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なぜヒトだけが老いるのか
雪谷旅人
投稿日:2023年07月08日 09:25
No.1742
小林武彦著「なぜヒトだけが老いるのか」
(講談社現代新書,2023年6月刊)
生物学者の「老年人生論」。野生動物は更年期や閉経期になると,間もなく(ほとんど心不全で)死ぬか,天敵に食われてしまう(飼い犬や飼い猫は別)。例としてゾウ,イルカ,クジラなどの生態が描かれている。30~40年の老後があるのはヒト(人間)だけだ。いわば人間の特権で,それだけの価値があるし,価値を生まなければならない。
老後を価値ある「シニア」とするには,利己から利他へ,私欲から公共へとシフトしていくことが重要だ。もちろん,旅行や趣味で楽しんだり,孫の面倒を見るのはよいことだが,その一部を「公共」に使ってはどうか。教育,後輩の育成など,世の中の助けになることを見つけよう。とくに体を使う仕事は,寝たきりを防ぎ,「ピンピンコロリ」で死ぬ幸せな人が多い。
ヘミングウェイの「老人と海」では,孤独な老人が大物のカジキと三日三晩奮闘する様子が描かれている。最後は徒労に終わるのだが,その戦いで幸福感を感じる。この老人はすでに「老人的超越」の域に入っている。そのような超越は,「公共」を尽くした人に与えられる。85歳を過ぎると「老人的超越」になれるそうだ。(私はあと1年半だ---笑)