ひろば
投稿は会員のみ。画像をクリックすると拡大されます。 投稿者名(青色)をクリックすると,フォームメールを送信できます。
| 新規投稿 | トップに戻る | 検索 | アルバム | 管理用 |

お名前
メール
タイトル
画像添付





編集キー ( 記事を編集・削除する際に使用 )
文字色


西ネパール
雪谷旅人 投稿日:2022年05月03日 13:43 No.1499
稲葉香「西ネパール・ヒマラヤ最奥の地を歩く」(彩流社,2022年1月刊)

西ネパール・ヒマラヤ秘境(ムスタン,ドルポ,フムラ,いずれもチベット語圏)の旅行記。本文と写真を稲葉香という女性が一人で担う。写真もプロ並みで美しい。著者は2020植村直己冒険賞受賞。

美容室を営む彼女はリウマチの持病があったが,同じ持病で悩んだ河口慧海に共鳴し,彼の軌跡を辿る。河口慧海は仏教の本質を求めてインドからネパール西部経由チベットに密入国する。ネパール西部は5000mを越える高山と急峻な絶壁,急流の河川を含む厳しいところだ。その秘境を女一人がトレッキングし,時には現地人やヤクをキャラバンに組んで旅する勇気と体力に驚く。

とくにフムラ遠征の途中,国境峠のロルン・ラから聖地カイラス山を発見する冒険は感動的だ。現地のガイドも驚く探求心だ(p.146)。ドルボでの越冬も厳しく,現地の人々の温かい思いやりに心が打たれる。