投稿者:kiya
<旅の付録>
最初のヨーロッパの帰路、もう2度と来ないと思っていたヨーロッパだったが、
引き寄せられるように、それから何度も出掛けてるようになっていた。
<余韻:1>
オリエント急行の旅から16年後の2008年、ヨーロッパ旅行は、早くも25回目になっていた。
そのとき僕達は、オリエント急行と再会したいと、レンタカーでブレンナー駅に向い、峠の駅でオリエント急行を待ち伏せた。
駅の手前の駐車場の2階で、列車が来るのを待っていた。
昼を少しすぎた頃、濃紺の車体に白い屋根の列車がブレンナー峠を縫うように上がって来た。
懐かしさが込み上げてきた、そして列車が通り過ぎるのをぼんやりと見ていた。そして、駅に停車。
アッ! 列車は機動車を外すので、暫く駅に停車するんだ。
あれから16年、当時40代だった僕達も、すでに還暦を過ぎる年齢になっている事も忘れて、
ぼく達は、少年のように息を切らせて、駅に走った。
悠然と駅に止まっているオリエント急行を、ホームから眺め、懐かしくて乗組員に話しかけていた。
<余韻:2>
オリエント急行に乗ってから20年後、の2012年、ぼく達はイスタンブールに行った。
かって、オリエント急行がオリエントと言われる由縁の、イスタンブール中央駅に行って見た。
当時の待合室は、いまはレストランになっていて、入り口に「1892年,ORIENT EXPRESS」と書いたプレートがあった。
<あとがき>
旅行は、行く・見る・食べる、買うだけでは、ガイドブックと同じだ。
自分達の「旅の物語」が作れたとき、旅行はもっと楽しく、思い出深いものになると感じた。
写真:イスタンブールの当時の待合室、レストランの入り口の看板