投稿者:浮浪雲
しかし、
隅角部以外のベランダ手摺のピーク風力係数Cf,bは、
Cf,b = Cpe × {(Gpe-1)/Gpe } が妥当であると言う考え方は実際の設計に於いては採用されていません。
実際には、
日本アルミ手摺工業会などの指針(左図)に基づき設計されています。
【ベランダ手摺 設計用ピーク風力係数C】
部位 中央部 部位Ⅰ 部位Ⅱ
正 1.5 2.0 3.5
負 -1.5 -2.5 -5.0
が用いられています。
風圧力W(N/m2)は、W = 0.6×E^2×V^2×C で計算されます。
[W:風圧力、V:基準風速、C:風力係数、E:平均風速の鉛直分布を表す係数 ・・・ 当該地域※1で建物H≦31mならE≦1.0となる故、当建物ではE=1.0と設定。]
当該地域※1のV:34m/S、隅角部以外のベランダ手摺C:1.5、E:1.0、で計算した場合の
隅角部以外のベランダ手摺風圧力W(N/m2)は、
W = 0.6×34^2×1.5 ≒ 1040N/m2 ・・・・・ 設計風圧力(A)
となります。一方、
先日の強風で固定ネジが破壊した際の日最大風速は17m/Sでしたので、この時の風圧力W(N/m2)は、
W = 0.6×17^2×1.5 ≒ 260N/m2 ・・・・・ 破壊時風圧力(B)
と考えられます。
故に、当該ベランダ手摺の風荷重に対する安全率は、(B)÷(A)=0.25 です。
※1 静岡県駿東郡 粗度区分Ⅲ
【参照サイト】
・日本アルミ手摺工業会 手摺強度のガイドライン(風荷重編):http://www.apajapan.org/tesuri/guideline02.pdf
・日本アルミ手摺工業会 手摺強度のガイドライン(人的荷重編※2):http://www.apajapan.org/tesuri/guideline01.pdf
(人的荷重※2)
※2 なお、工業会が定める共同住宅用アルミ製墜落防止手摺の「基本強度」は、
区分 水平荷重 設置場所
・100型 980N/m(100Kgf/m) バルコニー、階段前を除く廊下
・125型 1225N/m(125Kgf/m) 階段、階段前の廊下
とされています。