投稿者:kiya
<マラムレシュ・バイアスプリエ>
北に向かうと、バイア・マーレという大きな町がある。その東のバイア・スプリエに僕達の泊まるペンションがある。
バイア・マーレの外れで、車の窓を開けて、横断歩道を渡る人にバイア・スプリエの道を尋ねた。
男は寄って来て、なぜか窓に腕を乗せて、覗き込むような仕草で、道を教えてくれた。
そしてそのあと、指輪をうっかり車の内側に落としてしまったと言う。 ドアを開けて座席の脇を見始めたが、すぐに怪しい事に気が付いた。
下に注意を引かせて、その間に座席の荷物を盗むのである。
これと同じ手口を、日本の特急列車に中で目撃したのを思い出したのだった。
直ぐに車のドアを閉め、指輪は落ちてないよ! と走り去った。[スリの手口のリスク管理]だ、アブナイ、アブナイ!
バイア・スプリエに着いたが、細い脇道がたくさん有り、ペンションの場所が分からなかった。
酒場のそばでオヤジさんに、ペンションを聞くと、知っているから一緒に車に乗って連れて行くと言う。
下手な英語と、ルーマニア語の会話だから、身振りで判断するのだ。 しかしオヤジさんは酒臭いから、妻があぶないから止めろと言う。
仕方なく自分で探したがやはりペンションを見つけられなかった。
やむなく、途中で出会ったご婦人に聞き、彼女を乗せて案内してもらい、ようやくペンションに到着した。
道の向かい側を見ると、お婆さんがにっこり会釈してくれた。なんと、その横には、先ほど道を聞いた酒臭いオヤジさんが居るではないか!
偶然、ペンションの向かい側の人だったんだ、余計な時間を喰ってしまった。
ペンションでの夕食のとき、若い女性の旅行者も数人いて、カタコトの日本語でぼく達に話し掛けてきたので驚いた。
日本語を覚えようとしているのだろうか。ルーマニアもこれから、変わっていくんだなーと感じた。
ペンションの向かい、お婆さんと酒臭いオヤジの家、