投稿者:中森達
武藤 様 皆様
その後、私は北海道自然史研究会のMLに以下の投稿をしました。
(4月2日の石狩川河口での観察報告に続いて)
4月4日に小樽の塩谷漁港にて、カモメ類の群れ(数百~1000羽ほど)、種はオ
オセグロとウミネコ、カモメなど。港内にイワシの大群(写真1・2)。生きて
泳いでいるのですが、全体的に元気がなく、底に沈んでいる個体や死んで浮か
んでいる個体もあり、時折カモメが捕獲するのを見ました。犬の散歩をさせて
いた近所の御夫婦にうかがったところ、「ここでこんなにイワシの大群を見る
のは初めてで、カモメの数も増えてきている印象」、とのこと。
カモメが多いのは漁港周辺だけではなく、沖の写真を撮影したところ、おびた
だしい数の鳥(おそらくカモメ類)が写っていました(写真3)。1枚の写真に
写っている鳥の数をカウントしたところおよそ700羽。
以上の観察から、小樽~石狩川沿岸で目撃したカモメ類の多さとイワシの北上
の関係を疑っているのですが、カモメ類の数が平素と比べてどれくらい多いの
か少ないのか、モニタリングをしているわけではないので不明。また、イワシ
の群れの北上が稀な現象なのかどうか、あるいは石狩川河口付近まで及んでい
るのかどうかが不明です。(以上、投稿内容から)
MLを読んだ会員の方からイワシとカモメに関する貴重な情報をいただきました。
いしかり砂丘の風資料館の志賀さん、沼田町化石館の長野あかねさん、北海道
博物館の圓谷昂史さん、白崎真さんから。要約すると、イワシの大群は今のと
ころ、小樽塩谷漁港・張碓~銭函海岸・石狩浜・小平道の駅裏の浜辺、で確認
されていて、カモメの群れは塩谷漁港と塩谷沖、石狩川河口周辺、浜益沖、初
山別の浜辺で確認されています。
またニュースでもイワシの漂着が報じられていて、
北海道小樽市の海岸(張碓~銭函)で今月20日ごろから大量のイワシが漂着し、
地元では困惑が広がっています。漁師さん:40年以上やっているけどイワシが
上がるのは初めて(日テレNEWS)
留萌港でイワシの群れが確認されたのは4月3日、北海道函館市、小樽市に続き
今度は留萌市にあの魚が。港にイワシの群れが現れ、市民を困惑させています。
釣れたのはイワシ。しかも大漁です。海中をのぞいてみるとイワシで埋め尽く
されていました。通常この時期に釣れるのはニシンで、イワシの群れが現れる
のは初めてです。なぜ現れたのか、原因はわからないということです(UHB 北
海道文化放送)
自分の興味は、今回のイワシの北上と沿岸への移動漂着がカモメ類をはじめと
する沿岸の鳥類の生態にどのような影響を及ぼすのか、についてです。
ミツユビカモメが河口付近で見られる、というのもイワシの影響でしょうか?
これからどうなっていくのでしょうか?