投稿画像
投稿者:仲井
なるほど、それは二重に大変な時間を過ごされましたね。誤診でしたか。やはり医療においては、セカンドオピニオンは重要ということですかね。(ちょっぴり残念な話ですが、医師も人間だと言うことなのでしょうが、しかし誤診はやはり許されませんね。) 実は私自身もかつて陥入爪という足の爪の病気治療で、誤った治療のために酷い思いをしたことがあります。三十代の頃、私はブクブクに太っていまして、全体的にお肉がついていました。加えて爪の形が湾曲していて、両足の親指の爪が伸びてくると、靴をはくと体重で圧迫され、爪が肉に食い込んでいき、赤く腫れ上がり、ひどくなると膿んできて、もう痛くて痛くて歩けなくなることに悩まされていました。 実は私の場合は先に大きな病院の形成外科で、これを治すには入院して爪が生えてこない手術が必要だという診断を受けていました。2週間は入院しなければならないと言われました。当時、会社を変わったばかりでそのようなことは出来ないことだったので、もうひとつの地域の中規模外科病院で簡易治療をしてもらい、お茶を濁していました。それは伸びて食い込んだ爪を切り、腫れを癒やす治療でした。爪を切った時は楽になるのですが、伸びればまた腫れ上がってくる。また爪を切りお茶を濁す。その繰り返しでした。ただお茶を濁すと言っても食い込んだ爪を切るには麻酔注射を腫れた足の指にしますから、これはとても痛いんです。 先の総合病院の診断も頭にあったので担当医師(その病院の院長先生)にこの繰り返しのことをたずねたら、これしか方法がないから仕方がないと言われました。そうこうしているうちに体重が少し落ち、また転職して靴から工場仕様の、少しゆったりした安全靴を履く生活になり、この陥入爪治療と縁が一時的に切れました。 転職した会社での中国工場勤務で、ストレスからまた体重が増え、加えて糖尿病も発症したため、思い切って先に診断を受けた総合病院で入院治療を受けました。糖尿病の治療と言っても、どちらかと言うと検査入院と生活指導が中心でしたから、生活習慣病を如何に克服するかを指導されました。その中でこの陥入爪が糖尿病患者にとっては大変危険なものであることを知らされました。糖尿病は身体の末端神経や細い血管を駄目にしていくものですから、普通の人より小さな外傷でも治りが悪く、血糖値が高いと手術することもできません。陥入爪により腫れ上がり膿んできた場合、下手をすると壊疽になりかねないことになります。 入院中に壊疽で足を切断した患者さんも目にしましたから、私はこの入院を期にして両足の陥入爪手術をすることを決めました。この手術は、両足親指の湾曲する外側の爪が生えてくる組織を切開して除去してしまうものでした。部分麻酔でしたから意識もある中で手術を受けましたが、術中に先生が、これは痛かったでしょうと言われたことが、今も忘れられませんね。会社をクビになっても生命には代えられないと思いました。 実は同じ時期に私の中学時代の友人がリンパ腫で亡くなったことも、この手術を後押ししました。その友人は働き過ぎで疲れやすくなり、加えて肩に脂肪の塊のようなものが出来たため、私と同じような地域医院に行きました。脂肪の固まりだから大丈夫ですよと言われたそうですが、しかし身体も段々と酷くなり、また固まりも少しずつ大きくなってきたため、県立の総合病院で診てもらったら、リンパ腫の固まりであることが分かりました。即入院し治療を受けたのですが、時すでに遅く、一年後に彼は亡くなりました。ガンがリンパを経由して身体中に回っていたそうです。 先に話した中国工場から一時帰国していた時に彼の死を知り、お宅にお悔やみに行った時に、彼の母親から涙ながらに事の顛末を聞かされ、特に身体が酷かったら我慢などせず、すぐ大きな病院で精密検査を受けるべきだと諭されました。優しげな顔をした彼の遺影を見ながら、本当にそうだと思わされたことも、先の糖尿病治療や陥入爪の外科手術に私を向かわせた大きな要因になったことは間違いありませんね。人のいい優しい彼の眼差しを忘れることはできません。 お陰様で私の陥入爪は、手術後は再発することもなく、三十年経った今でも腫れ上がることはありません。しかし大病院がベストとは言えないこともあります。私の睡眠時無呼吸症候群に関する治療に関しては、大病院で治療機器に関してちょっと誤りがあり、地域の権威的なお医者様により是正されたことがあります。要はその医師の技量や臨床経験が物を言うことを、私は三十年かけて学んだわけです。以来、私は、こと医療に関してはセカンドオピニオン、必要とあらばサードオピニオンも辞さないと思っています。 長くなりましたこと、申し訳ありません。
投稿記事
画像を拡大