投稿者:小心者
主要構造部の鉄筋の露出(かぶり厚さ極薄⇒鉄筋腐食⇒膨張破壊)箇所および貫通クラック(⇒雨水浸入⇒鉄筋腐食⇒膨張破壊)が多数見られる。
ヘアークラックは経年劣化によるところも否めないが、鉄筋のかぶり厚さ不足(出鱈目な配筋)と貫通クラック(構造クラック)の発生因子※とは20年前の 竣工時点に於いて既に存在していた ものである。(化粧材で隠されていたので見えなかっただけである。)
自社販売の不完全建物(瑕疵、不法行為)を大規模修繕という名のもとに区分所有者の金を使って修繕しようというのだから、まさに味噌も糞も一緒くたとはこのことである。
基準通りの適正なかぶり厚さが保持されている躯体なら20年(否50年)経っても鉄筋露出など絶対に起こらない!
南海トラフ巨大地震(当地で震度6弱~6強を一度(&同等規模の余震数回))をくらっても、再び住む(補修後、安全に住む)ことが本当に可能なのか!?
このような躯体のありさまで、再興出来るとは到底思えない。<と考えるのは小心者だけ??>
【参考】
外壁などからコンクリートが剥がれ落ちる原因の大半が施工不良によるかぶり厚さ不足である。
コンクリートの中性化は、以前から白山式、岸谷式などが提唱されているが、これらの式では、中性化深さは、時間のルートにある係数をかけた形で表されている。
例えば、
X= K・√t
ここでXは中性化深さ、tは時間である。
係数Kは、水セメント比、セメントの種類などにより決まる係数である。
書き直すと
t=A・X^2
係数Aは係数Kが変換されたものである。
一般的には、岸谷式の水セメント比(w/c)=0.6 普通ポルトランドセメント使用の場合の次式が良く使われる。
t=7.2・X^2
tは年数、Xはcmである。
上式で計算すると、50年経過後の中性化深さは 2.6cm~2.7cm である。(例えば、柱の外部で基準かぶり厚さ4cm以上が確保されている躯体なら、50年後でもコンクリートの中性化深さが鉄筋にまで到達することは無いのである。)
しかし、中性化の進行スピードは 劣悪な施工※(施工性優先での水比の高いコンクリートの使用、突貫工事での型枠早期脱型による初期養生不足など)や環境により急激に加速する。左記のような場合1mm/年のスピードで中性化してしまう こともある。
*ここで見つかっている柱(外部)の帯筋までのかぶり厚さは実測値で5mm程度である。かぶり厚さ40mm以上という基準値に対して、僅か5mmしかないのである。これは、竣工後5年目頃から鉄筋の腐食が始まっていたことを示すものであり、かぶり厚さ35mmの不足は当該鉄筋コンクリート構造物の耐用年数が35年も短くなることを示している。