投稿者:やっぱりセルが好き!
「George,youre your own worst enemy」
⇒「ジョージ、あなたは自分自身の最大の敵よ」
「ジョージ、あなたの最大の敵はあなた自身よ!」
第7章「ジョージ・セルとルドルフ・ビング」の最後に出て来るヘレネ夫人の言葉ですが、言い得て妙ですね。
生涯を通じて自らの美学を貫き、常に至高を目指し求めたセル。
自らの美学を貫く為に『決して妥協する事が無かったセルの最大の敵(障害)が自分自身だった』というのは非常に良く理解出来ます。
そのセルにとって、総合芸術的なオペラは(美学を貫き通すには)あまりにも負担が
大き過ぎたのでしょうか?オケだけでなく、歌手・演出・舞台装置等々‥
その全てに常に最高を求める事は、セルの時代でも厳しかったのでしょう。
正規録音を残さなかった(残す事が叶わなかった)セルですが、それでも幾つかの音源が
残されている事に感謝したいと思います。
特にタンホイザー・薔薇の騎士・魔笛はセルのオペラ指揮者としての偉大さを十分に
聴く事が出来る至宝だと(個人的には)考えています。
これらが素晴らしいが故に、正規録音があればと思ってしまうのも事実ですが‥