投稿画像
投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析  正しい情報を偏りなく 今週の新情報 (2023.5.22) Q ワクチンの副作用を統計データで証明できるか? A 新型コロナワクチンの危険性に懸念をいだく研究者や医師は、決して少なくありません。そのような立場の人たちが期待を寄せているのは、接種後の副作用や死亡など、公表されている統計データ(数値)を分析すれば、危険性を証明できるのではないかということです。 たとえば、2023年5月1日付の当ホームページで紹介した「厚生労働省発表の死亡例※1」や、同じく3月20日付の記事で述べた「超過死亡※2」がそうです。しかし、統計データの分析だけでワクチンの危険性を証明するのが難しいことも、繰り返し述べてきたとおりです。 (※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4054#4156 ) (※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4037#4053 ) 次のグラフ(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/carditis2.jpg )は、当ホームページQ14(4)の記事※3で紹介したイスラエルのデータです(文献1)。2回目のワクチン接種後、数日して心筋症が急増していた事実を、統計データがあきらかに示しています。ワクチンの副作用を証明する数値として、唯一、信頼できるものと私は考えています。 (※3:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ14 の(4)参照) 信頼できる理由は、以下のとおりです。 イスラエルには日本の制度に似た「国民皆保険」の仕組みがあり、国民はいくつかある保険組合のどれかに加入することになっています。この調査に使われたのは、そのうち全国民の55パーセントが加入する組合のデータ(440万人分)で、病歴やワクチン接種歴などの詳細が記録されています。 分析に使われたデータには、次に示す5つの条件を満たすという特徴がありました。  条件1 同じ人たちを時間を追って比べている  条件2 調査が非常に短い期間で行われている  条件3 対象の病気は季節などに左右されず、かつ頻度が少ない  条件4 対象の病気は同じ人で何回か起こりうる  条件5 死亡例ではない これらの条件が何を意味するかは、当ホームページで欠陥を指摘してきた「後ろ向き調査」と比べてみると明らかです。後ろ向き調査は、条件1と2がまったく異なっていて、  条件1→ 無関係で背景もばらばらな人たちのデータを比べている  条件2→ 期間が短い調査もあるが、昔と比べたものもある ということです。つまり後ろ向き調査では、たとえ2つのグループの間に違いが認められたとしても、その差をもたらす背景要因が無数にありうるため、原因を断定できません。 一方、「5つの条件」をすべて満たす方法は「自己対象シリーズ分析」と呼ばれ、自分の身に起こったことを、たとえばワクチン接種の前と後で比べるというアイデアです。比べる対象が自分たち自身ですから、(短い期間であれば)背景要因に違いはないはずです(文献2,3)。 難しいのは、死亡例の扱いです。亡くなってしまうと、「条件5」を満たしません。つまり、当人がいなくなれば、ワクチン接種の前と後で、差が認められるかどうかを検証できなくってしまうからです。 ただし、ワクチン接種後の死亡例について、この方法を改良して使ってみた、という報告がいくつかあります。しかし、その結論は、有意な増加が認められなかったというものでした(文献4,5)。やはり統計データだけでワクチンの副作用を証明するのは、容易なことではありません。 厚労省が公表した「接種後死亡」の数値をなんとか活かしたい、とはワクチンに懸念を抱く多くの研究者の願いです。この統計データから、もし自己対象シリーズ分析を行うことができれば、ワクチン接種によって死亡例が増加していることを統計学的に証明できるかもしれません。 そのためには、ワクチン接種した人たち(できれば全員)の「接種直後」の死亡数を、「接種前」または「接種の数週間後」のそれと比べてみる必要があります。そのようなデータを入手できる方は、ぜひご一報ください。 【話 題】  最近の新聞報道によると、「ワクチン被害者遺族の会(繋ぐ会)の3人が、NHKの報道番組にビデオ出演した際、ワクチン接種後に家族が亡くなったことについての発言を、あたかもコロナ感染によるものであったかのように構成。遺族からの抗議を受けて、NHKは謝罪した」という出来事がありました。世間の多く、とくに中高年層の人たちは、NHK報道を金科玉条のごとく考えています。接種を中止させるため、そしてワクチン被害を風化させないためには、まずNHKが理解を深め、真実を報道することが必須条件となるでしょう。 【参考文献】 1) Witberg G, et al., Myocarditis after Covid-19 vaccination in a large health care organization. N Engl J Med, Oct 6, 2021. 2) Petersen I, et al., Self controlled case series methods: an alternative to standard epidemiological study designs. BMJ 354: i4515, 2016, 3) Ghebremichael-Weldeselassie Y, et al., A modified self-controlled case series method for event-dependent exposures and high event-related mortality, with application to COVID-19 vaccine safety. Stat Med 41: 1735-1750, 2022. 4) Jabagi MJ, et al., Myocardial infarction, stroke, and pulmonary embolism after BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine in people aged 75 years or older, JAMA, Jan 4, 2022. 5) Nafilyan V, et al., Risk of death following COVID-19 vaccination or positive SARS-CoV-2 test in young people in England. Nat Commun, Mar 27. 2023.        
投稿記事
画像を拡大