ひろば
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イスラエルの高度技術
雪谷旅人 投稿日:2019年07月15日 10:01 No.389
「イスラエルの旅」準備第4弾。今回はイスラエルの高度技術について。

ダン・セノール,シャウル・シンゲル著,宮本喜一訳「アップル,グーグル,マイクロソフトはなぜ,イスラエル企業を欲しがるのか」(2012年,ダイヤモンド社)
原題:Start-Up Nation: The Story of Israel’s Economic Miracle

原題にもあるように,「イスラエルの奇跡」がどこから来るのかを検証した本だ。インテルの主要なマイクロプロセッサーがイスラエルで開発されたように,イスラエルはエレクトロニクス,インターネット,バイオ,医薬の最先端技術開発,スタートアップ(ベンチャー)拠点として発展している。その源泉は政府の産業政策,軍隊の厳しい人材育成(男女とも徴兵制),そしてクラスターと呼ばれる異業種の繋がりである。周囲を敵国に囲まれた厳しい環境が士気を高めている。少し気になるのは,アメリカ,中国,インド,シンガポール,韓国,フィンランドはたびたび本書に出てくるが,日本は一度も出てこない。日本はすでにベンチャーの後進国になっているのだろうか。

米山伸郎「知立国家 イスラエル」(2017年,文春新書)

イスラエルに関する記述は上記とほぼ同じだが,日本との比較や日本との関係についての記述が充実している。新しい本なので,ドローンや自動運転,ウーバーなどの新技術もイスラエルが発祥,とある。日本の教育は知識の詰め込みと協調性が優先されるが,イスラエルでは失敗を恐れない創造性とディベートが重視される。イスラエル人は0から1を作るが,日本人は1から100に育てる。イスラエル人と日本人の協業はここにヒントがある。平成30年の停滞から脱する方策が提案されている。

熊谷 徹「イスラエルがすごい」(2018年,新潮新書)

第二のシリコンバレー,イスラエルの凄さの最新情報。2017年3月,インテルはイスラエルのベンチャー企業「モービルアイ」を1兆7000億円で買収した。自動車の自動運転技術を取り込むためだ。イスラエルのベンチャーマインドは止まることを知らない。これに着目して,ドイツが関係を強化し,中国が資本・技術の交流を深めている。日本は最近になってようやく着目し出したがかなり遅れている。日本人の内向きの姿勢が強くなっている。