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アラビアのロレンス
デヴィッド・リーン 投稿日:2023年07月04日 13:39 No.1102



アラビアのロレンス(原題: Lawrence of Arabia 英国) 1962年 全世界年間興行収入ランキング1位

1916年、英陸軍カイロ司令部に勤務するロレンス少尉は、敵国ドイツと同盟を結ぶトルコに対して反乱を起しつつあるアラブ民族の情勢を探るため、3か月の休暇を得た。元考古学者で現地の情勢に詳しいロレンスは、トルコの圧政に苦しむアラビア人たちに深く同情していた。反乱軍の指導者フェイサル王子に会うため旅立ったロレンスは、途中、ハリト族首長アリと出会う……

監督 デヴィッド・リーン 代表作 『大いなる遺産』『戦場にかける橋』『ドクトル・ジバゴ』
脚本 ロバート・ボルト、マイケル・ウィルソン
音楽 モーリス・ジャール 代表作 『ドクトル・ジバゴ』『地獄に堕ちた勇者ども』『インドへの道』
主演 ピーター・オトゥール(ロレンス) 代表作 『冬のライオン』『チップス先生さようなら』『マーフィの戦い』


上映時間 207分(オリジナル版) 227分(完全版)


登場人物

トーマス・エドワード・ロレンス: 英国陸軍情報部中尉

ファイサル: アラビ王族の皇子。(アレック・ギネス) 代表作 『大いなる遺産』『戦場にかける橋』『スター・ウォーズ シリーズ』

シャリーフ・アリ: ハリト族の族長。(オマル・シャリーフ) 代表作 『ドクトル・ジバゴ』『イブラヒムおじさんとコーランの花たち』

アウダ・アブ・タイ: ハウェイタット族の族長。(アンソニー・クイン) 代表作 『革命児サパタ』『道』『その男ゾルバ』

エドムンド・アレンビー: 英国陸軍元帥。(ジャック・ホーキンス) 代表作 『戦場にかける橋』『ギデオン』『ズール戦争』



【起】
1935年5月13日、オートバイで走行中の男が自転車を避けようとして道路を外れ転倒し死亡。ドーセット州モートンの教会で行われたその男の葬式には多くの人が参列し、銅像も建てられることになった。新聞記者が故人について参列者に尋ねると、「素晴らしい業績をあげたがよく知らない」、「英雄だが自己顕示欲にまみれた男」、「彼ほど偉大な人物は居ない」と評価は毀誉褒貶相半ばしていた。

【承】
1916年10月、イギリス陸軍エジプト基地勤務の地図作成課少尉のロレンスは、風変わりな男として知られていた。アラビア語やアラブ文化に詳しいことから、オスマン帝国からの独立闘争を指揮するマッカのシャリーフであるスンナ派のハーシム家のファイサルと会見してイギリスへの協力を取り付ける工作任務を受けることになる。ロレンスはマッチを指で消すのがささやかな特技だったが、炎を息で吹き消すと、場面は灼熱のアラビアの砂漠へと転換する。

ラクダも初めは不慣れだったが、見事に乗りこなせるようになった。案内役のベドウィンが井戸から水を汲んでロレンスに飲ませた。蜃気楼の中から現われたアリと名乗る井戸を所有するハリト族が現れ、無断で他部族の井戸水を盗んだとして案内人を銃で殺害する。アリはロレンスには罪はなく、砂漠を旅するのは大変だろうと案内人を買って出るが、ロレンスはきっぱりと断って一人で出発する。

ロレンスが、ヤンブーにあるアラブ人の基地に到着すると、基地はオスマン帝国軍の襲撃を受けており、ファイサルが懸命に指揮するもののアラブ人は全く反撃できなかった(ヤンブー占領)。ファイサルと面会したロレンスは、独立闘争への協力を約束する。ロレンスはヤンブー・マディーナとタブークの中間にある紅海北部の海岸の町アル・ワジュからアラブ人の勇者50人を率いてネフド砂漠を渡り、オスマン帝国軍が占拠する港湾都市アカバを内陸から攻撃する電撃作戦を立てた。アカバの砲台はアカバ湾(紅海)に向いており、内陸からの攻撃には無防備だった。

延々と続く砂漠を夜間行軍中、ガシムという男が列にいないことにロレンスは気付いた。「戻って助けに行く」と主張するロレンスに、「無茶だ」「死にに行くのか」とアリは抗議する。無謀にもロレンスは、ガシムを救うために一人で今来た道を戻るのだった。ロレンスはラクダにガシムを乗せて戻ってきた。アリをはじめアラブ人達はロレンスを賞賛し、白く美しいアラブ伝統の衣装を身に着けさせ、ロレンス1人だけのアラブ部族として認めたのであった。アカバ近くでアウダ・アブ・タイが率いるハウェイタット族と遭遇した。アウダはそれまでオスマン帝国軍に協力していたが、アラブ独立のためにロレンスと共にオスマン帝国軍と戦うことにする。しかし悲劇が起こる。ロレンス側の兵士がアウダ側の兵士を殺してしまった。殺したのはガシムだった。軍の統制と団結を保つため、ロレンスは苦渋の思いでガシムを拳銃で処刑した。

1917年7月6日にアラブ軍はアカバを奇襲し、オスマン帝国軍の大砲が全て海側に向いていたアカバはあっけなく陥落した(アカバの戦い)。ロレンスはシナイ砂漠を横断してスエズ運河になんとか辿り着き、イギリス陸軍司令部に急行した。アカバ陥落と今後のヒジャーズ鉄道襲撃計画を司令部に報告し、スエズ運河などの攻撃に割くべきオスマン帝国軍の兵力が鉄道防衛に振り向けられて薄くなったら、イギリス軍が呼応してシリア・パレスチナまで反攻させるイギリス軍のための後方撹乱作戦のためである。ロレンス達がシナイ砂漠を横断中に、部下のアラブ人少年の一人ダウドが流砂に捕われて死んでしまう。司令部に到着し、ロレンスはもう一人の部下のアラブ人少年ファラージと共に建物の中に入った。汚れたアラブの衣装を身に付けたロレンスを見て、周囲の軍人は驚きを隠せなかった。そしてロレンスがアカバ陥落を告げると、その場の誰もが驚愕した。満身創痍のロレンスは、司令部内のカフェでレモネードを2つ注文した。「アラブ人は外に出せ」という文句を無視して、ファラージにもレモネードを御馳走したのだ。このロレンスの行動は、アラブ反乱がイギリス軍のための単なる後方撹乱作戦という位置づけなどではなく、アラブ人にアラブを与える聖戦であるという大義の表明でもあった。

ロレンスは少佐に昇進した。イギリス陸軍からの兵器の補充を受けたアラブ軍は、オスマン帝国軍への更なる攻撃を開始する。オスマン帝国のヒジャーズ鉄道の線路に爆弾を仕掛けて機関車を爆破して猛襲するという戦法を展開した(ワジ・ムサの戦い)。この戦法は大成功を収め、ロレンスの活躍は新聞にも載って広く報道されるのだった。しかし三回目の鉄道襲撃で爆弾を設置する時に、ファラージが懐に入れておいた信管を爆発させてしまった。止むを得ずロレンスは、ファラージを苦しませないためにその場で拳銃で殺害し、鉄道爆破計画を中止した。

【転】
次にロレンスは現地の人の服を身に着けて現地人に化け、ダルアーに偵察に行った(ダルアー占領)。心配するアリに対し、「私は透明人間だ」と意気揚々だったが、オスマン帝国軍に見つかり連行された。ロレンスは服を脱がされ、ダルアーを支配するオスマン帝国軍のベイ将軍の好色の餌食となってしまう。

エルサレムでロレンスはアレンビー将軍に辞表を出すが、イギリス陸軍はそれを受理せず、サイクス・ピコ協定を知らせた上で彼をアラビアに送り戻してダマスカス侵攻を指揮させる。ロレンスは、アラブ人にアラブを与えるという大義の為にイギリス陸軍正規部隊より一足早くダマスカスに到着するためとはいえ、彼の部隊に金の為に動く殺人犯も加え、より攻撃的な部隊を編成して進軍する。ダマスカスへの進軍の途中、ロレンスの部隊はタファス村を大量虐殺したばかりの退却中のオスマン帝国軍と遭遇し、逃走してきた村人に"No prisoners!(捕虜はいらぬ=皆殺しにせよ)"と復讐を懇願される。彼が単身でオスマン帝国軍に切り込み殺されたことをきっかけに、ロレンスの部隊は復讐の連鎖の深みにはまり込み大量虐殺を行ってしまう。

凄惨なメギドの戦いの後、ロレンスの部隊は、イギリス陸軍正規部隊より一足早くダマスカスをオスマン帝国軍から解放することに成功する(ダマスカス占領)。しかし、戦闘で精神的に荒廃したアラブ人の戦士達はアラブ国民会議でエゴをぶつけ合い始め、その結果、街に電力が不足し、火事は収まらず、病院はおざなりになってしまうのだった。アラブ民族会議に失望したロレンスは「砂漠など二度と見たくない。神にかけてだ。」と言い、アラビアを去ることを決意する。ロレンスのことを「敬愛しつつ恐れたが、彼自身も、自分を恐れていた」と語るアリに「アラブに生まれたということは辛い思いをしろということだ」とアウダは言う。その言葉はロレンスの中にある外へのジハードと内へのジハードの葛藤、復讐と寛容との心の戦いを言い当てていた[4]。病院の惨状により、イギリス軍の医療隊が病院にやってきてその中の一人の男が病院を見に来ていたロレンスをアラブ人と勘違いし、平手打ちにする。それはアリとアウダに代わってロレンスとアラブ民族会議を叱責するかのようだった。

【結】
オスマン帝国軍から解放されたアラビアは、もはやロレンスを必要とはしていなかった。フサイン=マクマホン協定を信じてイラク・シリア・アラビア半島を含む大アラブ王国(汎アラブ主義) を構想する老練な族長ファイサルにとって、白人のロレンスがアラブ反乱を指揮した事実は邪魔となっていた。また、サイクス・ピコ協定によりアラブをフランスとともに分割する方針を決めていたイギリス陸軍の将軍にとっても、大アラブ王国を支持し奔走するロレンスは政治的に邪魔な存在となっていたからである。ファイサルは「もうここには勇士は必要でなくなった。私達は協定を進めます。老人の仕事です。若者は戦う。戦いの長所は若者の長所、つまり勇気と未来への希望なのです。だが、老人は平和を作る。そして平和の短所は老人の短所、つまり不信と警戒心なのだ。そうに違いない。あなたに対する私の感謝の気持ちは計り知れない」と語りかけるが、去り行くロレンスにその言葉は虚しく響くばかりだった。

ロレンスはイギリス陸軍の英雄として大佐に昇進させられながらも、アラブ人としての大きな失意を胸に抱きながらアラビアから追放されるのだった。このとき、食堂でロレンスをイギリス陸軍の英雄として褒め称え握手を求めたのは、病院でアラブ人の不寛容に怒りロレンスを平手打ちにし、ロレンスの葬式の際に教会の入り口で記者に抗議する男だったのである。誰よりもアラビアを愛した男、ロレンスを乗せて走り去るロールス・ロイスを、オートバイが追い越していった。

The End_Wikipedia

第35回アカデミー賞 作品賞 監督賞 編集賞 録音賞 美術(カラー)賞 撮影(カラー)賞 作曲賞 受賞


みんなの評価 4.1/5.0

最高 (^0^)

砂漠の美しさや恐さ、列車強盗、要塞での戦闘どれも美しい構図で魅せてくれる。
物語は少々お堅いが予想もしない展開で心張り詰めされる。

最低 ( ` 3´)

4時間近くもかけて、三行で分かる偉人伝を見せられるとは!
砂漠と野望と挫折とホモ。それだけの大作。




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