちん
元記事⇒ 久留米大学医学部免疫学講座 https://www.med.kurume-u.ac.jp/med/immun/corona.html 新型コロナ「正しく恐れ、うつさない、うつらない」ー 久留米大学医学部免疫学講座より ー ⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3352 から 【抜粋】 [(39) お腹の免疫から考える新型コロナウイルス対策は?] 未知の新型コロナウイルスの全容も見え始めてきました。免疫力が維持できていれば、「正しく恐れる」ウイルスと思います。免疫細胞のエネルギー源は、腸内細菌が糖分や澱粉を分解してできるアデノシン 3 リン酸です。よって、BMI が 25 以下のかたは、いつもは我慢していた食後のデザートを免疫力強化のため今こそ食べて下さい、特に疲れている時や睡眠不足の時にはお勧めです。カレーがお好きな方は、カレーライス(ルーが多め)からライスカレー(ごはんが多め)にするなど少しの工夫で免疫力は維持できます。ただし、肥満は大敵です。食後の 30 分程度の軽い運動は、摂取したエネルギー源を効率良く免疫細胞に取り込ませるのに必要です。肥満の予防も兼ねて「食後」の運動はお忘れなく。ただし、「食前」の運動はお腹がすいてしまい余分なものまで食べてしまううえ、免疫細胞への取り込みも促進しないので逆効果です。 「免疫軍にとって新型コロナウイルスは季節性インフルエンザよりも弱い敵」と個人的には思います。ただし、新型コロナウイルスは密かに「テロ行為(血栓症)」を企てるウイルスですので、血栓症になり易い方は特に注意が必要です。血栓症の予防が新型コロナウイルスに対する重要な対策の一つとなるのかもしれません。基本的な血栓の予防法は、血液が濃いと固まり易くなるため、水分補給をしっかりと行い脱水を避ける。また、血液がうっ滞しても血は固まり易くなるので、うっ滞を避けるために体をこまめに動かす。そして、血液をサラサラにする効果があるエイコサペンクエン酸(青魚やアナゴ)、クエン酸(梅干、御酢、レモン)、アリシン(玉ねぎやニンニク)を多めに摂るのが良いかもしれません。 また、新型コロナウイルス感染では稀に免疫の暴走を認める事もあり、免疫のバランスを保つ事も重要です。このバランスを保つのが酪酸です。酪酸は食物繊維が腸内細菌に代謝されて作られるので、野菜の摂取はお忘れなく。新型コロナウイルスに感染しても無症状・軽症で済むように、食事でバランスを保ちながら免疫力を強化しましょう。 イギリスから 48,400 人の新型コロナウイルス感染者を対象とした非常に興味深い調査結果が 2021 年 4 月 13 日に報告されました(Sallis R, British Journal of Sports Medicine, 2021, 4/13)。高血圧や閉塞性肺障害よりも、「運動不足」が新型コロナウイルス感染の重症化を起こしやすいようです。運動をしている人に比べて、運動をしていない人の入院治療が必要となる重症化は 2.26 倍、死亡率は 2.49 倍も増加するようです。運動の定義は「早歩きなどを一週間に最低 2 時間 30 分以上」と定義されています。「歩く時は早歩き」を心掛けたり、緊急事態宣言下では「自宅でテレビを見る時、立って足踏みをしながら見る」など体を動かすようにお心がけ下さい。 「老化した細胞」が新型コロナウイルス感染による炎症を助長している可能性が 2021 年 6 月 8 日に報告されました(Camell CD, Science 2021, 6/8)。新型コロナウイルスが持つ「spike protein 1」と呼ばれる物質に老化細胞が過剰に反応してしまうようです。これにより、近くにある若い細胞に混乱を招き、ウイルスを攻撃する物質を放出できなくすると共に、ウイルスの侵入を手助けする物質も放出させてしまうようです。老化予防に効果がある可能性がこれまでに報告されている「フィセチン」の経口投与(20mg/体重kg)が、新型コロナウイルスの重症化予防に貢献できる可能性がマウスを用いた実験で示されています。 フィセチンを多く含む食品はイチゴ(16mg/100g)です。この報告が正しければ、イチゴは重症化予防に少しは貢献してくれるかもしれません?        
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