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投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析  正しい情報を偏りなく 今週の新情報 (2023.5.1) Q 総括: 厚労省発表の死亡データは正しいのか? A 4月3日付で取り上げた話題『厚労省発表の死亡データは何を物語っているのか?』について、当ホームページあてに届いたご意見も踏まえ、総まとめをしておきます。その折、提示したグラフは次のようなものでした。厚労省発表の数値データから、私が作図(棒グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/death_interval.jpg )したものです。 まず考えなければならないのは、このデータを集める際に何らかの偏り(バイアス)が生じていなかったかです。重大なバイアスのひとつは、次のようなものです。つまり、接種後の時間が経つにつれ、たとえ医師が副作用によるものとの疑いを抱いたとしても、「因果関係を問われたときに説明ができない」と考え、報告をためらったのではないか、ということです。もし、そうなら、このグラフは実態をまったく表していないことになります。 そこで、医師が何を知らされ、どう行動してきたのかを考えてみます。厚生労働省のホームページには、次のように記載されていました(文献1)。「報告の対象となる症状の発生を知った、医師又は医療機関の開設者は、予防接種法第12条に基づき、報告しなければならない」。 この文章に出てくる法律を手繰っていくと、「疑われる症状として厚生労働省令で定めるものを呈していることを知ったとき・・・」という文章に行き当たります。 さらに、その省令なるものを探していったところ、厚労省のホームページに「4時間以内に発生したアナフィラキー、7日以内に発生した熱性けいれん、28日以内に発生した血栓症、心筋炎、心膜炎を疑ったとき」、と書かれていることが、やっとわかりました。この情報は、まず全国の医師に正しく伝わっていたでしょうか? 上のグラフで、「0日目」の死亡は、アナフィラキシーによるものであることが明らかで、診察した医師も報告せざるを得ない状況に置かれていたでしょうから、数値は実態に近いものと推測されます。 では、血栓症、心筋炎、心膜炎に基づく死亡はどうだったでしょうか? ファイザー社とモデルナ社の新型コロナワクチンでは、出血が止まらなくなるという副作用(脳出血など)が中心であり、血液が固まって起こる「血栓症」はほとんどありませんでした。血栓症は、アストラゼネカ社製ワクチンの副作用として広く報じられましたので、世間体を繕うために、この病名を加えただけではないでしょうか。本当は、もっと深刻な副作用がたくさんあったのですが・・・ 次に、副作用としての心筋症と心膜炎についてです。これが海外で話題になり始めたのは、2021年の夏以降でした(当ホームページQ12参照※1)。すでに集団接種が大々的に始まっていましたが、NHKテレビなどが「心筋炎はまれな出来事。接種後の死亡と接種を原因とする死亡はまったく意味が異なります。うそニュースに騙されないよう・・・」などと、無責任な報道を繰り返している時期でした(文献2)。 (※1:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ14 ) 一般市民はもちろん、未知の出来事に遭遇した医師たちさえ、知識不足から専門家としての矜持を失い、メディアに振り回されていました。「副作用」という発想が頭になく、そのため死亡例の報告も最初の数日間に限られ、その後はごく一部に留まっていたはずなのです。実際、当ホームページに寄せられた悩み事の多くが、「医師からワクチンとの関係を頭ごなしに否定された」というものでした。 当ホームページにあてに、「2021年1年間の月別の死亡者数をグラフにしてみた」とのお便りが届きました。それを元に、同じ年のワクチン接種者数をグラフにして(文献3の数値データから作図)、重ねてみたのが次の図(複合グラフ⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/sibousha_sesshusha.jpg )です。       ワクチン接種者数(赤色)は、死亡者数(青色)に比べて絶対数が桁違いに大きいため、圧縮してあります。両者の正しい値は、左右の目盛でそれぞれご確認ください。このグラフの解釈もなかなか難しいのですが、4月から6月にかけて死亡者が急増している様子が、ワクチン接種者数の増加と比例しているように見えます(点線内)。 この関係性には、前述のバイアスも影響を与えていないはずです。なぜなら、たとえ死亡数にバイアスが加わっていたとしても、月ごとの増減を変化率として見る際には、影響が帳消しになるからです(割り算で変化率を求める際、分母と分子のバイスアが消去される)。 ただし確認しておくべきことが1つあります。4月から6月にかけて死亡者数が急増しているのは、ワクチンのせいではなく、例年の季節変動によるものかもしれない、という点です。・・・でも大丈夫です。いつの時代も人が死亡するのは圧倒的に冬が多く、4月から6月にかけては大幅に減少していく季節なのです。本来は、人々が生命力を取り戻すはずの時期だということです。 以上の考察から、「冒頭に掲げたグラフは、ワクチン接種が原因で死者数が増えたことを示す」と言える可能性は非常に高いのですが、ただし、これを認めない人たちもいます。彼らの主張は、日本人は毎日3,800人くらいが老衰や病気で死亡しており、誤差範囲だということです。このような主張を統計学で打破するのはなかなか難しく、水掛け論に終わりそうです。 諸々合わせて、「これらのグラフだけで因果関係を証明したことにはならない」、というのが冷静な結論となります。超過死亡の問題(当ホームページ2023年3月20日付記事参照※2)も同じですが、統計データだけにあまり拘らないほうがよいでしょう。 (※2:記事⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page4054#4055 の第2弾 ) (※2:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ0 の(2) ) やはり必要なのは、繰り返し述べてきた「トゲトゲ蛋白の免疫組織染色」(当ホームページQ15(3)参照※3)による直接証明です。全国の医師が自由に検査委託できるような体制の確立が望まれます。 (※3:記事⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/index_covid.html#PQ15 の(3) ) 【参考文献】 1) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_hukuhannou_youshikietc.html 2) https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/more-detail/qa_05_a04.html 3) Coronavirus (COVID-19) vaccinations. Our World in Data, Apr 19, 2023.        
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