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投稿者:Jet
ニコンの一眼レフがオートフォーカスになったのは1988年に発売されたF4が初めてです。 ボディー側にレンズの繰り出し動力を内蔵し,ドライブシャフトでレンズ側に動力を伝達して焦点合わせをするDタイプと呼ばれるレンズが同時に発売されました。 それまでのマニュアルフォーカスレンズも使用可能でしたが,マニュアルフォーカスレンズとボディーの間に挟んでオートフォーカス化するためにTC-16Aが発売されました。 光学倍率1.6倍のテレコンバーターで,内部で5枚構成のレンズユニットが前後に移動してオートフォーカスを実現していました。 しかし,デジタル一眼レフでは使用ができませんでした。改造することによってデジタル一眼レフでもマニュアルフォーカスレンズをオートフォーカス化できるというネット情報が出回り,それを参考に改造を試みました。 不器用な私ですが,ネット情報通りに動くようになりました。 改造は2カ所。一つは電子接点の移動です。写真の黄色い矢印の始点に来ている情報を,矢印の先端に新しく作った接点に移動することです。 銅箔を使って信号接点を移動させ,もとあった接点はマスキングテープを貼って絶縁しました。 見映えが悪いですが,新しい接点も旧接点の絶縁も接着剤でしっかり固まっていて,数十回取り付け・取り外しをしてみましたが,安定して作動しています。 改造のもう1カ所は内部のICのピンの切断です。これらの改造で,ネットで得られた情報どおり,マニュアルフォーカスレンズのAF,AE化が実現できました。 TC-16Aはデジタル一眼レフボディー側からは70-210mm F4.0のズームレンズを焦点距離145mmにセットしている状態と認識されます。取り付けたマニュアルフォーカスレンズの絞り情報はボディー側へ機械的に伝達され,開放から何段絞り込んだ状態にセットしているかがEXIFから再現できます。 例えば35mmF1.4のレンズを着けた場合,実効焦点距離は35mmx1.6=56.0mm,実効開放F値は1.4x1.6=2.24になります。 D850による実写結果ではAF,AEは正常に働きました。Ai Nikkor 35mm F1.4Sを着けて試写しました。 絞り開放付近ではフレアなどの元のレンズの欠点が少し増幅される感じがありますが,レンズをF4まで絞って以降は補助レンズの介在をほとんど感じさせないしっかりした像を結びます。 画面全体と画面中心部の等倍切り出しを載せておきます。写る画角が本来のイメージサークルの画角より狭くなっているので,周辺部の画質も特に問題ありません。
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