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投稿者:浮浪雲
【事例1】 バルコニーアルミ手摺の笠木端部をRC手摺壁に固定しているL型部材(写真1)の2本の「ねじ」が脱落寸前まで緩んでいるところを、たまたま見つけてすぐに締め直した。(なんとか、事なきを得た。) ●原因 1) ねじ締付けは軸まわり、軸直角の力に弱い!  当該部材のねじ締付けでは、震動の力が「ねじ」の横方向からかかっているため、緩んでしまう。 2) 手摺支柱に別途取付けした物干し金物がある場合は、震動が増すため、さらに緩みやすくなる。 3) 施工時に『ねじの緩み止め』対策をしていない。 ●対策 『ねじの緩み止め』 * ワッシャの併用 (スプリングワッシャ + 平ワッシャ) * 緩み止めねじの使用 (ねじ自体を替える)   緩み止めねじ (市販品) のタイプ:   ・ ねじ山干渉タイプ   ・ 接着剤塗布タイプ   ・ 樹脂埋込みタイプ   などがある。 今回のケースは、 *「ねじ」の横方向から力がかかる部位で、なお且つ、“ 上向き ” のねじ締付けにおいて、“ 普通のネジ ” を単体で使用している。 * ねじの、緩み・脱落・紛失の危険性を無視した施工である。 【事例2】 「またも、「固定ねじ」の脱落!」 先日の強風の後、バルコニーアルミ手摺の中央部に付いている控え柱(斜めの支え)と手摺支柱(50ミリ角形材)とを締結している「タッピングビス」が抜け落ちていた。(写真2) 上下2箇所のうち、下1箇所が残っていたため手摺の倒壊までには至らなかったが、考えてみれば恐ろしい事である。 (抜け落ちていたビスを再び締めてみたが、風圧による「ビスの引抜き」破壊で穴が大きくなっており、いわゆる “ 馬鹿ねじ ” になっていた。) ● 風の正圧・負圧をまともに受ける腰が板(網入ガラス)の手摺において、控え柱の固定方法が「タッピングビス」という施工は、まったくお粗末である。 控え柱パイプ(25ミリ角形材)と上・下部ブラケット、および、上部ブラケットと手摺支柱(50ミリ角形材)との締結は、どちらにも、SUS “ 貫通ボルト ” とナットによる締結方法を採用するべきであった。 ●タッピングビスでは、手摺支柱角パイプアルミ材の肉厚2.0ミリ分のネジ掛かりしかないため、引張強度は小さい。 なお、アルミ手摺笠木端部をRC手摺壁に固定しているL型部材締結【事例1の" ねじ "】もタッピングビスではなく、上記同様のSUS貫通ボルト・ナット式の締結にするべきであった。 【今現在、バルコニーアルミ手摺は 「基本的な安全性」 を満たしていない!】
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