投稿者:くすのき
またスレッドが長くなったので頭出しさせていただきます。
音量調整方法について様々な意見が飛び交っているので、実際にやってみました。
スピーカーは木霊と昔作ったOM-MF519のバスレフ。
トーンバランスは木霊がハイ上がり、OM-MF519はバスレフダクトをかなり効かせてあるので、ローバランス。
アンプは全く同じ物を2台使いました。
方法は大きく分けて3種類
1,センター定位で合わせる
2,スイッチで瞬時切り替えして合わせる
3,測定器を使う
1,センター定位で合わせる。
これもバリエーションがたくさんあり
(1)まず、アールefuさんが言われる、2系統のホワイトノイズを使う方法は全くダメでした。
元々音源が2系統になるとLRの相関性が失われるので定位しないことはわかってたんですが、
実際にやったことがなかったので試してみました。
ふたつのホワイトノイズが勝手に鳴ります。
たぶん厳密に聞けばそれぞれのスピーカーのところに分かれてホワイトノイズが定位してます。
(2)次に、1系統のホワイトノイズを振り分けてセンター定位を合わせる。
これはできないことはないですが、結構曖昧で、やっぱり2種のシステムの位相特性が
異なるため、明解な定位を持たないようです。
(3)音源をホワイトノイズからピンクノイズに切り替え。
ピンクノイズにすることにより、位相の異なりやすい高域成分の比率を少なくするためです。
予想通り、定位はやや明確になりますが、ピタッと決まった感じはありません。
(4)確認のため、一つのシステムで1系統のピンクノイズを鳴らすと、かなりはっきりとした
センター定位が得られます。
(5)木霊を、DSPクロスオーバーのアクティブスピーカーに変更。
定位は完全に失われます。これは、DSPクロスオーバーの処理過程で幾分のディレーが
発生するため、LRが無相関化してしまうためだと思います。
定位式は散々な結果ですが、ノイズではなく楽音を使ってやると、木霊とOM-MF519の間では、
かなり快適に合わせることができることは以前に確認してました。
もちろん1系統音源の場合です。
パッシブのフルレンジに限って使える方法だと思います。
2,スイッチで瞬時切り替えして合わせる
これも、音源に何を使うかでやりやすさが異なると思いましたので、何種類かやってみました。
(1)ホワイトノイズでは正直ムリ。低音がゾーーーっと出るスピーカーと高音がシーーッと出る
スピーカーを聴感で合わせるのはわたしには無理でした。
(2)ピンクノイズでは若干やりやすくなるので、無理ではありませんがかなり困難。
(3)楽音は以前からやっていてうまく行くのはわかってたのですが、ひょっとすると曲想に
よって異なるのではないか?や、自信をもって同じと言い切れない部分が残ります。
調整者の精神的な負担はややあるか?でも、今のところこれがベスト。
3,測定器を使う
測定器を使う以上、変動の激しい楽音ではなく、変動のない(少ない)ノイズを使うしかない。
また、測定カーブをAにするかCにするかも評価。
測定値を一致させたのち、楽音に切り替えて同音量と感じられるかを確認。
(1)ホワイトノイズは、Aで一致後楽音に切り替えると、全く合っていない。問題外。
(2)ピンクノイズはホワイトノイズよりは差が少ないが、とても使えない。
(3)ウェイテッドノイズ(楽音と同じエネルギーバランスになる様に調整されたノイズ)
は、ピンクノイズよりさらに差が少ないが、まだまだ使えるレベルにない。
(4)一番ましだったウェイテッドノイズでCカーブに切り替え。???good!今までで一番、
楽音での音量があっている。瞬時切り替えで、かなり時間をかけて調整したレベルが
簡単に得られる!
(5)ウェイテッドノイズは何種類かあるので、いいものを探す。
音源は日本オーディオ協会 AUDIO TEST CD-1 から。1枚目の画像参照
ウェイテッドカーブは2枚目の画像を参照のこと。
①USASI(現在のANSIの前身)の規定(スタンダードS1・4による)は合わない。
②IEC PUBLICATION 268-1 上記の試験に使ったもので、非常に良く合う。
③EIAJ RC-7603 高域成分が多くそっちに振られて合わない。ただし、耳の高域が衰えていない
若者の場合はこちらが良く合うと判断されるかもしれない。
ということで、二日かけて行った試験からは、IECのウェイテッドノイズを使いCカーブで測定値を
合わせることを推奨いたします。
この場合、メーターを見ながら音量調整するだけですので、会長さんに負担をかけることもありません。
その結果、同一音源を基準スピーカーと応募作品とで瞬時切り替えして調整する必要がなくなり、
この2系統は分離することができます。
どれでも、月例会でデモすることはできますので、当日確認してください。
でも、あ―――大変だった。