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あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4054 )
日時: 2023年03月20日 10:51
名前: はっちん [ 返信 ]
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これまでの記事

『あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー』⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3197

『あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(2)』⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3801
   
   
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Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4055 )
日時: 2023年03月20日 10:53
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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今週の新情報 ー第1弾ー

(2023.3.20)
Q 討論: ワクチン問題はどう決着させればよいのか? -総括-

 このテーマで多数のご意見をいただきましたので、そられを踏まえ、ポイントを絞ってまとめてみました。

1 賛成派と反対派で公開討論をしてほしいとのご提案
 水掛け論になるだけではないか、とのご意見が複数ありました。また、3月15日に開催された『新型コロナワクチンを議論する議員有志の会』のライブ中継でも、わかったことがあります。ワクチンを推進している中心的な専門家に対して、この会から事前に具体的な質問を厚労省経由で送っていましたが、討論会当日になっても回答がなかったことです。つまり推進派は対話を拒否しているのです。

2 ワクチンを接種しなかった有名人に語ってもらいたいとのご提案
 すでに、この問題で発言をしたばかりに、テレビ業界からほされてしまった、とされる有名人の話題が週刊誌やネットにときどき載っています。簡単ではなさそうです。

3 署名活動をしてほしいとのご提案
 「どこかに提出して、それで終わりになるだけではないか」との意見が複数ありました。地方自治体であれば、一定数の署名で議員や首長の解任を求めたりすることができます。しかし国が相手の場合、そのような制度はありません。これまで署名活動が功を奏したのは、せいぜい自然景観の保護など、国と一般市民の利益が一致し、かつ政権の意地に抵触しないものに限られてきたような気もします。

4 被害者たち全員が厚労省に補償を求めるべきとのご意見
 この点は、まさに『議員有志の会』に期待するところです。最終的には集団訴訟に持ち込まないと、埒はあかないのかもしれません。

5 ファイザー社との密約を国会議員に暴いてほしいのご意見
 ぜひ、そうしてほしいものですが、米国の政府と法律が絡んでいるため、ほぼ絶望的です。

6 長期の副作用を検証するため接種手帳を全員に持たせるとのご提案
 グッドアイデアですが、ワクチンパスポートとして悪用される可能性もありました。

7 全国の地方自治体に相談窓口を作ってもらうとのご提案
 もっとも実効性があり、世論喚起にもなりそうです。全国各地で、それぞれ声をあげていくしかありません。地元選出の国会議員に陳情するとのご提案もありました。合わせて、各地域での行動に期待したいところです。

8 中国製やインド製の不活化ワクチンに切り替えるとのご提案
 どちらも「有毒な」トゲトゲ蛋白が含まれていますから、危険性はmRNAタイプのワクチンと大同小異です。

以上、主だったご提案をまとめてみました。今後の最重要課題は3つです。第1は因果関係を証明する検査法を開発すること、第2は、被害者集団訴訟を起こすこと、そして第3が有志国会議員にご理解いただき行動してもらうことです。どれも皆で頑張れば手が届きそうです。

「沈黙は人を見殺しにする」、「風化させない」・・・、それぞれの立場で、それぞれ出来ることから始めるしかありません。

【脚注】
新型コロナワクチンを議論する議員有志の会について
 3月15日に開催された同会主催の公開討論会の直前、私も参加を依頼されました。飛び入りのため、講義をする機会はありませんでしたが、参加した印象について報告させていただきます。会議室内には議員4名、専門家4名、厚生労働省関係5名、関係者数名、事務局数名、それに中継担当2名がいました。専門家と厚労省関係者との応酬が、専門用語交じりで延々と続き、議員の方々に十分ご理解をいただくという主旨からは、いささか外れたものとなっていました。今後の進め方について、この点を踏まえた提言を私から関係者に伝えたところです。当日の記録は、ニコニコ動画(ここhttps://www.nicovideo.jp/watch/sm41934237 をクリック)で閲覧することができます。




今週の新情報 ー第2弾ー

(2023.3.20)
Q 超過死亡にご注意?

 最近、「超過死亡」に関する研究報告が多くなり(参考文献1)、当ホームページあてにも多くの情報が寄せられています。超過死亡とは、いったい何のことでしょうか?

まず当ホームページQ0(2)で示したデータも交え、この言葉の正しい解釈を改めてまとめておくことにします。簡単に言えば、前年、あるいは過去何年かと比べて、最近一年間の死亡数が増えたかどうかを表す値です。もし増えていればプラスで、減っていればマイナスでそれぞれ提示されます。
(※:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2174#2859 )

しかし実際には、やっかいな事情がいろいろあって、単純な引き算で求めるわけにはいきません。理由の第一は、年月とともに高齢者の割合が高まっていくため、死亡の絶対数が増えてきていることです。逆に総人口が減少していたり、自然災害や戦禍で一時的に死者数が増えたりした国もあるでしょう。

その誤差をなくすため、数年から10年くらい前の死亡統計をもとに数学的な予測式をたて、最近1年間の値を予測する、という方法がとられています。ただし予測式にもさまざまな理論があって、精度も異なります。完璧なものはなく、株価予測や天気予報のように大外れすることもあります。

2021年1~10月の間(ワクチン接種が始まったころ)、国内における死亡者の実数は確かに増えていました。しかし、国立感染症研究所が、もっとも信頼できる予測式を用いて都道府県別の試算を行ったところ、千葉県など一部の地域を除いて「統計学的に死亡数が増えているとは言えない」との結論になりました。つまり、コロナ禍に起因した超過死亡は認められなかったのです。

やはり気になるのは、ワクチンのせいで死亡数が増えていなかったのか、ということです。しかし、当ホームページで繰り返し述べてきたとおり、死亡がコロナ感染のせいなのか、ワクチンの副作用なのか、あるいはどちらでもないのか・・・、その判定はほとんど不可能なのです。行政のさじ加減によっても、まったく違った数値になります。たとえば日本では、真の死亡原因とは無関係に、とにかくPCR陽性だった人は「コロナ死」にされてしまっていました。

2022年の春、多国籍研究者チームが全世界の超過死亡を国別に発表しました(参考文献2)。ところが、この研究に対して、データ集計の仕方が間違っているとの抗議文が掲載誌に殺到するという騒ぎに発展したのです。

反論の主旨はさまざまですが、たとえば英国の研究者は一例として日本のデータを取り上げ、超過死亡を求める難しさを指摘していました(参考文献3)。つまり日本の超過死亡数を、3つのグループが独自に予測しているのですが、その値は以下のようにバラバラだったというのです。

 多国籍研究者チーム→   111,000人/年
 英国紙エコノミスト→    12,000人/年
 世界死亡データベース→  -13,100人/年 (減少を示している、脚注参照)

つまり「超過死亡」を正しく求める方法は存在せず、これをもってワクチン被害を科学的に実証することはできない、というのが冷静な結論となります。

【参考文献】
1) Donzelli A, et al., All-cause mortality according to COVID-19 vaccination status: an analysis of the UK office for national statistics public data. Creative Commons,, Feb 24, 2023.
2) COVID-19 Excess Mortality Collaborations, Estimating excess mortality due to the COVID-19 pandemic: a systematic analysis of COVID-19-related mortality, 2020-21. Lancet, Apr 16, 2022.
3) Scholey J, et al., Conflicting COVID-19 excess mortality estimates. Lancet, Feb 11, 2023. ほか多数

【脚注】
 「世界死亡データベース」とは、最近、注目を集めているサイトで、The World Mortality Datasetと呼ばれているもの。2人の研究者が運用しており、信頼度が高いと言われている。

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4070 )
日時: 2023年03月27日 09:34
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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今週の新情報

(2023.3.27)
Q 米国のアイダホ州で『mRNAワクチン禁止令』?

 米国のアイダホ州で、2023年2月15日、2人の共和党議員がある法案を提出しました。内容は、「メッセンジャーRNAを利用したワクチンをいっさい禁止し、今後、接種に関わる医師、関係者は処罰する」というものです(文献1)。法案中にファイザー社とモデルナ社の名前はありませんが、委員会の主旨説明では、2社を名指ししていたとのことです(文献2)。
(※:イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/idaho.jpg )

理由は、「あまりに臨床試験の期間が短すぎて、安全性の証明がなされていないから」というものでした。同州の知事も、この法案に賛成していると報じられています。

2023年3月末の時点で、法案はまだ可決していませんが、各方面から反発の声が上がっています。たとえば同州のコロナワクチン専門家会議で委員長を勤める医師は、専門誌のインタビューに、「私は30年、医者をやっているが、こんな悪意に満ちた話は聞いたことがない」と語っていました。

また別の医師は、「法案を出す前に、専門家の意見を聞いてほしかった」、「アイダホ州でのワクチン接種率が全米で最低に近いのは、デマ、フェイクニュースに騙されいている人が多いからだ」、「州の議員が、mRNAワクチンにはエビデンスがないと言っているが、それはウソだ」などど、強い口調で非難しています。

法律の専門家も懸念を表明しています。「もし、この法律が成立すると、ワクチンを接種した医師は有罪となり、医師免許を失うことになりかねない」というのです。さらに、法案の内容は1頁に満たないもので、拡大解釈されると、たとえば将来、同州内で臨床研究さえできなくなってしまうのではないか、としています。

この記事を掲載した専門誌は、「mRNAタイプのワクチンについては30年に及ぶ研究の歴史がある。2008年には、15人のがん患者を対象にした臨床研究が行われ、効果と安全性が証明されている」とコメントしています。

しかし事実はいささか異なっています。この技術については、35年以上も前から数百人に及ぶ技術者たちが、それぞれ独自に開発を行ってきており、中には、ヒトの体に重大な損傷を与えることがわかったとして、研究を中止した人もいました(文献3)。少なくとも、効果と安全性を証明できる臨床試験が行われていなかったのは確かです。

いずれにしても、米国は各州の権限が強く、たとえ国家が認めたワクチンであっても、アイダホ州で禁止する法律が成立する可能性は高いようです。

実は、この話には伏線がありました。遡ること1年ほど前、この州で「企業が従業員に対して、ワクチン接種を強要することを禁止する法律」が制定されていたのです(文献4)。ワクチンを打っていない人を法律で守るのが目的でした。

日本でも、一部の地方自治体で、何人かの議員が立ち上がったとのネットニュースがあります。各地方で議員に働きかけを行い、互いに連携し合うことができれば、大きな力になっていくのではないでしょうか。

【参考文献】
1) Suran M, Physicians say an Idaho House bill that would criminalize administering mRNA vaccines is an attack on the medical profession - even if it does't become law. JAMA, Mar 15, 2023.
2) Nguyen T, Idaho bill would criminalize giving mRNA vaccines - the tech used in popular COVID vaccines. USA TODAY, Feb 22, 2023.
3) Dolgin E, The tangled history of mRNA vaccines. Nature, Sep 14, 2021.
4) Medina E, The Idaho legislature passes a bill that seeks to protect the unvaccinated. New York Times, Mar 28, 2022.
   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4087 )
日時: 2023年04月03日 10:19
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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今週の新情報

(2023.4.3)
Q 厚労省発表の死亡データは何を語っているのか?

 ワクチンを接種したあと亡くなった方々の情報を厚生労働省が集計し、公表しています。データはすべてPDFと呼ばれるファイル形式で発表されているため、数字をパソコンで読み取ってグラフにしたりすることができません。

幸い文献1で紹介されていた巧みな裏技?を使って、エクセルファイルに変換することができました。早速、作ってみたのが次の棒グラフ(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/death_interval.jpg )です。「接種を受けてから死亡に至る日数」を横軸に、「それぞれの人数」を縦軸にとっています。横軸のゼロは接種当日のことです。

対象は、令和3年2月17日~令和4年4月17日の間(1年2ヵ月)に報告のあった1,609例です。ただし、日付や年齢が「不明」となっていたり、明らかなミスプリントと思われる事例は削除し、また訂正情報がメモ書きされていた場合は、それに従って訂正を行いました。最終的に作図に利用できたのは1,371人分のデータで、年齢や性別、接種回数にかかわらず、すべての事例を含めています。

このようなグラフは、すでに何人かが作成に成功し、ネット上に公開しています。3月15日に開催された議員有志の公開討論会でも提示されていました。多くの方々が、「動かぬ証拠」として期待を寄せているものです。

さて、問題はここからです。この棒グラフは、いったい何を表わしているのでしょうか?

このようなグラフから「ワクチンのせいで死亡したのは明らか」と、本当に断言できるのでしょうか。どんな統計データでも、それを読み解く際にまず考えるべきは、「データの集め方に偏りはなかったか?」ということです。

この問題に関するご意見を募集します。

「コロナワクチンを断罪するには、様々な立場で行動を起こしている人たちにまず連携してほしい」とは、前々回の当ホームページでご紹介した皆さまのご意見の中で、もっとも多かったものです。だからこそ、仲間割れを誘うわけではなく、ワクチン接種を推進している巨大な力と対峙するとき、揚げ足を取られないようにしておかなければならないのです。

なお、私が再現した実際のエクセルファイルは、以下(青色の文字)をクリックするとダウンロードすることができます。ファイル中、右端の「死亡までの日数」は、私がエクセルで計算して付け加えたものです。エクセルがお得意な方は、このデータからさまざまグラフを作り、考察の参考にしてください。

 「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」DL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/mortalityinterval.xlsx


コロナワクチンでなぜ死亡するのか?

考察の参考にしていただくため、これまでに得られた死亡に関する膨大なエビデンスを整理しておくことにします。ワクチンを接種して死に至る理由は、少なくとも3つあることに気づきます。

まず、このワクチンが初めて登場したときから言われていたのが、アナフィラキシー・ショックです。その定義は、原因物質が体内に入って数秒から数分以内に、血圧低下、呼吸困難、発疹、嘔吐などの症状を認めた場合、とされています(文献2)。致死率は、正確な値は不明ですが、救急外来に搬送された人に限れば0.25~0.33パーセントと報告されています。死に至るまでの時間は、約7割の事例で1時間以内です(文献3)。

原因物質として当初から指摘されていたのは、mRNAを包む脂質微粒子膜の成分の一つポリエチレングリコールでした。保水性があり化粧水などに使われているものです。ワクチンに使われたのは初めてであったことから、物議をかもしました。この物質で実際にアナフィラキシー・ショックを起こした人は多数いたものと推測されますが、体内に何も痕跡が残らないため、たとえ死後解剖(剖検)を行っても、残念ながら証明することはできません。

2つめは、1月16日付の当ホームページで報告※1したように、脂質微粒子を構成する物質の一つプラスの電気を帯びた脂質※1です。激しい毒性を発揮するため、ときには血を吐いて死亡する可能性もあります。厚生労働省の会議で、初めて「ワクチン接種と死亡との因果関係が否定できない」とされた事例は、その可能性が高いと考えられます。この場合も、死に至るとすれば1日以内です。この場合は、剖検である程度、確認ができるはずです。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3708#3890 )

3つめは、当ホームページで繰り返し指摘※2してきたとおり、副作用として生じる自己免疫病※2です。死に至るとすれば、5日から3ヵ月ほどの間と推測されます。腎臓病、心筋症、脳症、肺炎など多くのタイプがありますが、バイオプシーや病理解剖で得られた組織サンプルが保存されていれば、トゲトゲ蛋白を染める方法や糖鎖の異常を分析する方法で、因果関係を証明できるはずです。
(※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2142#2155 )
(※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3708#3837 )
(※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3708#3926 )
(※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3708#3964 )、他

さらに、もっと長い年月を経て生じる副作用も考えておかなければなりませんが、実態の解明は今後の追跡調査を待つしかありません。

以上の情報も踏まえて、自作のグラフやお考えを当ホームページ宛てにお寄せください。

【参考文献】
1) 鈴村泰, コロナワクチン接種後の死亡データ、自動グラフ化に成功, アゴラ言語プラットフォーム, Aug 3, 2021.
2) Anaphylaxis, Mayo Clinic, on line.
3) Pumphrey RSH, et al., Postmortem findings after fatal anaphylactic reactions. J Clin Pathol 53: 273-276, 2000.

【脚注】 厚生労働省発表のデータについて
 厚生労働省のホームページには、「データの利用は自由であり、加工を行った場合でも、その旨を明記すれば許諾を求める必要はない」と記されています。したがって本文中で公開したデータファイルについて、著作権上の問題はありませんが、ネット上にグラフなど公開する場合は、引用元を明記してください。
 新型コロナワクチンのせいで天寿を全うできなかった方々には、心から哀悼の意を表し、その貴重なデータを未来のために利用させていただくことにします。

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4106 )
日時: 2023年04月10日 14:19
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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今週の新情報

前回のテーマ『厚生労働省の死亡データは何を語っているのか?』について、ご意見募集中です。直感でかまいませんので、ぜひお便りをお寄せください。

(2023.4.10)
Q これからは何に気をつければよいのか?

 すでにポストコロナの時代に入ったかのような雰囲気が漂い、世の中が浮かれています。マスクを外して大丈夫なのか、どんなところに気をつければよいのか、改めてまとめてみました。新型コロナウイルス、とくにオミクロン株が、どのように人から人へと伝染するのかに関する最新情報です。

ヒトの口や鼻から排出される微粒子には、さまざまな種類があります。比較的大きいのは「水滴(または液滴)」と呼ばれ、咳、くしゃみ、おしゃべりによって口や鼻から出てくるもので、サイズが100μm以上と定義されています(μmは1ミリの1,000分の1を表わす単位)。たとえば毛髪の太さが50~100μmです。

感染した人から排出される水滴には、粘膜細胞などと共にウイルスが含まれていますが、通常の会話では0.2メートル以内の床面に落下します。

これより小さなものは「エアロゾル」と呼ばれ、サイズは0.1μmから100μmとさまざまです。小さなものは肺の奥から、また大きなものほど肺の入り口に近いところから排出されます。通常の呼気中には、1リットル当たり7,200個ほどが含まれています。かなり長時間、空中に漂うことから、エアロゾルによる伝染は「空気感染」とも呼ばれます。

1回の咳で排出される水滴よりも、普段の呼気に含まれるエアロゾルのほうが、総量としてウイルス量が多いこともわかっています。つまり1回の咳よりも、長時間の会話のほうが感染リスクは高いのです(文献1)。次の図(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/airborn.jpg )は、さまざまなサイズの微粒子が地上1.5メートルから床面に落下するまでの時間を示したものです。

では、微細なエアロゾルだけで、実際に感染が起こったりするものでしょうか。

この問いに明確に答えてくれた研究が2つあります。一つは、実験動物を2つのケージに分けて飼育し、感染の様子を観察したという研究です(文献2)。実験の方法は、以下の動画(GIF動画⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/aerosol.gif )でご覧ください。

二つ目は、韓国からの報告です(文献3)。ヒトでも空気感染が起こった証拠とされるデータで、古い高層アパートに住む267家族の437人が調査に協力しました。このアパートは構造が複雑で、6つの棟がコの字型につながっています。換気の仕組みも旧式で、各棟に排気ダクトが1本ずつあるだけで、古いタイプの換気扇が使われたり、使われなかったりしていました。

最初の感染者は、10階の住人です。その後、9人が次々に発症したのですが、ほとんどが同じ棟の下のフロアの住人でした。この大きな複合アパートには2基のエレベータがありますが、それを共同利用している他の棟の住人から感染者は出ておらず、かつ感染したうちの2人はエレベータをいっさい使っていないと証言していました。またすべての感染者は、外出時にマスクを必ず着けるなど予防対策はしっかりとっていたとのことです。

以下の動画(GIF動画⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/korean_apartment.gif )は、感染者が集中した棟を側面から見た様子です。

2020年2月、豪華クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号で、次々に乗客・乗員が感染したという出来事がありました。当時、テレビ報道を見ながら直感したのは、船内の空調が、適切なフィルターを通さないまま空気を循環させる方式だったのではないか、ということでした。その後、さまざまな検討がなされ、やはり船内の空調システムに重大な欠陥があったようです(文献4)。ただし研究者の問合せに対し、同船を管理している会社は明言を避けたとのことです。

幸い日本では、2003年に建築基準法が改訂され、「24時間換気システム」の設置が義務づけられています。室内からの排気や給気を強制的に行うもので、「1時間で室内の空気の半分が入れ替わること」が求められています。もともとシックハウス症候群などを防ぐための法律でしたが、今となっては感染対策に大いに役立っていて、韓国からの報告例のような出来事は日本で起こっていません。

国内で行われた研究によれば、デルタ株に比べて、オミクロン株のほうが水滴中により多く残っていることも確かめられました(文献5)。つまりオミクロン株では、いっそうエアロゾルによる空気感染に気をつける必要があるのです。

また、見慣れた光景となった飲食店や食堂でのアクリル板は、換気を妨げ、同時に空気が巻き込まれて停滞するため、感染リスクがむしろ高まってしまうことも実証されました。

これからしばらくの間、守るべきは以下の5点です。
(1) 24時間換気システムは決して止めない
(2) 2003年以前の建築物で人々が密集している場所はなるべく避ける
(3) そのような場所に長時間いるときはマスクを着用する
(4) アクリル板は廃棄する
(5) いかなる理由があっても新型ワクチンはもう打たない

【参考文献】
1) Wang CC, et al., Airborne tranmission of respiratory viruses. Science, Aug 27, 2021.
2) Kutter JS, et al., SARS-CoV and SARS-CoV-2 are transmitted through the air between ferrets over more than one meter distance. Nat Commun, 12: 1653, 2021.
3) Hwang SE, et al., Possible aerosol transmission of COVID-19 associated with an outbreak in an apartment in Seoul, South Korea, 2020. Int J Infect 104: 73-76, 2021.
4) Almilaji O, Air recirculation role in the spread of COVID-19 onboard the Diamond Princess cruise ship during a quarantine period. Aeroso Air Qual Res, 21(4), 200495.
5) Imai K, et al., SARS-CoV-2 omicron variant in human saliva in cell-free form. JAMA Netw Open, Jan 3, 2023.
 


Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4124 )
日時: 2023年04月17日 09:19
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2023.4.17)

Q 討論:厚労省発表の死亡データをどう読むか?

 4月3日付けのテーマ「厚労省発表の死亡データから作成した以下の図(棒グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/death_interval.jpg )をどう読むか?」に対し、多くのご意見が届きました。まず、いくつかをご紹介したのち、考察を深めてみることにします。

【グラフに対するご意見】

(1) このグラフは、間違いなくワクチン接種が死因であることを示している。

(2) ワクチン接種は体調の良い人だけが受ける、という「偏り」があるので、接種していない人と比べるのは、不公平。

(3) 接種後の時間が経つにつれ、医師はワクチンのせいではないと考えてしまい、報告しなくなっただけではないか。

(4) 「死亡」という出来事は、接種を受けた圧倒的多数の前ではあまりに少数で、統計処理上、なかったことにされてしまう可能性がある。

(5) 2日目(接種翌日)に死亡が異常に多い理由が気になる。アナフィラキシーでも自己免疫病でもないとすれば何なのか? ワクチンの何らかの成分(毒物)が全身を回る時間なのか。


【新しいグラフのご提案】

(6) 基礎疾患なしの人たちだけで、グラフを作ってみたら以下(折れ線グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/goiken1.jpg )のようになった。

(7) コロナワクチンで死亡する「3つの原因(アナフィラキシー、毒物中毒、自己免疫病)」に分けて、グラフにしてはどうか。これらを仮に0日、1~4日、5日~14日、15~31日、32日以降の5群に分けると、以下(円グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/goiken2.jpg )のようになる。


【別の視点からのご意見と今後の課題】

(8) 「接種して死亡した人たち」の致死率を、同じ日ごとに「死亡したが接種はしていない人たち」のそれと比べるのがよいのではないか(地域ごとに)。

(9) 60歳以上に着目すると接種後の致命率は87.8パーセント、一方、同年代でコロナに感染して亡くなった人が78.9パーセントで、ワクチンのリスクは明らか。接種後の致命率は、同年代でコロナで亡くなった人のそれより高くなっている。

(10) 65歳以上に着目すると、コロナワクチン接種後の致死率は0.0036パーセント、一方、インフルエンザワクチンは0.0000018パーセント(令和元年)で、差が明らかに大きい。

(11) 今後は、「まだ接種していない貴重な人たち」を保護し(?)、「対照群」として追跡していく必要がある。

(12) 国内複数大学の共同研究では、接種者に認められた有害事象は死亡も含め、接種前に比べて増えていないと結論しているが・・・(文献1)。


【その他の感想】

(13) 「だからこそ、仲間割れを誘うわけではなく、ワクチン接種を推進している巨大な力と対峙するとき、揚げ足をとられないようにしておかなければならない」との当ホームページ記事に、ハッとし、現実の難しさと、これから自分に何ができるかを考えている。


【考 察】

「統計データ」と称するもの見せられたとき、まず考えるべきは「集められたデータに偏りはなかったか?」ということです。

たとえば新薬が世に登場すると、製薬企業は、学術論文に記載されたデータを添えて、「絶大な効果」を医師たちにアピールします。ところが、専門誌の編集者たちからすれば、華々しいデータを報じた論文を掲載したほうが、世間の注目を集め、売り上げも伸びるため、「効果はなかった」とか、「副作用が強かった」などと結論した原稿には、点が辛くなり、不採用としがちです。つまり出版の時点でも、「偏り」が生じていることになります。

このような偏りは「バイアス」とも呼ばれ、避けがたいものもありますが、ほとんどは意図的なものです。「副作用がバレないうちに調査を打ち切る」、「比べる相手(対照群)の生活習慣などに偏りがあったことを隠す」、「致死率などは隠しておきたいため意図的に死者数を調べない」、「不都合な患者データはなかったことにする」などは、製薬企業によって繰り返し行われてきた不正行為です。

ときには、報告者がバイアスの存在を理解できず、読み手のほうもそれと気づかず信じ込んでしまうこともあります(文献2)。

さて、「厚労省発表の死亡データ」の場合は、どうだったのでしょうか? 改めてご意見をお寄せください。

【参考文献】
1) Takeuchi Y, et al., A post-marketing safety assessment of COVID-19 mRNA vaccination for serious adverse outcomes using administrative claims data linked with vaccination registry in a city of Japan. Vaccine, Nov 7, 2022.
2) Yamaguchi T, et al., Safety monitorinbg of COVID-19 vaccines in Japan. Lancet Reg Health West Pac, Vol 23, 2022.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4140 )
日時: 2023年04月24日 09:31
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2023.4.24)
Q チャイナ・バイラス(ウイルス)?

 新型コロナウイルスが最初に発生した国の責任について、改めて考えさせられる論評や出来事がいくつかありましたので、公平な評価をまとめてみました。ちなみにチャイナ・バイラスは、トランプ前大統領が、敵対心をむき出しに考えた造語です。

2023年3月25日、有名な医学専門誌に、中国杭州市の外科医が投稿した論文が掲載されました(文献1)。内容は「命を賭してコロナと戦った医療関係者に対し、報酬金が届いていない。それを請求したところ、患者が確かに感染していたことの証明や診療記録、勤務していた日時と時刻など膨大な記録の提出を求められた。病院によっては、自費で購入したマスクなどの必需品についても、証拠を出さなければ支給しないと言われている。あとになってから、そんなことを言われても無理・・・」というものでした。

ところが、この論文は、2週間後、著者らが自ら取り下げてしまいました。現在、この論文にアクセスすると、大きな赤字で「RETRACTED(撤回)」と刻印が押された状態で表示されます。同じような出来事が、2020年にもありました(文献2)。理由は、いっさい説明されていませんが、背景に何があったかは推して知るべしです。

新型コロナウイルス感染症が世界で最初に確認されたのは、中国の武漢市で、大騒ぎになったのが2020年が明けたころでした。その都市に住むある女性作家が、恐怖の日々を自身のブログで日記風に綴り始めました。都市封鎖によって市民生活が激変したことや、コロナと闘って命を落とした医師が迫害されたこと、当局によって情報が隠ぺいされたこと等などを、赤裸々に綴ったものでした。ブログの存在は瞬く間に中国全土に知れ渡り、絶賛するコメントが殺到、最終的に延べ3億8千万回を超えるアクセスがあったと言われています。

この騒ぎとほぼ並行する形で、ブログの内容は『武漢日記』という本になりました(文献3)。世界各国の言葉で翻訳・出版されたのですが、ちょうどそのころ突然、風向きが変わり、中国政府を批判したとの理由で作家が激しいバッシングを浴びるようになり、ブログも閉鎖されました。その後、2023年、騒動の顛末を記した本が出版され、その中で「陰で組織的な扇動があった」と断じていました(文献4)。

遡ること100年ほど前、スペイン風邪が世界中で猛威を振い、現在の人口に換算して1.8億人が命を落としたと記録されています。名前こそ「スペイン風邪」でしたが、実は発生源は中国だったとする説が有力です(当ホームページQ17「第6回」参照)。

時代が進み、2002年、世界中が戦慄した重症呼吸器感染症(SARS)の大流行がありましたが、これも発生源は中国でした。その後の研究も含めて明らかになったのは、原因ウイルスがタヌキ、ハクビシン、タケネズミ、オオサンショウウオなどの野生動物の体内に潜んでいたことでした(文献5)。中国政府は、市場での野生動物の販売を禁止したと発表しました。

この問題の調査を続けてきたオーストラリアのウイルス学者エドワード・ホルムズ氏は、2014年に武漢市の海鮮市場を訪れ、ショックを受けました。ヘビ、アナグマ、ネズミ、鳥など、禁止されたはずの野生動物が、生きたままカゴに入れられ、食用として売られていたのです。文献6には、監視役でつき添っていた公安当局者の目を盗んで同氏が撮影した、実際の写真が掲載されています。

そして、この度の新型コロナウイルスの発生です。以上は、私見を交えず、公表された情報・事実だけをまとめたものです。その裏で、どのような力が働いてきたのかは、自ずと明らかでしょう。

当時、『武漢日記』を読んだ私は、「大事件に遭遇した中国の市民たちには、他人を思いやる熱い気持ちが芽生えていた」という事実を知り、むしろ感銘を受けたほどでした。また、中国からやってきた多くの留学生の研究指導を行ってきましたが、彼らは常に礼儀正しく、常識をわきまえた人たちだった、という私の経験談もつけ加えておかなければなりません。

矛盾を孕んだこの大国とどう向き合えばよいのか・・・、今後の世界の安全を考える上で最重要課題です。

【参考文献】
1) Sun L, et al., RETRACTED: Chinese medical personnel after the COVID-19 pandemic. Lancet, Mar 25, 2023.
2) Zeng Y, et al., RETRACTED: Chinese medical staff request international medical assistance in fighting against COVID-19. Lancet Glob Health, Feb 24, 2020.
3) 方方, 武漢日記_封鎖下の60日の魂の記録. 河出書房新社, 2020.
4) マイケル・ベリー, 「武漢日記」が消された日_中国から始まったある言論弾圧. 河出書房新社, 2023.
5) Liu WJ, et al., Surveillance of SARS-CoV-2 at the the Huanan seafood market. Nature, accepted: Apr 3, 2023.
6) Zhang Y-Z, et al., A genomic perspective on the origin and emergence of SARS-CoV-2. Cell, Apr 16, 2020.

【訂正】 2023.4.17付けの記載に誤りがあり、ご意見(9)の一部を削除・訂正しました。

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4156 )
日時: 2023年05月01日 17:03
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

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(2023.5.1)
Q 総括: 厚労省発表の死亡データは正しいのか?

 4月3日付で取り上げた話題『厚労省発表の死亡データは何を物語っているのか?』について、当ホームページあてに届いたご意見も踏まえ、総まとめをしておきます。その折、提示したグラフは次のようなものでした。厚労省発表の数値データから、私が作図(棒グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/death_interval.jpg )したものです。

まず考えなければならないのは、このデータを集める際に何らかの偏り(バイアス)が生じていなかったかです。重大なバイアスのひとつは、次のようなものです。つまり、接種後の時間が経つにつれ、たとえ医師が副作用によるものとの疑いを抱いたとしても、「因果関係を問われたときに説明ができない」と考え、報告をためらったのではないか、ということです。もし、そうなら、このグラフは実態をまったく表していないことになります。

そこで、医師が何を知らされ、どう行動してきたのかを考えてみます。厚生労働省のホームページには、次のように記載されていました(文献1)。「報告の対象となる症状の発生を知った、医師又は医療機関の開設者は、予防接種法第12条に基づき、報告しなければならない」。

この文章に出てくる法律を手繰っていくと、「疑われる症状として厚生労働省令で定めるものを呈していることを知ったとき・・・」という文章に行き当たります。

さらに、その省令なるものを探していったところ、厚労省のホームページに「4時間以内に発生したアナフィラキー、7日以内に発生した熱性けいれん、28日以内に発生した血栓症、心筋炎、心膜炎を疑ったとき」、と書かれていることが、やっとわかりました。この情報は、まず全国の医師に正しく伝わっていたでしょうか?

上のグラフで、「0日目」の死亡は、アナフィラキシーによるものであることが明らかで、診察した医師も報告せざるを得ない状況に置かれていたでしょうから、数値は実態に近いものと推測されます。

では、血栓症、心筋炎、心膜炎に基づく死亡はどうだったでしょうか? ファイザー社とモデルナ社の新型コロナワクチンでは、出血が止まらなくなるという副作用(脳出血など)が中心であり、血液が固まって起こる「血栓症」はほとんどありませんでした。血栓症は、アストラゼネカ社製ワクチンの副作用として広く報じられましたので、世間体を繕うために、この病名を加えただけではないでしょうか。本当は、もっと深刻な副作用がたくさんあったのですが・・・

次に、副作用としての心筋症と心膜炎についてです。これが海外で話題になり始めたのは、2021年の夏以降でした(当ホームページQ12参照※1)。すでに集団接種が大々的に始まっていましたが、NHKテレビなどが「心筋炎はまれな出来事。接種後の死亡と接種を原因とする死亡はまったく意味が異なります。うそニュースに騙されないよう・・・」などと、無責任な報道を繰り返している時期でした(文献2)。
(※1:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ14 )

一般市民はもちろん、未知の出来事に遭遇した医師たちさえ、知識不足から専門家としての矜持を失い、メディアに振り回されていました。「副作用」という発想が頭になく、そのため死亡例の報告も最初の数日間に限られ、その後はごく一部に留まっていたはずなのです。実際、当ホームページに寄せられた悩み事の多くが、「医師からワクチンとの関係を頭ごなしに否定された」というものでした。

当ホームページにあてに、「2021年1年間の月別の死亡者数をグラフにしてみた」とのお便りが届きました。それを元に、同じ年のワクチン接種者数をグラフにして(文献3の数値データから作図)、重ねてみたのが次の図(複合グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/sibousha_sesshusha.jpg )です。
     
ワクチン接種者数(赤色)は、死亡者数(青色)に比べて絶対数が桁違いに大きいため、圧縮してあります。両者の正しい値は、左右の目盛でそれぞれご確認ください。このグラフの解釈もなかなか難しいのですが、4月から6月にかけて死亡者が急増している様子が、ワクチン接種者数の増加と比例しているように見えます(点線内)。

この関係性には、前述のバイアスも影響を与えていないはずです。なぜなら、たとえ死亡数にバイアスが加わっていたとしても、月ごとの増減を変化率として見る際には、影響が帳消しになるからです(割り算で変化率を求める際、分母と分子のバイスアが消去される)。

ただし確認しておくべきことが1つあります。4月から6月にかけて死亡者数が急増しているのは、ワクチンのせいではなく、例年の季節変動によるものかもしれない、という点です。・・・でも大丈夫です。いつの時代も人が死亡するのは圧倒的に冬が多く、4月から6月にかけては大幅に減少していく季節なのです。本来は、人々が生命力を取り戻すはずの時期だということです。

以上の考察から、「冒頭に掲げたグラフは、ワクチン接種が原因で死者数が増えたことを示す」と言える可能性は非常に高いのですが、ただし、これを認めない人たちもいます。彼らの主張は、日本人は毎日3,800人くらいが老衰や病気で死亡しており、誤差範囲だということです。このような主張を統計学で打破するのはなかなか難しく、水掛け論に終わりそうです。

諸々合わせて、「これらのグラフだけで因果関係を証明したことにはならない」、というのが冷静な結論となります。超過死亡の問題(当ホームページ2023年3月20日付記事参照※2)も同じですが、統計データだけにあまり拘らないほうがよいでしょう。
(※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4054#4055 の第2弾 )
(※2:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ0 の(2) )

やはり必要なのは、繰り返し述べてきた「トゲトゲ蛋白の免疫組織染色」(当ホームページQ15(3)参照※3)による直接証明です。全国の医師が自由に検査委託できるような体制の確立が望まれます。
(※3:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ15 の(3) )

【参考文献】
1) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou_youshikietc.html
2) https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/more-detail/qa_05_a04.html
3) Coronavirus (COVID-19) vaccinations. Our World in Data, Apr 19, 2023.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4172 )
日時: 2023年05月08日 08:31
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2023.5.8)
Q コロナ後遺症は本当にあるのか?

 新型コロナウイルスに感染したあと後遺症で悩まされている人が多い、とのニュースが続きました。いまさら、なぜ不安を煽るような報道がなされたのか? 「だから、これからもワクチンを打って予防しなさい」とでも言いたかったのでしょうか?

後遺症に関する学術調査が、ノルウェーを中心にした欧州5ヵ国の共同で行われ、結果が発表されました(文献1)。信頼性が高いと判断し、概要をまとめてみました。

対象は、PCR陽性で、発熱などの症状が認められ、かつ入院するほどではなかったという12~25歳の人たちです。まず15万人を超える人たちを調べ、何らかの理由で同意が得られなかったり、予定した検査ができなかった人たちを除外し、最終的に382人について詳細な分析が行われました。比べた対象は、同じ基準で選ばれた非感染者85人です。

追跡は、発症後6ヶ月間にわたって行われ、その前後、血液検査を中心に78項目に及ぶデータが集められました。検査の内容は、病院であまり行われない専門的なものが多く、当ホームページで紹介したインターフェロン、インターロイキン、活性化T細胞なども含まれています。

さまざまウイルスの抗体価も当然、測定されました。体の不調が、新型コロナ以外の感染によるものだったかもしれないからです。さらに脳の細胞にダメージがあったかどうかを調べる分析も行われました。

また全員に対し、病歴、家族の病気、服用中の薬、喫煙の有無、運動習慣、親の職業(収入)、新型コロナに何回感染したかなどのアンケート調査も行われました。

その上で、「疲れやすいか」、「運動後の不調」、「睡眠障害」、「痛み」、「不安感」、「うつ気分」などの訴えについて、国際規格の手順書に従った聴取が行われ、点数化されました。

結論は明快でした。6ヵ月後、これらのデータをすべて組み込んで統計分析を行ったところ、新型コロナに感染した人たちと、感染しなかった人たちの間で、症状に差はなかったのです。

いったい、どういうことだったのでしょうか? コロナに感染した人は、6ヵ月後、確かに約半数の人が何らかの体調不良を訴えていました。しかし、その割合は感染しなかった人でも同じだったのです。つまり、それまでに抱えていた喘息やアレルギー、胃腸、内分泌、脳神経、生殖器などの疾患、あるいは、うつ病など心の病の影響が主な原因であり、「コロナ感染のせいではない」という分析結果だったのです。

特記すべきは、免疫機能などを測る専門的な検査の数値が、本人が申告した自覚症状と、まったく関係していなかったことです。

自覚症状の原因を辿るのも簡単ではありません。たとえば、息切れや記憶力の衰えが、コロナの後遺症だとして語られています。しかし誰でも、年齢とともに、このような症状を感ずるようになるのは自然なことです。とくに疲労感は、問われれば誰にも覚えがある症状です。その昔、小学生の悩み事についての調査が行われ、圧倒的に多かった答えが「最近、疲れる」だった、という話もありました。

統計分析は、非常に厳密な条件のもとに行われ、ほかに類をみないほどなのですが、2022年にフランスで3万人近くを対象にして行われた調査(文献2)とも、結論が一致していますので、信頼性はいっそう高いと判断されるのです。
(イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/sequela.jpg )

この調査が示してくれた、もうひとつの大切なことは、コロナ禍のストレスが万人の心を蝕んでいたことに加え、「運動不足」と「孤独感」が(感染の有無と関係なく)体調不良をもたらす最大の因子になっている、との指摘でした。

【参考文献】
1) Selvakumar J, et al., Prevalence and characteristics associated with post-COVID-19 conditon among nonhospitatlized adolescents and young adults. JAMA Netw Open, Mar 30, 2023.
2) Matta J, et al., Association of self-reported COVID-19 infection and SARS-CoV-2 serology test results with persistent physical symptoms among French adults during the COVID-19 pandemic. JAMA Intern Med, Jan 1, 2022.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4183 )
日時: 2023年05月15日 10:16
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2023.5.15)
Q mRNAワクチンにDNAが混入していた?

 ファイザー社やモデルナ社の新型コロナmRNAワクチンに、あってはならないスパイク蛋白(トゲトゲ蛋白)の関連DNAが混入している、とのウワサが広がっています。ウワサは本当なのか、もしそうだとすれば何が問題なのか考えてみます。

ことの発端は、米国の研究者が2023年初頭にネット上で公開した論文でした(文献1)。学術誌などに掲載された論文ではありませんが、文章の記述や実験方法は正当なものと判断されますので、以下、まず概要についてご紹介します。

分析したサンプルは、ファイザー社とモデルナ社の期限切れのワクチン数本でした。期限が切れても、DNAの有無を調べるだけの分析に影響を与えることはありません。2つの異なる方法でDNAの有無を分析したところ、最大でmRNAの1/3にも及ぶ量が見つかりました。おまけに、その中には、がん促進遺伝子(SV40と呼ばれている)の一部が含まれていたというのです。

この話は、私にとって想定内でした。なぜかを考える前に、mRNAの作り方を復習しておきましょう。

ワクチンの主成分であるmRNAは、4284個の遺伝コードから成っていますが(文献2)、あまりにサイズが大きく、試験管内で合成することができません。その点、DNAのほうは大きくても人工合成が可能であり、これをまず大腸菌などに移植し、細胞の力を借りて増やします。

大腸菌には、本来の遺伝子(ゲノム)のほかに、プラスミドと呼ばれるリング状のDNAがあります。そこに、スパイク蛋白のDNAを組み込んでおけば、細胞分裂とともにプラスミドの複製がどんどんできていくのです。

最後に、「転写酵素」と呼ばれる特殊な酵素を利用すれば、DNAのコピー、つまりmRNAを造ることができる、というわけです。ここまでの流れを以下の動画(GIF動画⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/plasmid.gif )にまとめました。



mRNAワクチンの量産法‼


問題は、この処理を行っていくと、出来そこないのmRNAや、さまざまな酵素、薬品、さらに雑菌などが混ざりあったまま残ることです。当然、コピー元となったスパイク蛋白のDNAや、組み込みに必要なプラスミドのDNA(ベクターと呼ばれる)も残ってしまいます

新型コロナワクチンの商用化に成功したことで知られるペンシルバニア大学の研究者は、「高速液体クロマトグラフィ」と呼ばれる操作を徹底して行うことで、これら不純物を除去できると報告しています(文献3)。私自身も、この方法をさまざまな研究目的で使ってきましたが、大変な手間と時間がかかり、しかも1回でごくわずかな量しか精製することができませんでした。

ファイザー社やモデルナ社は、信じがたいほど大量のワクチンを、驚くほど短い時間で製造・販売してきました。この複雑な操作を、どんな装置を用い、どのような手順で行ってきたのかわかりませんが、「製品化されたワクチンに大量の不純物が残っていた」という話は、十分に予想されることだったのです。

ではDNAが混じっていると、何が問題なのでしょうか?

それは、DNAの断片がヒトの細胞内に入り込むと、ごくまれに(細胞1,000個に1個くらいの割合で)ヒトのDNAに組み込まれてしまうからです。そのDNA断片の一部が、たまたまがん促進遺伝子に似ていたとすれば、将来の発がんを心配しなければならないことになります。

DNA断片に限らず、ワクチンの主成分であるmRNAも、ヒトのDNAに組み込まれる可能性が指摘されていましたので(当ホームページQ11(4)参照)、新型コロナワクチンに、また新たなリスクがひとつ加わったことになります。
(※:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ11 の(4)参照)
(※:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2944#2945 )

【参考文献】
1) McKerman K, et al., Sequencing of bivalent Moderna and Pfizer mRNA vaccines reveals nanogram to microgram quantities of expression vectors dsDNA per dose. personal correspondence, 2023.
2) Kandimalla R, et al., Counting on COVID-19 vaccine: insights into the current strategies, progress and future challenges. Biomedicines, Nov 22, 2021.
3) Weissman, et al., HPLC purification of in vitro transcribed long RNA. Methods Mol Biol 969: 43-54, 2013.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4190 )
日時: 2023年05月22日 09:39
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2023.5.22)
Q ワクチンの副作用を統計データで証明できるか?

 新型コロナワクチンの危険性に懸念をいだく研究者や医師は、決して少なくありません。そのような立場の人たちが期待を寄せているのは、接種後の副作用や死亡など、公表されている統計データ(数値)を分析すれば、危険性を証明できるのではないかということです。

たとえば、2023年5月1日付の当ホームページで紹介した「厚生労働省発表の死亡例※1」や、同じく3月20日付の記事で述べた「超過死亡※2」がそうです。しかし、統計データの分析だけでワクチンの危険性を証明するのが難しいことも、繰り返し述べてきたとおりです。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4054#4156 )
(※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4037#4053 )

次のグラフ(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/carditis2.jpg )は、当ホームページQ14(4)の記事※3で紹介したイスラエルのデータです(文献1)。2回目のワクチン接種後、数日して心筋症が急増していた事実を、統計データがあきらかに示しています。ワクチンの副作用を証明する数値として、唯一、信頼できるものと私は考えています。
(※3:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ14 の(4)参照)

信頼できる理由は、以下のとおりです。

イスラエルには日本の制度に似た「国民皆保険」の仕組みがあり、国民はいくつかある保険組合のどれかに加入することになっています。この調査に使われたのは、そのうち全国民の55パーセントが加入する組合のデータ(440万人分)で、病歴やワクチン接種歴などの詳細が記録されています。

分析に使われたデータには、次に示す5つの条件を満たすという特徴がありました。

 条件1 同じ人たちを時間を追って比べている
 条件2 調査が非常に短い期間で行われている
 条件3 対象の病気は季節などに左右されず、かつ頻度が少ない
 条件4 対象の病気は同じ人で何回か起こりうる
 条件5 死亡例ではない

これらの条件が何を意味するかは、当ホームページで欠陥を指摘してきた「後ろ向き調査」と比べてみると明らかです。後ろ向き調査は、条件1と2がまったく異なっていて、

 条件1→ 無関係で背景もばらばらな人たちのデータを比べている
 条件2→ 期間が短い調査もあるが、昔と比べたものもある

ということです。つまり後ろ向き調査では、たとえ2つのグループの間に違いが認められたとしても、その差をもたらす背景要因が無数にありうるため、原因を断定できません。

一方、「5つの条件」をすべて満たす方法は「自己対象シリーズ分析」と呼ばれ、自分の身に起こったことを、たとえばワクチン接種の前と後で比べるというアイデアです。比べる対象が自分たち自身ですから、(短い期間であれば)背景要因に違いはないはずです(文献2,3)。

難しいのは、死亡例の扱いです。亡くなってしまうと、「条件5」を満たしません。つまり、当人がいなくなれば、ワクチン接種の前と後で、差が認められるかどうかを検証できなくってしまうからです。

ただし、ワクチン接種後の死亡例について、この方法を改良して使ってみた、という報告がいくつかあります。しかし、その結論は、有意な増加が認められなかったというものでした(文献4,5)。やはり統計データだけでワクチンの副作用を証明するのは、容易なことではありません。

厚労省が公表した「接種後死亡」の数値をなんとか活かしたい、とはワクチンに懸念を抱く多くの研究者の願いです。この統計データから、もし自己対象シリーズ分析を行うことができれば、ワクチン接種によって死亡例が増加していることを統計学的に証明できるかもしれません。

そのためには、ワクチン接種した人たち(できれば全員)の「接種直後」の死亡数を、「接種前」または「接種の数週間後」のそれと比べてみる必要があります。そのようなデータを入手できる方は、ぜひご一報ください。

【話 題】
 最近の新聞報道によると、「ワクチン被害者遺族の会(繋ぐ会)の3人が、NHKの報道番組にビデオ出演した際、ワクチン接種後に家族が亡くなったことについての発言を、あたかもコロナ感染によるものであったかのように構成。遺族からの抗議を受けて、NHKは謝罪した」という出来事がありました。世間の多く、とくに中高年層の人たちは、NHK報道を金科玉条のごとく考えています。接種を中止させるため、そしてワクチン被害を風化させないためには、まずNHKが理解を深め、真実を報道することが必須条件となるでしょう。

【参考文献】
1) Witberg G, et al., Myocarditis after Covid-19 vaccination in a large health care organization. N Engl J Med, Oct 6, 2021.
2) Petersen I, et al., Self controlled case series methods: an alternative to standard epidemiological study designs. BMJ 354: i4515, 2016,
3) Ghebremichael-Weldeselassie Y, et al., A modified self-controlled case series method for event-dependent exposures and high event-related mortality, with application to COVID-19 vaccine safety. Stat Med 41: 1735-1750, 2022.
4) Jabagi MJ, et al., Myocardial infarction, stroke, and pulmonary embolism after BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine in people aged 75 years or older, JAMA, Jan 4, 2022.
5) Nafilyan V, et al., Risk of death following COVID-19 vaccination or positive SARS-CoV-2 test in young people in England. Nat Commun, Mar 27. 2023.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4195 )
日時: 2023年05月29日 08:30
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

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(2023.5.29)
Q ポスト・コロナで気をつけたいのは大気汚染?

 ポスト・コロナのときを迎え、人々の気持ちがすっかり緩んでしまっているようです。そのせいか、ウイルス性の風邪と胃腸炎が大流行しているのをご存知でしょうか?

さて気持ちの緩みで心配なのは、感染症ではなく「大気汚染」のほうです。かつてPM2.5という言葉が流行しましたが、コロナ禍のせいで、すっかり忘れ去られた感があります。これは大気汚染の程度を表わす指標のひとつで、空中に浮遊する微粒子のうち直径が2.5マイクロメートル以下のものを指しています(毛髪の直径が50~100マイクロメートル)。PM2.5の濃度は、マイクログラム/立方メートルという単位で表します(以下、単位と略称)。

米国東海岸にある大学の研究者たちが、このPM2.5と死亡率との関係を大規模に調べ、結果を発表しました(文献1)。対象は、米国の公的医療保険制度に加入している65歳以上の男女、約7千万人です。

まず全米を地図上で1キロ平方メートルずつに区切り、各地域で刻々と発表されているPM2.5値から、その年間平均を求めました。次に、各健康保険加入者を、居住地域の郵便番号をもとに、地図上に描いた区画とひもづけし、死亡率との関係を16年間にわたり調べたという研究でした。

結果は、「16年間で全米のPM2.5が12から6単位へと半減していた」ことと、それによって「住民の死亡率が7パーセント減少していた」という事実でした。もちろん、年齢や性別、収入、環境など14項目におよぶ背景因子を調べ、それらの影響を取り除く統計処理が行われていましたので、因果関係は正しく証明されたものと判断されます。

実は、大気汚染と死亡率の関係については、以前から膨大な調査・研究が行われていて、以下のようなことがわかっていました(文献2など)。

 ・ PM2.5が10単位、高まると肺がんが8パーセント増える
 ・ 建物の外で働く人は、中で働く人より肺がんが多い
 ・ PM2.5より粒の大きいPM10.0も肺がんの原因になっている
 ・ すべてのがんの3パーセントは大気汚染が原因
 ・ 幹線道路の近くに住む人や、車を長時間運転する人にがんが多い
 ・ 大気中の一酸化炭素、鉛、二酸化窒素、オゾン、二酸化イオウ、煤(すす)なども有害

では、日本の現状はどうなのでしょうか?

各地域の詳細な測定値が公開されており、各自治体のホームページで見ることができます。たとえば東京都の場合、リアルタイム時報 (tokyo.lg.jp)に測定値が刻々と表示されています。全国には、PM2.5が16単位を超える地域がかなりあり、中には51単位を超えているところもあります。

次の写真(画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/filter.jpg )は、人口密集地のマンションに設置されている「空気取り入れ口のフィルタ」(当ホームページの2023年4月10日付記事※1参照)です。左は使用前、右はフィルタを装着して2ヵ月後の写真です。PM2.5は目で見えないものですから、フィルタに付着して見えるのは主に、排気ガス中のスス、解体工事による粉塵、車のタイヤとアスファルトの摩擦によって舞い上がるホコリです。とくにススは、強力な発がん物質として知られています。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4054#4106 )
  
感染症予防の目的でマスクを着けるかどうかは個人の判断、であることが強調されています。しかし、交通量の多いところに出かける際、私は昔から大気汚染対策としてマスクをしていましたし、これから続けるつもりです。

【話 題】
 当ホームページ宛に届いた話題から。こんなツイッター投稿があったので読んでみてください、とのお便りでした。内容は、「ワクチン接種後に身内が亡くなり、接種した医療機関に情報を伝えようと電話をしたところ、『わかりました。では2回目の接種はキャンセルしておきますね!』と言われた」というものです。うそニュースのような気もしますが、もし本当だったのならブラック・ユーモアで済まされない話です。

【参考文献】
1) Josey KP, et al., Air pollution and mortality at the intersection of race and social class. N Engl J Med, Mar 24, 2023.
2) Kim H-B, et al., Long-term exposure to air pollutants and cancer mortality: a meta-analysis of cohort studies. Int J Environ Res Public Health, Nov 21, 2018.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4199 )
日時: 2023年06月05日 11:38
名前: はっちん [ 返信 ]
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岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)

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(2023.6.5)
Q 因果関係を証明するには、どうすればよいのか?

 「年齢や性別、病歴、生活習慣など多くの背景因子を調べ、それらの影響を取り除く統計処理を行っていたので、因果関係は正しく示されたと判断される」との表現を、当ホームページでは繰り返し用いてきました。影響を取り除くとは、どういう意味なのか、考えてみることにします。

次の図(グラフ①⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/coreration.jpg )は、2つの出来事xとyの関係を4通りの場合に分けてグラフにしたものです。

一目瞭然ですが、(4)のグラフは説明が必要かもしれません。横軸(x)の値が何であっても、縦軸(y)の値がほぼ同じですから、両者はほぼ無関係なのです。では、(2)や(3)のようなグラフを見たとき、両者に原因と結果の関係、つまり因果関係があると言えるでしょうか?

次のグラフ(グラフ②⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/BMIvsBP.jpg )は、健康な10人で調べた肥満度と血圧との関係を示したものです。倫理審査委員会の承諾を得て、私が集めた実際のデータの一部です。想像通り、太っている人ほど血圧も高いことを示しているように見えます。

肥満度と血圧の間には、いろいろな背景因子が絡んでいるはずです。まず思いつくのは「年齢」です。誰でも、年をとれば体重が増え、血圧も上がっていきそうな気がします。そこで、まず血圧が年齢と関係しているかどうかを知らべるため、このデータをもとに、肥満度(横軸)を年齢に置き換えたグラフを作成(グラフ③⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/BPvsAge.jpg )し、眺めてみます。

次に、血圧の値から年齢のせいで変動する分を引き算をする、という処理を行います。具体的な計算をしてみましょう。たとえばグラフの右端から3つ目の点で表示されている人は、「年齢が60歳で血圧が138mmHg」です。この人は、直線の式から、

 年齢から予測される血圧 = 0.98 × 60(歳) + 72.5 ≒ 131(mmHg)

と計算されます。実際の血圧は138mmHgでしたから、その差7mmHgは、年のせいではなく、何かほかの因子、たとえば肥満や運動不足など生活習慣上の問題、あるいは動脈硬化症などの病気によるものかもしれません。つまり、高血圧の原因を考える上で対象となる因子を、ひとつ絞ることができたのです。

次のアニメ(GIF動画⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/multivariate.gif )は、一連のややこしい操作をわかりやすく図解したものです。


 
 (元ファイルhttps://okada-masahiko.sakura.ne.jp/multivariate.gif を変換)

  
さて、同じ処理を肥満度についても行い、「年齢の影響を取り除いた肥満度」と「年齢の影響を取り除いた血圧」の関係を、改めてグラフにしてみました。その結果は以下(グラフ④⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/adjusted.jpg )のようになり、意外なことに肥満と血圧はほとんど関係がなかったのです。最初に示したグラフだけで判断していたら、間違いを犯していたことになります。

人間は、体の仕組みも社会での行動も複雑ですから、実際にはもっと多くの背景因子が絡んでいます。そのため引き算の操作は、高度な数学的技法を要し、「多変量調整」と呼ばれています。研究データの信頼性を見分けるポイントのひとつは、背景因子がたくさん収集され、多変量調整がなされているかどうかです。

ちなみに『コロナワクチンの有効率は95パーセント』と発表した、あのファイザー社論文(当ホームページのQ10参照※1)には、背景因子の処理に関する記載がいっさいありませんでした。
(※1:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ10 )

【参考文献】
1) 岡田正彦, 医学・生物学のためのデータ解析入門―統計学からわかる現代医療の問題点―, コロナ社, 2004.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4201 )
日時: 2023年06月12日 10:30
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2023.6.12)
Q コロナ後遺症を巡る議論とは?

 「コロナの後遺症は存在しない!!」との情報を、2023年5月8日付の当ホームページ※1で紹介しました。感染した人と感染しなかった人を対象に、78項目もの専門的検査を実施し、統計処理を駆使して比べたところ、症状の有無に差がなかったという研究データに基づいたものでした。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4054#4172 )

その一方、コロナ後遺症についての記事が、今なお欧米の医学専門誌に相次いで掲載されています。たとえば、2023年5月30日に発行された専門誌には、コロナ後遺症を訴える、女性(53歳)の詳細な経過が載っていました(文献1)。ある日、37.9℃の発熱と咽の痛み、頭痛などがありましたが、翌日には症状も回復。数日後のPCR検査で陽性と判明した、という人です。

しばらくして迎えた朝、瞼が重く、開けていられないことに気づきました。その後、いろいろな異変が立て続けに起こります。ジムに通っていたことから体力には自信があったそうですが、突然、歩けなくなり、同時に激しい頭痛に襲われたのです。すぐに病院を受診し、抗生物質を処方してもらったことから、症状はほぼ消失しました。気分も上々で、延期していた簡単な手術を受け、職場にも復帰しました。

ところが、しばらくすると体調が再び悪化。手足のしびれ、全身の痛み、頭のもやもやなどが急速に出てきました。直ちに脳神経の専門病院を受診し、ありとあらゆる検査をしてもらいましたが、すべて異常なしでした。結果に安心すると、症状も劇的に改善し、数日間を平穏に過ごすことができました。

早速、仕事に再復帰したところ、またまた体調が悪化し、通い慣れたはずのジムにも、仕事にも行けなくなってしまった・・・。ジェットコースターのような体調の激変を訴えてきたこの人は、実は、クリニックに勤務する医師でした。

「後遺症ではないか」と心配する患者を専門的に診療してきた医師たちは、専門誌のインタビューに以下のようなコメントをしています(文献1, 2)。

 ・多彩な症状が何の脈略もなく、突然、出現したり消えたりする
 ・訴えている症状が平均して18種類と多く、中には50の症状を訴えた人もいる
 ・息切れ、疲れやすい、筋肉痛、しびれ、動悸、血糖値異常などが代表的
 ・コロナ後遺症に対しては、信頼できる検査も、治療も存在しない
 ・対策の見当がつかず、お手上げ状態だ

 (イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/sequelae.jpg )

コロナ後遺症には、定義らしきものもいくつか提案されていて、たとえば米国疾病予防管理センター(CDC)は、「コロナに感染したあと4ヵ月以上に渡って多様で新たな症状を認める場合」とし、世界保健機関(WHO)は、「感染後、3ヵ月以上にわたって新たな症状を認める場合」としています(文献3)。

WHOが制定する「国際疾病分類」というコード表があり、病気の統計や研究に広く使われています。その表に、コロナ後遺症が「U09.9」というコード名で加えられることも決まりました。しかし、だからといって、検査法も診断基準もなく、治療法も存在しないため、患者にとっても、診療に当たる医師にとっても、役立つことは何もなさそうです。

さて、これらの最新情報に接した感想はいかがでしょうか? 冒頭に述べたように「コロナ後遺症という名の身体的かつ固有の病気は存在しない」との判断が、やはり科学的に妥当ではないかと考えますが、ご意見や経験談をぜひ、お寄せください。

【参考文献】
1) Landhuis E W-Y, et al., How primary care physicians can recognize and treat long COVID. JAMA, May 23/30, 2023.
2) Dorfman D, et al., Approving workplace accomodations for patients with long COVID - advise for clinicians. N Engl J Med, Jun 8, 2023.
3) Nikolich JZ, et al., Toward comprehensive care for long Covid. N Engl J Med, Jun 8, 2023.

   
   
Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4203 )
日時: 2023年06月19日 14:24
名前: はっちん [ 返信 ]
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(2023.6.19)
Q ワクチン接種のもう1つのリスクとは?

 ワクチン接種を繰り返し受けると、それまでと少しだけ形の異なる微生物(オミクロン株など)が体内に侵入した際、「敗者は抹殺せよ」という理論に従って免疫機能がまったく働かなくなってしまいます。このことは、2023年1月9日付の当ホームページ※1で詳しく報告しました。今週は、この事実に加え、ワクチン接種を繰り返すと、さらに困ったことになる、という新たな発見を紹介します。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3801#3871 )

コロナワクチンを接種すると、トゲトゲ蛋白(スパイク蛋白)に対する「抗体」なるものが体内できることは、広く知られています。その抗体にはいくつか種類があり、ワクチン接種によってできるのはIgGと呼ばれるものになっています。花粉症でできる抗体(IgM)などと性質が異なっています。

ここまでは広く知られているところですが、実はこのIgGには、さらに4つの種類があり、それぞれIgG1、IgG2、IgG3、IgG4という名前がつけられています。このうち、IgG1は、イメージ通りの働き、つまり体内に侵入した異物を抑え込む働きをすることがわかっています(文献1)。

一方、IgG4のほうは、感染したあと数ヵ月してから血液中に現れ、他の抗体の働きを抑え込むように機能します。正確なメカニズムはわかっていないのですが、体内で炎症がだらだら続くのも困りますから、「過去の出来事はもう忘れよう」とばかり、反応を止めさせる仕組みのようなのです(IgG2とIgG3の関与はまだよくわかっていません)。

2023年2月6日付の当ホームページ※2では、コロナワクチンを5回以上接種すると免疫反応にブレーキがかかり、抗体などが作られなくなってしまう、という動物実験の結果も紹介しました。そのデータは、IgG1だけを測ったものでした(文献2)。
(※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page3801#3945 )
  
今週の話題は、ワクチン接種後にIgG1~IgG4のすべてを測ったという新たな研究発表についてです(文献3)。次の2つのグラフはその結果です。1つ目(の画像①⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/igg4_1.jpg )は、3回の接種をしたあと、各抗体の値が2回接種後に比べてどれくらい増加したかを割合で示したものです。どちらも、接種後の10日目に血液を調べています。

2つ目の次のグラフ(画像②⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/igg4_2.jpg )は「2回目接種の10日後」、「2回目接種の210日後」、「3回目接種の10日後」、「3回目接種の180日後」に測定したIgG4の値を、それぞれ「IgGの総量に対する割合」に換算して、表示したものです。

このグラフから、コロナワクチンを3回接種すると、時間を追ってIgG4が増加していき、半年後にピークとなることがわかります。つまり接種を繰り返し行うと、肝心のIgG1が抑え込まれ、むしろ感染しやすくなってしまうということなのです。

次のアニメ(GIF動画⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/igg4_anime.gif )は、そのメカニズムをわかりやく描いたものです。



↑IgG4のほうは、感染したあと数ヵ月してから血液中に現れ、他の抗体の働きを抑え込むように機能します。

  
IgG4は、以前から自己免疫病や発がんの原因になっている、とも言われていました。そうだとすれば、コロナワクチンが中・長期的な副作用を起こす仕組みについても、いっそう理解が進むことになります。

【参考文献】
1) Uversky VN, et al., IgG4 antibodies induced by repeated vaccination may generate immune tolerance to the SARS-CoV-2 spike protein. Vaccines, May 17, 2023.
2) Gao F-X, et al., Extended SARS-CoV-2 RBD booster vaccination induces humoral and cellular immune tolerance in mice. iScience, Dec 22, 2022.
3) Irrgang P, et al., Class switch towards non-inflammatory, spike-specific IgG4 antibodies after repeated SARS-CoV-2 mRNA vaccination. Sci Immunol, Dec 22, 2022.



Re: あやまちを繰り返さないために ー 新型コロナのエビデンスより ー(3) ( No.4205 )
日時: 2023年06月26日 09:20
名前: はっちん [ 返信 ]
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新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/

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(2023.6.26)
Q 討論: コロナ後遺症は存在するのか?

 6月12日付の当ホームページ※1で「コロナ後遺症を巡る議論」について報告した折、ご意見や体験談を募りました。届いたお便りは、「やはり病は気から、ではないか」というものと、「身内が感染後、1年もの間、さまざまな症状に悩まされ、仕事も休みがちだった。これこそ後遺症では?」という、2つの立場にわかれていました。
(※1:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4054#4201 )

このような疑問は世界的に広がっており、米国ではRECOVER(回復という意味)と名づけられた大規模な実態調査が進行中です。その第1報が発表されましたので、概要をご紹介します(文献1と2)。

データは、政府機関の肝入りで始まったプロジェクトのもと、アンケート調査で集められたものです。対象は全米の34~60歳の男女で、新型コロナに感染した8646人と、感染していないと回答した1118人です。

データを集計したところ、まず両グループを通じて2.5パーセント以上の人たちに認められた症状が全部で37種類あったそうです。代表的な症状は、すでに本ホームページで紹介したものと同じで、「体を動かすと著しく疲れる」、「だるい」、「めまい」、「頭がもやもやする」、「胃腸の具合が悪い」などでした。統計分析の結果、これら37の症状はどれも、「感染しなかった人たち」に比べて、「感染した人たち」のほうで1.5倍以上も多く認められたとのことでした。

この調査の良い点は、感染しなかった人たちと比べていたことでした。この当たり前のことが、これまでの研究報告では、ほとんどなされていなかったからです。一方、この調査では気になる点も多々あります。

そのひとつは、アンケートの記述が自己申告だったことです。本来、調査の対象にすべきは、ある地域の丸ごと全員か、無作為に抽出した人たちであるべきですが、自己申告制では不公平な偏りが避けられません。2つ目の問題点は、「感染した人たち」のうち4分の1以上が、コロナ感染後30日以内に調査を受けていたことです。30日以内の症状は、後遺症と呼ばない、という約束だったはずです。

そのため2つのグループ間には、重大な偏りがいくつか生じていました。ひとつは、対象者が、SNS経由で自から登録した人や、コロナ後遺症の専門外来から紹介された人など、さまざまに混じり合っていて、グループ間でばらばらだったことです。また、すでに悪性腫瘍を患っている人や、肥満がある人の割合もあきらかに違っていました。

(イラスト⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/fukouhei.jpg )  

以上のことから、ここで紹介した研究論文は、最初から「後遺症ありき」だったのではないか、という疑惑が浮かんできます。

つまり、研究論文を掲載する専門誌は、「差がなかった」という地味な原稿より、「あきらかな差が・・・」としているもののほうが読者の関心をそそるため、優先的に採用しがちです。論文を投稿する研究者のほうも、そのほうが実績を自慢できるため、ついデータを操作してしまったという歴史が繰り返されてきました。さらに言えば、病気が増えれば増えるほど製薬企業は儲かりますから、研究費の助成を大盤振る舞いしてしまうという背景も理解しておく必要があります。

この論文発表は、「コロナ後遺症を巡る議論」と題した当ホームページの先回の報告を真っ向から否定する形になったわけですが、真否に決着をつけるとすれば、科学的検証の確からしさから、「コロナ後遺症という名の身体的かつ固有の病気は存在しない」とした結論のほうに、現時点では軍配をあげざるをえません。

どちらの研究発表でもコメントされていたのは、コロナ後遺症だとする一連の症状に酷似しているのが、慢性疲労症候群(筋痛性脳脊髄炎ともいう)だという点です。すでに1980年代から存在が知られているもので、多くの研究がなされ、脳神経に特徴的な変化が認められるとするデータもあります(文献3)。

この慢性疲労症候群は、原因不明で治療法もなく、捉えどころのない存在なのですが、診断されている人は非常に多く、日米での統計によれば、全人口の0.2~0.4パーセントにも達するとされています。年齢では40歳台に、性別では女性に多くなっています。

つまりコロナ後遺症の学術調査をいくら行っても、40年も前から存在が指摘されていた慢性疲労症候群との区別をつけられないため、分析の仕方によって結論がばらばらになってしまうのです。

学術研究の成果と称するデータが発表されたとき、陰で得をするのは誰なのかも考える必要があるでしょう。

【参考文献】
1) Thaweethai T, et al., Development of a definition of postacute sequelae of SARS-CoV-2 infection. JAMA, May 25, 2023.
2) Gross R, et al., Disentangling the postacute sequelae of SARS-CoV-2, E Unibus Pluram (fron one, many). JAMA, Jun 13, 2023.
3) 倉恒弘彦, 慢性疲労症候群(CFS)と機能性身体症候群(FSS). 日本生物学的精神医学会誌, 24: 222-227, 2013.

   
   
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