投稿者:協調情報管理室長アンナ・アルフベン
さて‥‥そして現在の状況につながります。
現陛下の戴冠式にて武装集団の襲撃があった事はみなさんも記憶に新しいでしょう。
そしてストックホルムでは連続爆弾テロが同時に発生しています。
えぇ、この協調ブロック本部も爆弾の被害を受け……進歩党員の事務局の子が亡くなっています。
…………我々は忘れてはならない。
失礼、さてこの同時多発テロと同時にカレリア・イングリア両公国で共産党書記長のヴィロライネンとラプア運動派の退役軍人達によるクーデターが発生。
更にペッツァモ及びヘルシンキを電撃的に占領されたことにより東部方面軍は混乱に陥り雪崩を打って壊乱。
更にポフヤンマーではスウェーデン系の自警団がフィンランド軍に対しても排除を開始したため、トゥルクと北部で分断される事態に陥りました。しかもトゥルクの連合王国軍は退役していたフィンランド軍のタルヴェラ中将に指揮権を強奪される始末…。
まあ、彼がラプアに与しなかったのは不幸中の幸いでしたがね。
現在は共和政府軍とトゥルク駐留スカンジナビア軍の連携によりトゥルク条約との連絡線を奪還しており平定に向けて動いています。
……さて、現状ややこしいのはフィンランドに三つの武装勢力がある事です。
まず一つはスカンジナビア軍東部方面軍・フィンランド共和国軍・義勇軍による部隊です。
フィンランド共和国はリュティ暫定大統領率いるフィンランドの正統政府ですが…。皆さんも知っているとおり、戴冠式でのテロの際に近衛師団の大佐となっていたモーリッツ一世が戦死しています。
それでモーリッツ一世への同情が深まったことを利用して、その兄のヘッセン方伯フィリップが国王を自称して騒ぎを起こし、政府と交渉の末に首相の座を取っていきました。
彼はマンネルヘイム元帥らフィンランド旧軍のみならず故ウメオ子爵やらハンソンやらを懐柔して急速に勢力を伸ばし、オウルに居を構えてフィンランドの北部から中部を掌握しています。フィリップ方伯はリュティ大統領を蔑ろにして国王然として振舞っているようですが…それでも、「味方」であることには変わりありません。
こちらは間もなくスウェーデン国王グスタフ6世陛下の下でフィンランド派遣総軍として再編されます。
‥‥エプレボリ候が何とかしてくれると良いのですがねぇ。
二つ目、ポフヤンマー地方はグスタフ・ベックスという元ヴァーサ運動私兵隊幹部の支配下にあり、彼の扇動により、民族主義によって先鋭化しています。
今では、支配地において虐殺行為を公然と行っています。
連合政府はこれを早期に排除する予定です。
‥‥そして最後、これが一番厄介ですね。
フィンランド国民軍政府‥‥ラプア=共産連合による政権です。
大統領はラプア運動指導者ヴィフトリ・コソラ、
首相はフィンランド共産党書記長ハンネス・ヴィロライネン。
ヴィロライネンはフィンランド共産党中央委員議長であったクーネシンに対しクーデターを行い、実権を掌握しています。
彼らはソビエト連邦から支援を受けておりラプア系の元軍人と赤衛隊を武装化しています。
また、ソビエト連邦と相互不可侵を締結したことで政府にゆさぶりをかけていますね。
スカンディナヴィア軍と交戦状態ですが戦力の差は圧倒的であり実質的には【中立の壁】となっています。