投稿画像
投稿者:はっちん
新型コロナのエビデンス 元記事URL⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/ 岡田正彦 新潟大学名誉教授(医学博士)  テレビでは語られない世界の最新情報を独自に分析  正しい情報を偏りなく (2023.2.6) Q 繰り返しのワクチン接種が免疫機能を破壊する?  第7回 オーバーワクチン症候群 オミクロン株は、いまや感染力がどんどん高まり、それと同時に弱毒化もするという方向へと変異がシフトし、やがて消えていきそうな気配です。過去、感染症の多くは、このような経過をたどって終息してきました。 一方、肝炎を起こすウイルスのように、一度、感染すると、ずっと体内に残るものもあります。肝炎について行われた最近の研究によれば、同じウイルスの攻撃を繰り返し受けていると、やがて「異物を異物として認識する免疫力」がしだいに疲弊し、反応しなくなっていくことがわかりました(1)。 新型コロナワクチンを繰り返し打った場合、免疫システムが反応しなくなるだけでなく、ブレーキさえかかってしまうことが動物実験であきらかになりました(2)。その実験では、まず数匹のマウスにワクチンを4回打ち、その後、2つのグループに分けて、一方は追加接種を行わず、他方には接種を繰り返していきました。 両グループのマウスに対して、同じタイミングで血液成分を調べていったところ、5回以上の追加接種をしていくと、以下のような変化が起こることがわかりました。  ・T細胞(B細胞に抗体を作らせたり、感染細胞を殺傷したりする)が活力を失う  ・PD-1(T細胞を疲弊させる物質)が増加する  ・インターフェロン(第1回で神様の贈り物と紹介)が低下する  ・メモリーB細胞とメモリーT細胞(過去の感染歴を記憶している)が減る わかりやすいのは抗体の変化です。以下は、その実験データを示したグラフです(論文のデータをもとに私が作図:画像⇒ https://okada-masahiko.sakura.ne.jp/immunetolerance.jpg )。横軸は時間の経過で、ワクチンを打ったタイミング(0、1、・・・、6回目)に合わせてあります。5回目以降、接種直後から抗体の産生が抑制され、低下していることがわかります。 これら一連の変化は、ワクチン接種を繰り返していくと、感染が起こりやすく、かつ感染すると重症化しやすくなることを意味しています。論文を発表した研究者たちは、ワクチン接種を繰り返したあと感染してしまうと、免疫機能にいっそうブレーキがかかり危険だと述べています。 ただし、このデータはあくまで動物で得られたものであり、接種間隔も極端に短くなっています。もし間隔を現実に合わせて3ヵ月以上にしてしまうと、抗体が自然減少する割合に大きな個体差が生じてしまい、ブレーキのかかり具合が見えなくなってしまうでしょう。この研究者たちの巧みな発想による実験だったのです。 したがって同じことがヒトでも起こるかどうかはわかりませんが、私の経験で言えば、ワクチンを3~4回目以上接種したあとに感染した人は、症状が重くなる傾向が確かにあります。 お母さんのお腹にいる赤ちゃんは、母体にとって異物でありながら、なぜ免疫システムによって排除されないのか、その仕組みがわかってきました(3)。胎児と母体の間には、両者を隔てる膜があり、その表面に生えている糖鎖(第6回で紹介)が、胎児を異物として認させない役割を果たしている、というのです。 新型コロナワクチンの場合も糖鎖が関わっていて、ブレーキをかける方向に働いているようなのですが、詳細はまだわかっていません。 ワクチンを繰り返し打つことで起こる「一連の困った出来事」を、当ホームページでは「オーバーワクチン症候群」と命名することにします。今後、ワクチン問題を考える上で重要なキーワードとなりますので、ぜひご記憶ください。 【参考文献】 1) Gao F-X, et al., Extended SARS-CoV-2 RBD booster vaccination induces humoral and cellular immune tolerance in mice. iScience, Dec 22, 2022. 2) Han Q, et al., Reversal of hepatitis B virus-induced systemic immune tolerance by intrinsic innate immune stimulation. J Gastroenterol, 28: 132-137, 2013. 3) Rizzuto G, et al., Establishment of fetomaternal tolerance through glycan-mediated B cell suppression. Nature, Oct 25, 2022.        
投稿記事
画像を拡大