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投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析し日々更新  正しい情報を偏りなく NEW! (10) 年をとると免疫はつかなくなるのか?  → 「もう歳だから打つことにした」「いい年齢だから打つのやめた」「打ったら熱が出た!自分も捨てたもんじゃない」「あなたの歳では熱も出ないから解熱剤はいらないと医者に言われ、頭にきた」などなど、世間は訳のわからない会話で盛り上がっています。 やはり誰もが気になっていたのは、年をとると副作用も出ないのか、もしそうなら免疫もつかないのか、ということです。 その答えがやっとわかりました。米国でワクチン接種を2回受けた50人の血液を調べ「年齢別に中和抗体の量を比べた」という、有難い研究が行われたのです。使ったワクチンはファイザー社製で、「従来の新型コロナウイルス」と「ブラジル型変異ウイルス」のそれぞれに対する中和抗体を同時に調べたものです。 その結果をグラフにして、2021.7.27付けでここに掲載したところですが、複雑なデータをより忠実に、よりわかりやくすお伝えするため、全面改訂を行いました。データは、「年齢が高い人ほど、若い世代に比べ極端に免疫がつきにくい」ことを示しています。 研究対象となった50人には個人差もありますから、そのバラツキの範囲を楕円で表示しました (グラフは、著作権を侵害しないよう、発表データをもとに筆者が作図したもの)。 それにしても、かなりショッキングなグラフですから、気が弱い人の目に入らないよう、表示は止めてあります。ショックを受けても大丈夫な方だけ、点線の枠内にカーソルを合わせてご覧ください。 【参考文献】 1) Bates TA, et al., Age-dependent neutralization of SARS-CoV-2 and P.1 variant by vaccine immune serum samples. JAMA, Jul 21, 2021. NEW! (11) ワクチンはどれくらいの間、効いているのか?  → 待望のデータが発表されました。ワクチンの効果がどれくらい続くのかを実証した、初めての報告です。中和抗体量ではなく、接種後の時間が経つにつれ、感染率がどれくらい悪化していくのかを実測したものです。 その方法が見事です。場所はイスラエル。早い時期から接種が行われていましたが、そのうち今年の「2月に接種を受けた人」と「4月に接種を受けた人」に限定して、比べたものです。対象は2回接種を終えた50万人ほどです。この2つのグループの全員に対して、6月1日からの約2ヶ月間で、いっせいにPCR検査を実施しました。 その結果は明快でした。感染した人の割合は、「2月に接種を受けた人たち」が「4月に受けた人たち」に比べて2.0倍も高くなっていたのです。ワクチンの効果は、そもそも世間で言われているほど大きくありませんから(Q10、Q12参照⇒ https://rara.jp/royal_chateau_nagaizumi/page2172 )、接種して2ヶ月もすると効き目は、ほとんどなくなるということになります。 この調査が優れていたのは、2つのグループを設定する際、年齢、性別はもちろん、居住地や収入、さらには肥満度、高血圧、糖尿病、心臓病、腎臓病、自己免疫疾患などを徹底的に調べ上げ、偏りがないようにコンピュータで調整していたことです。そのため対象から外されてしまう人も少なくありませんでしたが、設定としてはほぼ完ぺきだったと言えるでしょう。 このデータを日本国内に当てはめれば、6月末以前に接種を受けた人たちは、すでに効果が完全に切れてしまっている、ということになります。ただし前項で述べたとおり、あくまで50歳以下の人たちに限る話であり、それ以上の年齢層では最初から免疫はついていなかったと思われます。 【参考文献】 1) Mizrahi B, et al., Correlation of SARS-CoV-2 breakthrough infections to time-from-vaccine; preliminary study. medRvix, Jul 31, 2021, in press.  
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